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2017年05月05日

メンデルスゾーン 交響曲第3番「スコットランド」 マーク/東京都so 1993年ライブ録音

メンデルスゾーンといえば、名匠ペーター・マークについて語らねばなりません。が、名演名高いロンドン交響楽団との演奏ではなく・・・

追記:ロンドン交響楽団との演奏も聴きました。

管楽器の香りなどはロンドン交響楽団の方に軍配があがりますが、録音の良さと低弦の分厚さなど総合的には都響盤かなと。カップリングの「真夏の夜の夢」の方が素晴らしい。

メンデルスゾーン
交響曲第3番イ短調「スコットランド」
指揮:ペーター・マーク

東京都交響楽団
19
93年 東京文化会館でのライブ録
録音 4.35点 演奏 4.65点

カップリングは、序曲「フィンガルの洞窟」、モーツァルトの「プラハ」


マークはこの曲を得意とし、3度この曲を録音していますが、個人的に一番優れていると思うのはこのCDです。1回目の録音は若きマークの演奏で名録音と同時に名演奏で今でも語り継がれていますが、この晩年の方がそれ以上に熱気に満ちています。東京都響の質もこの時にはもう相当高かったです。今のインバルとの演奏レベルより少し劣るくらいじゃないでしょうか。

残念ながらクレンペラーの演奏と比べると管楽器・ブラスに+αの香りは感じられません。

しかし、それを補うくらいのライブ特有の熱気があり、ぎりぎり崩れないヴァイオリンのアンサンブル、それを支える低弦の深い響きとティンパニの強打とクレンペラーに欠けていたものがこの演奏にはあります。

年代を考えるともう少しオン気味の録音でレンジが広ければ(特に高音部)、これがサントリーホールだったらと少したらればがありますが、マークがフルトヴェングラーに私淑していたことを思い出させてくれるのは、ロンドン響との演奏よりこちらの方が上。
こちらロンドン響とのyoutube。


特に第1楽章の前のめりで進むコーダ部分と第4楽章の圧倒的な迫力(特にコーダの低弦の効いた悠然たる進行)が見事。時にティンパニの強打やトランペットとホルンの咆哮が結構きつめで粗野な部分もあるので、ちょっとイメージするスコットランドと違うかもしれません。

でも力強い響きだけで勝負なのではなく、第2、第3楽章も緩急をつけながら、翳りのある音色を都響から巧みに引き出しています。各楽器が本当によく歌っています。

同時収録の「フィンガルの洞窟」も名演。フルトヴェングラーのような深い響きとアッチェレランド。クレンペラー盤と同じ組み合わせですが、こちらのCDの方に手が伸びることのほうが多いです。プラハも佳演ですしね。リマスタリングしてSACDで出ないかな。淡い期待。

晩年のマークはartレーベルというマイナーなレーベルから、イタリアやスペインの地方楽団とベートーヴェンの交響曲全集を含む数多くの録音をしましたが、この演奏より優れたものはありませんでした。オケが非力なのとぼやけた録音が残念です。
一例です。
リマスタリングされたみたいですが、微妙な気がしてパス。


やはり都響との 1990年のベートーヴェン 第9は録音もよく素晴らしい。フルトヴェングラーの演奏をいい録音で聴けたような喜びを味わえます。

最後のアッチェレランドも早い!都響とのライブ盤は結構発売されました。ブルックナーを除き基本はずれがない名コンビでした。ありがとう、都響。

しかし都響というと、はるか20年前に就職活動をしていたときを思い出します。東京まで面接を受けに行き、「新幹線だよね?」と交通費をもらったのですが、実は深夜バス通い。面接が終わって本屋へ直行してぴあを調べると、深夜バスが出るまでの時間にインバルと都響とのコンサートがサントリーホールであるのを確認し、サントリーホールへ。浮いたお金で当日券を買い、初サントリーホール。マーラーの第5、いい演奏でした。

隣のおじさんがアダージェットで見事に寝ていたのに、最後の和音と同時に「ブラボー」と叫んだのが一番印象に残っている。またその話を最終面接で話したが、他の質問にうまく答えられず不採用になり残念でした。(人生振り返ればその会社に採用されていなくて正解でしたが・・・電機メーカーですが、どこかは言えません(笑))

そんなことも思い出させてくれる大事な私のCDのひとつです。もし機会があればどうぞ。凄い!です。
posted by 悩めるクラヲタ人 at 18:33| Comment(0) | 交響曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ヴェルディ 歌劇「オテロ」 ドミンゴ&C・クライバーとムーティ/ミラノ・スカラ座 1981年・2001年


ムーティの全盛期はミラノ・スカラ座での1990年代だったののではと思う今日この頃。そしてプラシド・ドミンゴの全盛期は3大テノールとして活躍した1990年代前後10年くらいかなと。ドミンゴは丁度40代から60代。声は断然40代の方がいいのですが、達者な人ですから声の衰えを演技と表現力でカバーしていきました。
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家にはオテロのCDがそれなりにありますが、聴くのはドミンゴが表題役の2枚。指揮はカルロス・クライバーとリッカルド・ムーティで、ともにミラノ・スカラ座でのライブ録音。ムーティは所持している2001年DVD以降にもオテロを録音してますが、歌手の出来も含めてこの時が最高かと。

ヴェルディ 歌劇「オテロ」 全曲
オテロ:プラシド・ドミンゴ
イヤーゴ:レオ・ヌッチ
デズデーモナ:バルバラ・フリットリ他
指揮:リッカルド・ムーティ
ミラノ・スカラ座管弦楽団・合唱団
2001年 ライブDVD
録音  4.40点   演奏  4.60点



最近のムーティとは違い、まだ斬れ味が残っていながらどっしりと構える伴奏ぶりと長きにわたってピットを守った矜持を感じさせる演奏。後段のクライバーに比べればもっと勢いが・・・という贅沢はありますが、これだけイタリア・オペラに精通している、セラフィン以後の伝統を守る演奏は無いでしょう。気を衒わずスコアをしっかりと鳴らしきる。最初の雷雨からどっしりとした迫力があります。ドミンゴは齢60歳。調子が良くなくキャンセルした公演もあったそうですが、出演して収録されたのは調子がいい日。

最初の登場からやはり他のテノールと存在感が違います。デル・モナコ以後のオテロではドミンゴ以外でははまる人がいない。フリットリと比べて年増と揶揄されましたが、60歳でもまだダンディであり、その分猜疑心と嫉妬の強さをドミンゴが表現しており、声の苦しさもその表現の一つとしており巧み。

このDVDで素晴らしいのはイヤーゴを演じるレオ・ヌッチ。顔が悪人顔ですから、こちらもはまっています。第2幕・3幕はドミンゴを凌ぐほどの存在感。謀略を図り実行する際の厭らしさを顔と声で見事に表現し、「嫌な奴」と素直に思ってしまいます。第2幕最後のドミンゴとの2重唱も圧巻。2重唱に入る前のムーティの握りこぶしを強く握っていただろう長く伸ばすトゥッティ(通常はジャン!ジャン!と鳴らすところを、ジャン!ジャーーンッ!と演奏)も効果的。

第4幕最後の幕切れもオテロ・デズデーモナ・オーケストラともにぐっときます。ムーティも低弦の刻みを強く弾かせてどろどろした悲劇的な最後に。最後の和音では低弦の刻みがすっと消え、管楽器とヴァイオリンがスーーッと終わるところは聴後感が素晴らしい。


ムーティとシカゴsoの最新盤。私はちょっと手が伸びません。

もうこの時点で期待外れだったので。




さてドミンゴには、その20年前に東京来日公演でカルロス・クライバーと演奏した記録も残っています。正規ではありませんが、いずれ出てこないかと期待している記録。NHKにあるはずなんですが。ドミンゴ40歳。
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ヴェルディ 歌劇「オテロ」全曲
オテロ:プラシド・ドミンゴ
イヤーゴ:シルバーノ・カロッリ
デズデーモナ:アンナ・トモワ・シントウ
指揮:カルロス・クライバー
ミラノ・スカラ座管弦楽団・合唱団
1981年 日本来日公演ライブ(ステレオ)
録音  4.20点   演奏  4.70点

※一番いい音質は 米ECLOGUEから1997年に発売されたCD。たまにヤフオクでしか見ません。ステレオで出ているのは記憶するなかでは唯一。NHKの放送用録音だと思われる。同時期に演奏されたボエームもECLOGUE盤が一番音がいい。
モノラル盤は結構出回ってましたが最近はそれも。AMAZONでは今無いですね。1976年のDVDしか出てこない。


音は劣りますが、良好なステレオ。何よりドミンゴの声が若いのと、トモワ=シントウのデズデーモナも巧い。両者円熟期。イヤーゴは劣ります。この当時クライバーはオテロをドミンゴ・フレーニ・カプッチッリの3本柱で演奏するのを好んでいた時期ですが、来日では珍しい組み合わせです。

この演奏ではやはりクライバーの硬軟織り交ぜドラマの限りを変転自在に操る棒捌き、とそのテンションに見事に応えるドミンゴとシントウが聴きどころ。第1幕の冒頭部は当時「オーケストラピットから音が噴き出てくるような・・・」と言われたように、跳ねるような音の粒子が勢いよく、気づけば第1幕最後のオテロとデズデーモナの愛の2重奏に。


全盛期の月9ドラマのようなジェットコースター的展開というか、引き込まれてしまいます。



第4幕での叙情性も見事。イヤーゴの謀略がばれる際の急アクセル、急ブレーキをかけドミンゴに締めくくらせる見事さ。ミラノの観客は最後の和音途中でフライング拍手し始めるが「シィィーーー」と静める良質な観客の多さにも関心。東京の観客はブラヴォーまではフライングしませんが、拍手は普通にしてしまいます。残念。

しかし最近いいオテロ歌手がいないですねぇ。
posted by 悩めるクラヲタ人 at 14:56| Comment(0) | オペラ・声楽曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

プロコフィエフ ピアノ協奏曲第3番+マーラー「巨人」 ユジャ・ワン&アバド/ルツェルン祝祭o 2009年映像


最近の若手ピアニストで個人的にも一般的にも評価が高いと思われるユジャ・ワン。2008年に来日しデュトワ/N響と演奏した「パガニーニ・ラプソディ」を見て以来、個人的に目が離せないピアニストの一人になりました。ここ数年は彼女の演奏内容は勿論ですが、露出の激しいステージ衣装も話題(笑)ユニバーサルと契約しているし、人気も高いままなので安定してCDはリリースされるものの録音含めて彼女の本領発揮を感じさせてくれるものが少ないのが残念。ラヴェルのピアノ協奏曲集もバックの選定に不満で未購入。

今回のプロコフィエフの第3番のコンチェルトは彼女の資質に相応しい作品ですが、CD録音はまだしていない。2013年に駄作と思うプロコフィエフの協奏曲第2番の方は録音しています。バックはドュダメルとシモン・ボリバル交響楽団・・・・カップリングはラフマニノフの第3。

さてどこから不満を突っ込んでいけばいいだろうというCDでした。売却済み。ということで、合わせもののベストは2009年アバドとルツェルン祝祭音楽祭で演奏した映像より。

プロコフィエフ ピアノ協奏曲第3番ニ短調
マーラー 交響曲第1番ニ長調「巨人」
ピアノ:ユジャ・ワン
指揮:クラウディオ・アバド
ルツェルン祝祭管弦楽団
2009年 ルツェルン祝祭音楽祭でのライブ
録音  4.45点  演奏  4.65点


私は車でも見たいのでとDVDで所有ですが、映像の美しさと音質からもブルーレイにすればよかったと。


プロコフィエフは予想通りというか、アバドと協調して少し嫋やかさがある演奏。正直それ位の指揮者と合わせないと彼女のピアノが目立っていい演奏にならないと最近思う。彼女の持ち味はキレのあるテクニックですが、叙情性も豊かなピアニストです。一人で走らせると後者が薄れます。強い打鍵とエキサイティングな表現からアルゲリッチとよく比較されますが、デュトワとのラフマニノフやこの演奏、そしてyoutubeで見たショスタコーヴィチのピアノ協奏曲を見るとそれは違うと思います。

第3楽章最後のカデンツァを聴けばわかります。ちゃんとぐっとストップします(笑)

一気呵成では無く、常に自分を俯瞰しているし、楽譜の読み込みも意外と若いのに深くふっとテンポを落として表情を変えたりするところもあり冷静です。このプロコフィエフの演奏終了後、意外と聴衆の反応は鈍いですが、「彼女なら」ともっと熱い演奏を期待していただけでしょう。アバドと共に作品の良さを冷静に引き出した美演です。だから特に第2楽章がオーケストラの個人技・精緻なアンサンブル、そして遊び心とここぞという時のアクセルを切るワンのピアノが活きて素晴らしい。

第1楽章冒頭でいきなりアクセルを踏んでこないし、第3楽章の音の出し入れの呼吸感・オーケストラとの呼吸感も見事で何度も繰り返し聴くならばこれ位で十分。もっと攻撃的で硬質的な響きを求める方には少し物足りないかもしれませんが。私としてこのライブで不満があるとすれば、聴衆がもっと歓声で応えてアンコールを1曲欲しかったなという位。今のところユジャ・ワンの協奏曲録音の中では1番かと思います。
同じアバドと組んだラフマニノフの2番とパガニーニ・ラプソディはやや録音とオーケストラ選定に不満があり、良い方ですが少し不満。

比較的ジャケット写真が何故か映えない彼女のCDの中でジャケ写もいい。

さてメインのマーラーの交響曲第1番「巨人」ですが、こちらも最晩年のアバド絶好調の記録。オーケストラがアバドの意を汲んで、そこに熱を込めた音の数々。第1楽章は温かな陽光の元で演奏されているかのような幸せ感に満ちた好演。オーケストラもアバドもお互いで音楽することが本当に愉しくて仕方がない、そして「あと何年一緒に演奏できるのだろう」という想いも感じられます。楽章コーダのようなうるさく技量を誇示してくるオーケストラ演奏とは一線を画しています。まだマーラー青春の歌だったことに気づかされます。

ただでさえ打点が曖昧なアバドが指揮棒を持たないためより打点が曖昧にもかかわらず、心躍るような弾むリズムを生み出すオーケストラとの阿吽の呼吸。肩の力が抜けて音楽の流れが良いアバドの晩年の良いところが一番感じ取れる楽章かもしれません。そもそも若い頃はリズムのキレが良い指揮者でしたから。音色は軽いがよく歌う弦楽器バス部隊(ベテランのベルリンpo奏者が多いですね)も上手い。
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アバド晩年の境地を聴くようなユーモアも効き、余力のあるオーケストラが奏でる夢のような第3楽章を経て、最後の力を振り絞ったかのような渾身の第4楽章へ。老練とは無縁でしたが、昔からアバドを聴いている私にとっては音がそれでも太くなり、熱のこもったライブのアバドはやはり凄いと感嘆してしまう。しかしコンサートマスターが優秀で、あのタクト捌きでこれほどアンサンブルが揃った(音楽性とアバドへの信愛の情のベクトルがまでも揃いながら)演奏は出来ない。

賑々しくなりがちな楽章ですが、ティンパニ・グランカッサもここぞという時だけに決めてくれるし、金管楽器も耳障りな音を発しはしない。全体的に歌に満ち、どんなにオーケストラが鳴りきってもオケに余力があるのでスコアが透けて見えるような演奏。そして個人的な好み通りアッチェレランドをかけない悠々としたテンポで進むコーダ部分。ホルンをスコア通り立ち上げて朗々と鳴らせ切り、最後に残った力を振り絞ったかのようなアバドの強烈なテインパニ追加版の「ダダッ!!」という2音。

終演後の風景も長く収録されており、スタンディングオベーションやアバドの熱演を称えて立ち上がらず足踏みでアバドを称賛するオーケストラ、そして楽員が去った後も聴衆の拍手が鳴りやまずステージにアバド一人が出てきて対応する部分(晩年のルツェルンでは恒例行事ではありましたが)など涙が溢れてしまう記録です。
「巨人」に関してはこれが過去最高の名演ではないかもしれませんが、この一夜のコンサートの記録は後世に残って欲しいものです。


さて、ユジャ・ワンに話を戻しますが、アルゲリッチと同じでベートーヴェンの協奏曲には向いていないかもしれませんが、グリーグやシューマン、モーツァルトなどをいい指揮者・オーケストラと共に録音をして欲しいと思う今時稀有なピアニストです。ただモーツァルトとなると、かなり彼女を抑制できる指揮者と組まないと凡演になる可能性大。今のうちにムーティ(シカゴ響でなく是非ウィーンpoで)と録音して欲しいのですが。

このDVDも廃盤が近そうで怖い・・・AMAZONもTOWERも在庫僅かだし。
【Blu-ray Disc】Abbado Mahler: Symphony No.1 ; Prokofiev: Piano Concerto No.3

人気ピアニストなので結構ハイレゾ配信もされていますので、その方が彼女の意外と繊細なピアニッシモが活きて聴こえてきます。当然エッジも!
タグ:優秀録音
posted by 悩めるクラヲタ人 at 08:02| Comment(0) | 協奏曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする