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2017年05月17日

ベートーヴェン 交響曲第7番 トスカニーニ/NBC交響楽団 1951年録音


豪気で刺激的な演奏です。ただ、志のある演奏で仕事に疲れたバテた身体には丁度いい。

ベートーヴェン 交響曲第7番イ長調
指揮;アルトゥーロ・トスカニーニ
NBC交響楽団
1951年 カーネギーホールでのモノラル
録音
録音 3.65点 演奏 4.60点


国内でXRCD化され再発されたものですが、単品ではちと高い・・・いっそのこと

値段が上がってきましたが。XRCD化されたものは、XRCDリマスタリング(杉本一家氏担当)で収録されています。収納場所に余裕のある方は。

ポピュラーな名曲はほぼ詰まってます。L・モーツァルトのおもちゃの交響曲まで(笑)

20世紀中盤には、フルトヴェングラー/ウィーン・フィル盤と人気を二分した名演です。廉価LPで購入した際は、「音がデッドで硬いな。迫力はこちらが上だけど。」と思っていましたが、杉本氏のリマスタリングと英HMVの初期LPを聴くにあたり、印象はガラッと変化。今は、何度リマスタリングを繰り返しても音が良くならないフルトヴェングラー盤よりもこちらを好みます。

トスカニーニ晩年に制作されたベートーヴェンの交響曲全集は、悪名高きデッドなNBCの8Hスタジオでは無く、カーネギーホールで録音されており残響が適度にあります。過去のCDでは残響がカットされて固いイメージでしたが、最近のリマスタリングでイメージは大きく変化しました。

第3楽章は早すぎで剛直すぎると思っていましたが、実際はそれほどでもないです。C・クライバーの方が勢いで早すぎるときもありますから。
このマスタリングも悪くはないです。


第1楽章から気迫と歌心のある演奏です。NBC交響楽団が、強靭な中にもいかに潤いのある音色を持っていたオーケストラかがわかります。元々はヨーロッパからの亡命してきた腕のある演奏家を集めたオケですから、当たり前と言えば当たり前ですが。実はwell blendedなオケ。

第2楽章は特にヴァイオリンの艶やかな響きが耳に残ります。第4楽章では、少し遅れ気味に吹かれるトランペットの強奏とティンパニが怒涛の迫力を演出します。この推進力と一矢乱れぬ弦楽器群、トスカニーニの音楽的な統率力に頭が下がります。




さて、この演奏にはクラシック初心者の時からの付き合い。「トスカニーニは楽譜に忠実」という評論が一般的ですが、この第7番やドビュッシーの「海」などで明らかにスコアを変更している部分があったので、この説は誰が言い出したことなのだろうと思っていました。
第9でさえ明らかに慣例以外の楽器を追加してます。

この第7番で一番目立つのは、第4楽章コーダ手前の盛り上がりでティンパニがトレモロで演奏する部分を、トランペットの音に合わせて単音で叩き込むようにして迫力を増してます。

1939年のツィクルスの録音も残っています。

トスカニーニのベートーヴェン演奏の中で特に優れているこの名演が、単発CDで購入できない状況は残念です。杉本氏の優秀なリマスタリングも含めて、トスカニーニを見直すきっかけのCDとして多くの方に耳にして欲しいと思います。


posted by 悩めるクラヲタ人 at 22:49| Comment(0) | TrackBack(0) | ベートーヴェンの交響曲名盤 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

バッハ ゴールドベルク変奏曲 グレン・グールド 1955年録音

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グールドのゴールドベルク変奏曲の録音は、20世紀のクラシック演奏史の中で最も重要な意味を持つ録音だと思います。これほど衝撃を与えた演奏は後にも先にもなく、録音されて半世紀を経った現代にもその演奏は聴く者に強いインパクトを与え続けています。そういう意味ではフルトヴェングラーにバイロイトの「第9」さえ凌ぐ存在とも言えます。

バッハ ゴールドベルク変奏曲
ピアノ:グレン・グールド
1955年 スタジオ録音
録音  3.75点   演奏  4.70点


3枚組のCDで、1955年と1981年の再録音、そして1955年のアウトテイクも含まれています。彼の解釈を理解するには便利ですし、音質についてもこれで十分だと思います。

バッハ=凄いけど渋く難解、そして面白くはないというイメージを覆した演奏です。この演奏が無ければ、そしてこの後の一連の彼のバッハ録音が無ければ、今のバッハの鍵盤楽曲の認知度はかなり変わっていたと思います。彼にとってこの録音はデビュー盤となりますが、選曲に当たってはCBSからかなり反対されたが押し切って録音したものです。バッハ=売れない、しかもランドフスカの名演がありましたから、レコード会社としては反対するのも当然です。


ランドフスカの名演。チェンバロの演奏なのでダイナミクスがやはり物足りない。音色の表情付けという点でも限界があります。この曲を聴くのが初めての方は、まずはこの演奏を2、3回聴いてから下記のグールドの演奏を聴いてください。

演奏については、それまでのバッハのイメージを大きく覆す演奏です。ゆったりとしたテンポでしんねんむっつりと演奏されることの多かったこの曲を、ピカソ的な視点で捉え直し、超快速のテンポで駆け抜けて行く。
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しかし、そこにはしっかりと曲を分析し解釈を練られたもので、決してエキセントリックな印象を与えようとしたものではないとアウトテイクを聴くとさらにそう思います。彼の頭の中でゴールドベルク変奏曲を真っ白な気持ちで捉え構築した再現芸術です。各変奏曲の構造を的確に捉え描き分け、しっかりとバッハ及び曲に真価を面白く聴き手に伝えてくれます。エキセントリックなだけでは、半世紀も多くのリスナーに衝撃を与え続けることは無理です。今でも発売当時と変わりなく驚きと感動を与え続けていることが、この演奏の芸術性の高さの証明です。


グールドの1955年演奏。楽譜付きで面白い動画ですね。各変奏曲の間に間が入るので、CDと違い違和感がありますが。

シュタットフェルトというピアニストが同曲を録音し、21世紀に入り「現代のグールド」と一時期宣伝して売り出されましたが、一時的な話題として終わりました。

グールドはグールドであり、他の者には真似できないものです。しっかりとしたバックボーンとなる教養・知識・信念があり、凡人には及びつかない頭脳とテクニックの持ち主なのです。アウトテイクでは、彼の頭の中にすべてのイメージが明確に刻印されており、響きが少しでも違えば弾きなおす。主題のアリアでは20以上のテイクが行われたそうです。

グールドというとエキセントリックなイメージがついていますが、それは間違いです。天才が先人の演奏に敬意を払いつつ、白紙の状態からそれぞれの曲を再現させているだけで、奇を衒って他の演奏家と違うところを見せようという類のものとは決定的に違います。

1981年の録音についてもまた触れますが、ゴールドベルク変奏曲と言えばグールド、グールドと言えばゴールドベルク変奏曲というイメージが固定化されています。もはやバッハの曲ではなくグールドの作品のようになっているかのようです。そんな演奏が20世紀にあったでしょうか?22世紀にも変わらぬ評価を保ち続けるであろうレコード芸術の最上の結実がここにあります。

グレン・グールドのゴールドベルク変奏曲はライブの貴重な録音も残っています。同時期のザルツブルク音楽祭でのライブでやはりグールドも人の子、若干感興のノリがありこちらの方が2枚のスタジオ録音よりも人間味があります。

意外とライブ録音が発掘されないですね、グールドは。発掘されても録音は悪いでしょうが。
・関連記事
バッハ ゴールドベルク変奏曲 グレン・グールド 1959年ザルツブルク音楽祭ライブ

1980年の録音はDVDで貴重な映像記録があり、ヤマハのピアノを自分の求める音にするべくかなり改造しているのがわかります。見た時に「なんだ、このピアノ?」と思いました。演奏はCDと全く同一と思いますが、貴重な映像です。

タワーの方が圧倒的に安いです。3,179円だそうです。
Gould Plays Bach DVD<初回生産限定盤>


強烈なインパクト。若い頃のポゴレリチ的な颯爽とした印象は影も形もないですが(笑)


posted by 悩めるクラヲタ人 at 08:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 器楽曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする