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2017年05月11日

シューベルト 交響曲第9番「グレイト」 ベーム/シュターツカペレ・ドレスデン 1979年ライブ


晩年の燃えるベームの記録です。日本公演では少し不完全燃焼気味だったベームですが、1960年代を思い出させるような熱演をする時が晩年にもごく稀にありました。その代表格がこのシュターツカペレ・ドレスデンとのシューベルトです。ベームお得意曲で何度も録音していますが、初期のベルリンpoとの演奏も調和と内なる熱のこもった素晴らしい演奏でレコード芸術でもあります。
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ここで聴くベームは多少荒々しさを前面に打ち出し、古色蒼然としたドレスデンからオーケストラの響きを突き破ってトランペットが飛び出すなどライブ感と即興性に溢れた忘れられない演奏です。

シューベルト 交響曲第9番ハ長調「グレート」
指揮:カール・ベーム
シュターツカペレ・ドレスデン
1789年 ドレスデンでのライブ録音
録音 4.0点  演奏  4.30点



ホルンはゆったりと柔かく味のある音で始まりますが、主部に入るとベームとシュターツカペレ・ドレスデンの戦前の録音のような切羽詰まったような斬れ味と晩年の渋み溢れた音との交錯。どんなにベームが攻めてこようと、自分たちの音は守った範囲内で演奏するぞというオーケストラとの戦いの様相。しかし最後のコーダで金管が猛烈に第1主題を絶叫してしまうところはライブならでは。その後の弦楽器の深い音色がより生きる。第1楽章を聴いただけで、ちょっと疲れる緊張感とスリルの連続。


おっかない時代のリハーサル。不器用な棒にもかかわらず、合わせろとテンポにうるさい。

第2楽章は一転肩の力が抜け、早めのテンポで進みますが後半に行くについれてまた前のめりになったり、落ち着いたり。ただその落ち着いた時のシュターツカペレ・ドレスデンの弦楽器と木管楽器の何とも言えぬドイツ的音色がやはり素晴らしい。腰が据わっていて温もりと広がりがある伝統に育まれた音色。

第3楽章は前のめりで来るか?と思いきや、スケルツォにも関わらずここはいったん一休みと言った風情。ベームもここはオーケストラの手綱を緩めて任せたとオーケストラ主導で進みます。ピチッと決めるとこだけ力こぶを入れ、あとは諸君頼むよという感じで粛々と流れていく。懐かしい歌の数々が繰り広げられる。




晩年のベーム的演奏の映像です。

そして第4楽章。晩年のベームは遅いテンポが特徴でしたが、早いです。ヴァントほどではありませんが、少し食い気味で音を捉えて進み、切迫感のある早いテンポ。リハーサルで決まったテンポというより、指揮棒にオーケストラが何とか応えようと必死の中での読み合いの中で生まれる推進力のある部分が違います。

リズムは弾み、念を押すような弦楽器の「ダー・ダー・ダー・ダー」という旋律もただ力こぶを入れるだけになっていない。金管楽器も力みが少しとれて暖まった音。「これで最後になるんじゃなかろうか」と思いながら面々は演奏していたのか、本当に音が活き活きしていて晩年の頑固爺さんが指揮している感じがしない。「今日は元気そうだね。嬉しいよ」と嬉々として楽団もノリノリだったのでしょう。

力演でわぁーと勢いだけで終わることの多いコーダもベームの熱とシュターツカペレ・ドレスデンの音色の絶妙な音の玉手箱で充実したフィナーレ。最後の和音も切り上げが早い。若き日のベームが蘇った様な凝縮した響き。意外と隠れ名盤ですが廃盤になり、廉価盤でたまにひっそり復活する演奏。

素直にいい演奏聴かせてもらったぁと納得させられる演奏です。最初は入手するのに輸入盤を結構探して何とか手に入れた思い出があり、初めて聴いた時には嬉しさが一入。晩年のベームのイメージを払拭してくれた思い出の演奏です。

こちらとお間違えの無いように。来日時のライブですが、やはりちょっと違う。一緒に燃えよう感ではなく、どこか助けてやるよ感が感じる?



タグ:ベーム
posted by 悩めるクラヲタ人 at 22:27| Comment(0) | 交響曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ブルックナー 交響曲第9番 シューリヒト/ウィーンpo 1961年録音


昔から名盤の誉れ高いシューリヒトのブルックナーの第9です。説明する必要もないでしょうが・・・

ブルックナー 交響曲第9番ニ短調
指揮:カール・シューリヒト
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1961年 スタジオ録音(SACD)
録音 4.25点  演奏  4.50点


この輸入ハイブリッドSACDで見事に蘇りました!
ただ入手難になりつつあり、AMAZONでは高値に。タワーも売り切れたかな?

改めて凄い演奏だなと思います。SACD化されたことで粗も聞こえるようになりましたが、それを超える当時のウィーン・フィルの天国的な美しさ。草書体で駆け抜けていくシューリヒトの指揮。朝比奈・ヴァントなどの演奏に慣れてしまった耳には軽く聴こえてしまいますが(特に第3楽章)、ブルックナーの自然美をここまで美しく捉えた演奏は他にありません。この演奏に比べれば、人工美に聴こえます。この演奏よりも壮絶な演奏はありますが、神々しさを湛えた演奏でこのCDを超えるものは現れていない。



第2楽章のスケルツォでは、複雑リズムでティンパニが「んっ?」と思うときもありますが、リズム・テンポは理想的でギュッと緊密な演奏。第1楽章、第3楽章で活躍するホルンは、ウィーンのホルンでなければという唯一無二の存在感で天国的な響きを創造しています。ブルックナーの交響曲第9番は非常に難解で私もとっつき難かったですが、この演奏で開眼しました。クナッパーツブッシュ盤は酷い編曲版ですから、比較対象になりません。

クナ。第4番と並ぶほど酷い改訂版・・・

ヴァントや朝比奈に馴れた耳には第3楽章はすんなり過ぎて物足りなさも感じます。特に山場の不協和音fffへの持っていき方と壮絶に叩きつけるような音を求めてしまう。ただその後の天国的な最後のホルンまでの道程は、さすが名器を扱っているなという粛々として自然体に流しながら見事な。佇まい・フォルムだけで聴かせてしまう。

日本でもSACDで発売されていますがクレンペラーのメンデルスゾーン「スコットランド」同様、英EMI Signature Seriesで購入するべきです。同じく名演の交響曲第8番とセットで廉価です。HMVではもう入手難。amazonで安いところから購入しておいたほうがよろしいかと。初期盤LPは軽自動車が買えるくらいの値段なので、私はここで手を打ちました。十二分に満足です。


因みに国内盤。高い…

この曲を理解するには、このシューリヒトのCDが一番でしょう。何度聴いてもその凛とした佇まいと、ウィーン・フィルの各楽器の音色に酔いしれることができます。当時のEMIが良くこれだけのいい録音を残してくれたと本当に感謝してしまう名演奏・名録音です。昔、田舎に出張しにいく時は必ず持っていったCDです。(今は出張がないので・・・)


posted by 悩めるクラヲタ人 at 00:24| Comment(0) | TrackBack(0) | ブルックナーの交響曲名盤 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする