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2017年05月13日

ブラームス 「大学祝典序曲」「ハイドン変奏曲」他 クナッパーツブッシュ/ウィーンpo 1957年録音


オリジナルLP、所謂ヴィンテージの初期盤と言われるものを初めて手にしたのは偶然でした。中古LPフェアで相変わらずクラシックのLPを漁っていた時に、クナッパーツブッシュのブラームス管弦楽曲集のモノラル輸入盤がありました。ステレオ国内盤をすでに所持していましたが、その重みと輸入盤独特の匂いに魅かれ購入。格安LP屋主催なので、4,000円位で。(今思えばそれでも他のLPに比べ高いですが)
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CD時代に切り替わり、多くのLPを一気に手放しましたが、価値のありそうなそのLPは棚に残り続けました。レコードプレーヤーも手放し、一時は再生することも出来ない状態でしたが今や復権。やはり価値のある一品。個々の曲で見れば他にいい演奏はありますが、ここまで思い入れのあるLP、録音はありません。何故か不思議に縁のあるCD、LPです。

ブラームス 「大学祝典序曲」「悲劇的序曲」
      「ハイドン主題による変奏曲」
      「アルト・ラプソディ」
アルト:ルクレティア・ウェスト
ウィーン・アカデミー男声合唱団
指揮:ハンス・クナッパーツブッシュ
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1957年 スタジオ録音
録音 3.80点(MONO) 4.10点(ステレオ)

演奏点はパスです

タワーレコードでオリジナルマスターからのハイビットサンプリング+ルビジウムカッティングで1,234円で買えます。いい時代です。あれほど昔は必死に探して苦労したのに・・・しかもいい音で。
クナッパーツブッシュ ブラームス: 大学祝典序曲, ハイドンの主題による変奏曲他<タワーレコード限定>
タワーさん、廃盤にしないで下さい!

クナッパーツブッシュのブラームス小品集は昔から有名な演奏で、「大学祝典序曲」の腰の据わった演奏は今でも圧倒的で比較対象となる演奏はありません。他の巨匠指揮者のほとんどの演奏はショートピースよろしく賑やかな旋律を明るく颯爽と演奏していくのが普通。トスカニーニのように切詰めて即物的に仕上げるのはまだ大人な演奏で辛口、モントゥーの演奏は明瞭快活ながらも賑やかだけで終わらせないのが一般的にお薦め。他はうるさくて閉口してしまう。

推進力が凄いですね、トスカニーニは。全然祝典的でない。

このクナッパーツブッシュの演奏は、如何にも一発撮りで切って貼ったしていない編集でもあり、アンサンブルもウィーン的に雑(笑)ただリハーサルは絶対にしているはずで、中間部の「タラタタラタ」と鳴らすトランペット強調はそうでなければここまで明確に吹かない。それかクナ独自の書き込み譜面が渡されているか。
そしてここぞという時に一致団結し、この曲には相応しくないほどの格調の高さと圧倒的なスケール感を生み出します。演奏行為の不思議と真髄が収められた録音で、点数のつけようがないというか、現代では計るモジュールが無い、無くなってしまったというべき。





「ハイドン変奏曲」でもおっとり。元々の曲が渋い方なのでより一層渋くなり過ぎ。晩年の超鈍速ライブ録音よりはいいですが、この録音では当時のウィーンpoの響きを刻印している貴重さの方が上回る。それよりは「悲劇的序曲」のほうがクナッパーツブッシュのスタイルに合っており、潺湲たる川の流れに身を委ねてしまう。しかし渋い・・・・

ハイドン・バリエーションは遅めが好き。ジュリーニ盤が一番好き。過去記事↓
ブラームス 「ハイドン主題による変奏曲」 ジュリーニ/ウィーン・フィル 1990年ライブ録音

クナッパーツブッシュのブラームスアルバムで一番出来がいいのは「アルト・ラプソディ」。録音のいいザンデルリンク/ベルリンsoの演奏も捨てがたいですが、最初のチェロの「ズンッ〜〜」から耳を持っていかれます。ウェストのアルトも高音がちょっと苦しい(録音が?)けど見事。録音と当時のウィーンpoの響き、そして一発撮り的緊張感が見事にミックスしています。

暗すぎず渋すぎず、ただその美しい時間の流れが徐々に心を鷲掴みにしていく。こんなに渋い曲でゆったりとしたテンポの中、指揮者とオーケストラとで丁々発止の掛け合いがあるのに気づく。「この人達、こんな真面目な雰囲気と曲を演奏しながら楽しんでる」。大人の遊びにすっかり酔わされる。比較対象がない訳です。


さてこの録音というかアルバムのオリジナルLPは英DECCA LXT5394。私が所持しているのはそのアメリカ輸出用の米London LL1752。カッティング・プレス共にイギリスで行われているので、紙ジャケット以外は商品的に同じ。違うというマニアな論争もありますが。イギリスでは当初モノラル発売しかされていませんでした。ステレオだと有名で高価なSXLという型番になります。そしてオリジナルでは当時のLP収録時間の問題で「アルト・ラプソディ」はそもそも発売されず。A面 ハイドン・バリエーション、B面 「大学祝典序曲」「悲劇的序曲」で終わり。

1957年はまだステレオ黎明期でモノラル録音と並行して行われていた時期。今ではこのブラームス録音はステレオ発売のみですが、初期はモノラル発売のみでした。ただアメリカでは米LondonレーベルでCS6030(SXLのアメリカ型番)として発売されていました。こちらもたまたま所持(笑)一般的に米盤はデザインが派手派手しいのと、扱いが杜撰という理由で中古市場では軽視されていてねらい目。

英DECCAとしてはまだ納得いっていなくて国内ではモノラルだけ発売したのでしょう。「アルト・ラプソディ」は、その後のステレオ廉価盤 英DECCA ECS701として初めて発売されました。
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その際には音質面は少し譲歩し、収録時間をのばしてLP1枚で発売。A面 大学祝典序曲・ハイドンバリエーション、B面 アルト・ラプソディ・悲劇的序曲。(これも格安で見つけ所持。1,500円位が相場です・・・病気)

LL盤から板起こししてみました。当然、モノラル録音。家ではハイレゾ仕様で24Bit/96Khz。ここではmp3でお楽しみください。A面丸ごとです。針を落とす音も入れてあります。
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のように、モノラルの方がこの録音に関しては聴き易い。大方のクナ・マニアの意見も一致なのか、実際中古LP市場でもLXT人気が高く、高価です。相場として1万円代でしょうか。一見上記流れで貴重そうなCS盤は意外と安く、1万円以内で手に入ります。

しかし、本当に今はクナッパーツブッシュのCDを集めるのに苦労しませんね。バイロイトでのパルジファル・指環は10,000円もしないで全部聴けるし、SP時代の録音から最後のコンサートの記録まで15,000円位で1箱で手に入る。メロドラムのLPやCDでコツこち集めていたら、最低でも10年10万円以上はかかったのに。しかも騙されずにいい音で・・・・正規DECCA盤でも結構KINGレコードのマスタリングにはやられましたから。(EMIほどではない)

ブラームスも入っていますし、ブルックナーの8番の全記録が残っているクナッパーツブッシュ・コレクション3がVeniasレーベルから70CDで発売と聞いた時には唖然としましたが即予約。音質もいい。
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Hans Knappertsbusch The Collection Vol.3
病気ですね。当然タワーレコードさんが復活させたブラームスなどのDECCA録音のCDは被りますが、作りが丁寧なので他の被りCDとは違い大事にとってあり、今もそちらを手に取り聴きます。ありがたやありがたや。
“VINTAGE COLLECTION +plus”特別編 没後50年「ハンス・クナッパーツブッシュの芸術」Vol.1
VINTAGE COLLECTION+plus特別編〜没後50年ハンス・クナッパーツブッシュの芸術Vol.2



posted by 悩めるクラヲタ人 at 20:15| Comment(0) | 管弦楽曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月12日のつぶやき














posted by 悩めるクラヲタ人 at 17:01| Comment(0) | つぶやきまとめ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ウェーバー 歌劇「魔弾の射手」全曲 C・クライバー/シュターツカペレ・ドレスデン 1973年録音


このジャケットが脳裏から離れませんねぇ。
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今はあまり流行らないのか名曲から外れたのか演奏されているのかわからないし、録音もあまりされないウェーバーの歌劇「魔弾の射手」。序曲と狩人の合唱位しか演奏されていないのでは無いかと思ってしまいます。録音に関しては「どうせ録音しても、みんなC・クライバーと比べられるだけだから・・・」と逃げているのかも。読み替え演出しにくい、古臭い勧善懲悪的な筋書きが魅力的ではないのも一因でしょう。。

ウェーバー 歌劇「魔弾の射手」全曲
シュライアー(T)、ヤノヴィッツ(S) 
マティス(S)、アダム(Bs)
指揮:カルロス・クライバー
シュターツカペレ・ドレスデン及び合唱団
録音 4.35点  演奏 4.60点



ハイレゾ配信もされています。
クライバー 「魔弾の射手」全曲 flac 192kHz/24bit



C・クライバーのデビュー録音でもあり、その名前を世界に知らしめたのが1973年録音の当CD。グールドのゴールドベルク変奏曲並みに今聴いてもその新鮮さと鮮烈さは色褪せません。スタジオ録音?と思う程テンションが高く、またアリアにおける歌手陣の見事さ(気味の悪さから美しさまで)で超える録音ができそうな演奏陣はもう求め得ないでしょう。スタジオ録音にもかかわらず、クライバーのテンションと微妙に合唱などとずれもありますが、そこがライブっぽいのでしょう。しかしザ・ドイツ・オペラという曲ですが、クライバーが振ると無国籍的な演奏になりますね、いい意味で。

父君の序曲演奏です。

録音は今になっては少し古臭い録音方式(射撃の音の追加の仕方・ソロ楽器への明らかなクローズアップなど)ですが、グラモフォンが行ったオリジナル・イメージ・ビット・マッピング、所謂OIBPが一番はまった好リマスタリングで現役盤として十分通用します。LP・初版CDより分離が良くなった気がします。シュターツカペレ・ドレスデンの木質的な響きを良く捉えているし、響きも豊かながら音の輪郭はしっかりしている好録音。オフ気味ではありますが、発音がしっかりしている歌手陣と歌の時は声にクローズアップする録音のため表情変化がわかりやすい。アナログ的な柔らかな聴き疲れしない録音です。

残念な点は台詞は別の人が担当している点(後年の「こうもり」録音のオルロフスキー男爵の男の裏声よりはずっとまし(笑))、効果音が古臭い、特に台詞時に急に森での会話感を出そうとする残響付加位でしょう。そんなの関係ねぇという位に他の部分が優れているので気にならなくなりますが。

有名な序曲リハーサルと実演の映像。

演奏は「作品をリフレッシュして、見違えるように生き返らせた」という文句が誇大広告でない稀な例。しかもホルンの音は残響豊かで朗々と弦楽器・木管楽器には焦点をぐっと当ててくれていて、当時のシュターツカペレ・ドレスデンの温もりのある音調を感じ取れます。デビュー盤にして後年まで語り継がれるC・クライバーの超名盤です。アダム、シュライヤー、ヤノヴィッツ、マティスなど歌手陣も懐かしい名前ばかりですが、みな全盛期の頃で嬉しい。個人的にはクライバーの正規CDオペラ録音「こうもり」「トリスタン」よりもこの録音が一番条件が揃っていていいと思っています。

狩人の合唱です。

さて、最後に疑問点。恐らく実際の歌劇場でクライバーは「魔弾の射手」をそんなに指揮していない。ドレスデン国立歌劇場はおろかこの後に懇意となるバイエルン国立歌劇場ですら指揮した形跡がない。クライバーがこの作品をまとめてレパートリーに取り入れていたのは、コンサートリストを見る限り1968年だけでその時はシュトゥットガルト州立歌劇場でした。序曲は1980年代まで演奏していますが。

だから、なぜ大事なデビュー盤でそれほど得意演目としていない「魔弾の射手」にしたのだろうと今思います。結果オーライですが。しかもこれだけ素晴らしい演奏が出来るのに舞台に挙げなかったのだろうと不思議です。これだけの歌手と条件を実際の舞台で「完璧に」演ろうとすると金がかかるしスケジュール調整が厳しいからかな?

今も昔もカタログに残っているのは、上記マタチッチ盤とクライバー盤位。

私はこれはレコード会社 グラモフォンからの要請で「カラヤンやバーンスタインは振らないし、アバドもあまり向いてない。過去にこれぞという名盤が無いので」とクライバーに提案したのかもしれません。彼の一番気にする父君(エーリッヒ・クライバー)の録音も無いですから「OK」と答えたと想像します。

最近ではハーディングが映像で出してますが、食指が全く動きませんねぇ。

昨日聴きながらクライバーの冊子を読み気づいたことと、「そういや魔弾の射手って最近名曲って聞かないなぁ」と感じ、クライバーよりも「魔弾の射手」復興を目的としたブログでした。

クライバーの若い頃のリハーサルDVDです。字幕はないですが、輸入盤もあります。

「こうもり」序曲の日と気分と緊張感がまるで違う。クライバーの気難しい一面が垣間見える記録ですね。


posted by 悩めるクラヲタ人 at 10:10| Comment(0) | オペラ・声楽曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする