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2017年05月09日

イベール 「ディヴェルティスマン(喜遊曲)」他 マルティノン/パリ音楽院管弦楽団 1960年録音 


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フランスの名匠 ジャン・マルティノンによるフランス音楽集。録音は古いですが、再発売時にFMfanで故長岡 鉄男氏もレビューで褒めていた名録音。演奏も大人しいEMI録音よりもマルティノンがはじけています。

イベールの「デヴェルティスマン」は非常にマイナーな曲ですが、全体として演奏時間も短い組曲の佳曲です。とにかく愉しいしマルティノンとパリ音楽院管弦楽団がおもちゃ箱をひっくり返したかのような愉しい音の数々。DECCAの名録音と共にもっと知られてもいい曲でありCDです。

マルティノン フランス音楽コンサートより
イベール 「ディヴェルティスマン」
指揮:ジャン・マルティノン
パリ音楽院管弦楽団
1960年スタジオ録音
録音 4.40点 演奏 4.60点


カップリングはサン=サーンス、ビゼー、ベルリオーズの下記作品。
交響詩≪死の舞踏≫
小組曲≪子供の遊び≫
交響詩≪オンファールの糸車≫
序曲≪ローマの謝肉祭≫
ハンガリー行進曲 (≪ファウストの劫罰≫より)
序曲≪海賊≫
どの作品もスタジオ録音にもかかわらず、パリっ子の勢いとノリがあり、とにかくいい意味で賑やかで愉しい
CDです。マルティノンの粋を満喫・堪能、そして当時のパリ音楽院管弦楽団の独特の音色をDECCAの名録音が見事に捉えています。
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このCDを知ったのはオーディオの神様 故長岡鉄男氏がFMfanで優秀録音と推薦していたからです。こんな古い録音にも関わらずです。安かったので騙されてもと思って購入してみたら、実際その通りでしたし、何より楽しい曲の発見に驚きました。

もっといい音で聴きたいという病気も併発し、アナログ初期盤(SXLでなくやはり米CS盤ですが)まで探す羽目になりました。「ディヴェルティスマン」は録音されることは少なく、私はあとデュトワ盤位しか知りません。(こちらもアナログ盤で所有)マルティノンに比べると、大人しくて少し物足りない。田舎臭さがもう少し欲しい。


これをマルティノンがパリ音楽院管弦楽団の美質を生かして活き活きと演奏しています。この時の首席奏者は皆音色に一癖あり、トランペット・バスーン・オーボエは特に特徴的で味がある響きです。イベールでは特にトランペットのヴィブラートといったら!!

快活でピアノも含めた打楽器も賑やかに鳴っています。名プロデューサー カルショーが曲とオーケストラの特徴を熟知して、それを見事にパッケージに収めています。録音に関して言えば、ヒスノイズは多めに残してマスターの良さをそのまま生かしていますが、大太鼓ドン!の時に少し音が混濁(当時のレンジの限界)する位でしょうか。

1曲目の序曲から音が飛び出してきます。

ウキウキしてきますよね。初期盤はなかなか再生が難しいですが、何ともノスタルジーを感じる。何よりマルティノンがフランス音楽を愛して已まないやまない風情が随所に漂ってきます。洒落っ気もたっぷり。

ベルリオーズの序曲「海賊」。こちらもマイナーですが、スタジオ録音とは思えない最後の熱気。

マルティノンもクリュイタンスもEMIではなく、Decca専属になっていたらなぁと思わせる輪郭のかっちりした録音。

amazonでもいいですが、中古で見つけたら是非一度聴いてみて欲しい曲・CDです。ハイレゾ配信して欲しい名録音の一つです。


posted by 悩めるクラヲタ人 at 13:27| Comment(0) | 管弦楽曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

レスピーギ「ローマ三部作」の名盤選 トスカニーニ・バッティストーニ・スヴェトラーノフ・山田一雄


いろんな記事を書いていますが、意外とレスピーギの「ローマ三部作」について書かれているブログやHPは少ないのか、多くの方に「ローマ三部作 名盤」という検索で見ていただけているようです。徐々に個別でとも思っていましたが、まとめて見れる方が便利かなと長くなりますが、スヴェトラーノフの演奏なども加えてこの曲を楽しんでいただける内容にしようかと。

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オットーリノ・レスピーギ(1879-1936)の代表的管弦楽曲であるローマ三部作(ローマの噴水・ローマの松・ローマの祭)。この作品しか有名でないため、あまり知られていない作曲家ですが、ラヴェルにも劣らないオーケストレーションの才能の持ち主。ローマの松はよくコンサートで演奏されますが、三部作で演奏されることはあまりないのは残念です。特にローマの祭は、コンサート会場で聞いたら興奮すること間違いなしの作品です。

最近ではシャルル・デュトワがNHK交響楽団と三部作を演奏し、テレビでも放送されましたね。この三部作で不思議なことは、三部作全てを録音しない指揮者が意外と多いのも特徴。バーンスタインならば祭りと松、カラヤン・ライナーなどは松と噴水のみしか録音を残していません。演奏記録も無いのではないでしょうか?

三部作それぞれに特徴があり、家のオーディオ装置の能力を測るには最適な作品でもあります。
ローマの噴水・・・ローマの噴水を描写した叙情的な作品。高音域をいかにうまく再生するか。
ローマの松・・・ローマの有名な松を題材にした豪奢な作品。ダイナミックレンジを測るのに最適。
ローマの祭・・・ローマの祭を題材にした諧謔的な作品。ソロとトゥッティをどう表現できるか。

次期ベルリン・フィルの音楽監督とは違うペトレンコ、ヴァシリー・ペトレンコの「祭り」です。

さて三部作が1枚に収まったCDでは、約半世紀にわたりトスカニーニ/NBC交響楽団のものが代表的名盤とされており、録音さえステレオであればこれを超えるものはなかったことでしょう。

指揮:アルトゥーロ・トスカニーニ
NBC交響楽団
録音 3.55点  演奏  4.75点

今のレベルと比較しても遜色ないオーケストラの技量もすごいですが、トスカニーニの巧みにコントロールされた美しいカンタービレから強靭なfffまでの表現の幅広さ。「マイク壊れるから」という理由で音量を抑えてとプロデューサーに言われたら、そんな機材をぶち壊してしまおうとぶち切れてしまったマエストロ(笑)「祭り」など確かにマイクが壊れてしまいそうなfffです。多国籍混合の交響楽団の良さとトスカニーニの煮えたぎるイタリアの血が見事に融合した演奏です。ただアンサンブルが揃って勢いのある演奏でないことは、「噴水」の叙情性を聴けばわかることで、そこには確かなマエストロの技としっかりとした思想があります。三部作そつなく素晴らしい。

録音も60年前のものですが、最新のリマスタリングで今でも現役盤として一度も廃盤になったことがないというのは、凄いことです。昔のLPでは固い音でしたが、録音会場がカーネギーホールということもあり、リマスタリングで仄かな残響とNBC交響楽団の艶のある音が聴けるようになり再度見直されるべき演奏となりました。

トスカニーニの「松」の終結部。

通常はこれ位といっても芝居っ気たっぷりのプレートル師匠ですが。





その後、ムーティ/フィラデルフィア管弦楽団の演奏がステレオ期の名盤とされましたが、録音が残念で演奏の良さが半分しか伝わってきません・・・

指揮:リッカルド・ムーティ
フィラデルフィア管弦楽団
録音 4.10点  演奏  4.40点

一般的には薦めやすいCDです。初めて聴く方には一番いいのかもしれませんが、この後に紹介するCDに比べると特徴に貧しい。見事な演奏には間違いない。オーケストラの音色感もフィラデルフィア・サウンドがまだ残っている頃で美しい部分も多く、そこにまだ熱血漢だったムーティの颯爽としたタクトが冴えわたります。特に管楽器のソロイスティックな巧さと弦楽器の血色のいい艶がある響きが印象的です。なので意外と「泉」や「松」「祭り」の緩徐な楽章がいい演奏です。逆に「祭り」や「松」の最終楽章がやや物足りない。

ただ録音が演奏のベクトルと少しずれ、角を丸くするようなよく言えばアナログサウンド。祭りの最後など混濁気味で迫力が今一つ伝わりきれない。トスカニーニ盤と同じく何度もリマスタリングを繰り返されて音質向上が謳われるCDで、SACD化もされていますが如何せん元が悪ければなんともなりません。是非再録音してほしいですが、ムーティの年齢を考えると無理かなと。今のムーティがシカゴSOと録音してくれたら、さぞかし。



上記2盤と同傾向で最近のCDと言えば、バッティストーニ/東京フィルハーモニー交響楽団のSACDハイブリット盤です。上記両者の演奏を足して半分に割ったような演奏を最新録音で聴けます。

指揮:アンドレア・バッティストーニ
東京フィルハーモニー交響楽団
録音  4.65点  演奏  4.55点

e-onkyoでハイレゾ配信もされていて入手しやすい。

まずとにかく録音がいい。ライブ録音ですが、日本のオーケストラの技量も上がっている証明となるCD。まだバッティストーニは若いイタリアの指揮者ですが、オーケストラを歌わせるのがうまい。またオケが破綻しないぎりぎりのテンポで攻めています。

これが有名なオーケストラ、日本ならN響か東京都響ならもっと・・と思いますが、十分この曲を堪能できます。押しなべて優れた演奏ですが、優れている順でならべるなら「松」→「噴水」→「祭り」の順でしょうか。「祭り」で少しオーケストラの疲れが見える。

三部作どれもそつない名演奏。足りないのはオーケストラ独特の色というか音色感。それは無いものねだりですが。祭は若いんだからもっともっと弾けてもと思いますが、迫力は十分。トスカニーニのようにカンタービレが美しい。

イタリアの指揮者ならではです。こんな良い演奏・録音が、日本でしか発売されていないというのは寂しい・・・しかし当分は日本国内では流通は続くと思われます。こちらは個別記事もありますので詳細は過去記事を↓
レスピーギ ローマ三部作(祭り・噴水・松) バッティストーニ/東京フィル 2013年ライブ


燃える指揮者、ヤマカズ先生。

しかし、私が一番心惹かれる演奏は、わが日本の熱き指揮者だった山田一雄/東京都SOの晩年のライブ盤。正直アンサンブルが乱れるところが散見されますが、それを超えてすごい音塊がスピーカーから飛び出してきます。何度も繰り返して聴ける演奏ではないですが、ライブでオーケストラを聴く醍醐味ここにありです。

指揮:山田 一雄
東京都交響楽団
録音  4.50点  演奏 4.60点

当時でもマークやフルネの薫陶を受けていた都響は上手い。このコンサートの客席はガラガラだったそうですが、なんてもったいない。ローマの祭はアゴーギクも激しくトスカニーニ以上の壮絶なオケの鳴りっぷり。トランペットが裏返ったり、トゥッティが揃っていないのもなんのその、演奏は前のめりに進み、ローマの祭の最後は「ここだけは揃えるぞ!」と都響が意地になったような最終和音とともに、ブラヴォーの嵐。

そりゃこんな演奏だったら最後の余韻も糞もなく言いたくもなる。熱さに溢れた演奏ですが、「噴水」の叙情性もしっかり出ています。どちらかというと「松」の印象が少し薄い位。ずっとストレートで強いパンチを喰らい続けると、その強さに麻痺して慣れてくる感覚といいますか。

80歳近くのおじいさんが指揮台で暴れているのに喰らいつくオーケストラ。指揮台で飛び上がって指揮するヤマカズさんの足音も録音に含まれています(笑)プロのオーケストラが、アマチュアオーケストラのように必死に演奏しています。

噴水も美しく見事。ローマの松も壮大。録音も最新ではありませんが少しデッドな録音が功を奏し、下手な最新録音よりも迫力があります。
だけどこのCDはおそらくすぐに廃盤になりそう。

そして最後に晩年のスヴェトラーノフの超スローな異色な演奏を。1999年のライブ録音です。じっくり腰を据えて、複雑なオーケストレーションを解きほぐすように目の前に提示してくれます。オーケストラはニュートラルな響きですが、透明感溢れる優れた音色。数多く残されているスヴェトラーノフのCDの中でも格段に音質が優れているCDだとも思います。

指揮:エフゲニー・スヴェトラーノフ
スウェーデン放送交響楽団
録音 4.55点  演奏 4.45点

昔ソビエト国立交響楽団とのCDが爆演として有名で、録音が悪いにも関わらずヤフオクでプレミアがついている時期もありました。その演奏をオーケストラの破綻も無く良い録音で聴けるのがこの演奏。テンポは「すぎる!」という程スローです。

しかし透明度の高いオーケストラの音色と録音のおかげもあり、混濁しがちな細部が良く見える。爆演かと言えばそうではなく、良く聴くと各奏者絶叫することなく余裕を持って演奏しているのがわかります。トランペットなども80%程度の力で朗々と吹いています。「噴水」の演奏は美しいが少し弛緩してしまっているような気もします。しかしスウェーデン放送交響楽団はいいオーケストラですね。

初めてこの曲を聴く方にはお薦めはしませんが、イタリア的・熱演ばかりのこの演奏に一石を投じるというか、違った角度から聴いてみたいという方にお薦めです。「へぇこんな音も演奏されているんだ」と驚きます。全体的に古くてゆっくり回るメリーゴーランドの様な演奏。このCDでの聴きどころはやはり「松」の最後の和音。このCDほどスヴェトラーノフ・クレッシェンドを見事に捉えた録音を私は知りません。

ホールが壊れるのではないかという程凄いクレッシェンド!3D画像みたいにスピーカーから徐々に目の前に音の塊が迫ってきて身体の芯まで突き刺さってきます。どこまで伸びてゆくんだろうこのクレッシェンドは・・・とただ唖然。


古い録音ではオーマンディや小澤、最近の録音ならばシノーポリ、ダニエレ・ガッティやパッパーノの録音がありますが、上記の盤と比較すると録音が悪かったり特徴が薄いような気がします。曲が外面的で華やかなオーケストレーションなので「ちょっとやりすぎ」位でないと物足りないというか差別化にならない曲だと思います。

クラシック初心者にも、クラシック音楽のいろんな面が見れる曲ですし、興奮すること間違いなしですので是非ご一聴を。


posted by 悩めるクラヲタ人 at 11:08| Comment(0) | 管弦楽曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする