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2017年05月18日

エーリッヒ・ラインスドルフのCDを聴いて


HMVでラインスドルフとベルリン・ドイツsoのベートーヴェン 第9が安くなっていたので購入してしまいました。明日には届くかな。

在庫処分みたいでAMAZONよ 新品より1000円以上安い。レビューもいいし。

ブラームスのピアノ協奏曲第2番のCDを探していたら、リヒテルとラインスドルフのCDが家にあり、意外にも名演で名録音。1961年録音のもの。

RCAリヴィング・ステレオ vol.2の中に往年の名匠エーリッヒ・ラインスドルフ指揮のCDが多数含まれています。マーラーやロッシーニ、ヴェルディのレクイエム、プッチーニのトスカなど大作が多い。当時かなり評価されていた証拠でしょう。

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エーリッヒ・ラインスドルフ
1912年2月4日 - 1993年9月11日

日本ではあまり人気がなく、復刻されることも少ないですが、こうやって聴いてみるとなかなか職人気質で玄人好みの演奏です。メリハリしっかり、細かなところも手を抜かずピリリと辛口ながら、楽しく音楽を聴かせてくれます。リハーサルは厳しく、オーケストラには好かれなかったし、トラブルも多かったとか。しかし、オーケストラビルダーとしての腕は誰もが認めていた。

細かい・・・

晩年の1986年にはウィーン国立歌劇場と来日してフィガロを振ってます。あまり話題になりませんでしたね。そもそもこの年の来日公演の指揮者陣はシュナイダー、ホルライザー、ヴァルヴィーゾ、シノーポリと全般的に地味。来日自体に話題性にかけました。人気が登り調子だったシノーポリ位。

さて、全部をしっかり聴いた訳ではないですが、ライナーとラインスドルフの演奏は当時のRCAの録音と相性がいい。細部が見えるような演奏で斬れ味もあり、鮮烈なリヴィング・ステレオの録音がより映える。主旋律だけでなく伴奏楽器もしっかり鳴らして立体的なハーモニーを奏でさせる手腕も見事です。ボストン交響楽団とのマーラーの交響曲第1番「巨人」は筋肉質でいい演奏です。この後の小澤とのダルなボストンsoよりもいい響きだと思います。

映像も残っているんですね。魅せる指揮姿ではないですが。


ラインスドルフは耳の良さと暗譜能力に優れ、リハーサルでは各楽器に細かく指導したそうですが実演では手綱を緩め自由に演奏させることで、嫋やかな響きを生み出したそうです。「リハーサルではみっちり扱かれ二度と一緒に演奏したくないと思うのだけど、コンサートでは優れた演奏になり幸せな気持ちになりまた一緒にと思う。でも翌年リハーサルでその思いを後悔する」という団員の声も面白いものです。

地味な指揮者ですが、音楽にひたすら実直に取り組み、よい音楽をスピーカーの向こう側にいる聴き手に届けようとする気持ちが伝わってきます。その気持ちは録音スタッフも同じ。

録音は今に比べレンジは狭いですが、情報量は多い。歌ものだと少し歪みが気になる部分はありますが、ラインスドルフを再評価するには十分です。リヴィング・ステレオ録音は録音現場の空気が伝わってくる。かなり楽しめそうなboxです。ライナーに比べラインスドルフが多いのが不満?いやなかなかですよ。

第9についてはまた週末に。


posted by 悩めるクラヲタ人 at 18:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ムラヴィンスキーのグリンカ 「ルスランとリュドミラ」序曲 1965年モスクワ・ライブ録音集


今週の日曜日早朝、目が醒めてしまいどうにも二度寝が出来そうにない。そんな時ふっと久しぶりに聴いてみるかとムラヴィンスキーとレニングラードpoの名前が一躍世間に知れ渡った録音集に手が伸びました。

1965年に両者の本拠地レニングラード(現サンクトペテルブルク)では無く、首都であるモスクワに出向いて行われた一連のライブ録音。今となってはそんな国内移動演奏会は当たり前ですが、当時としては朝比奈&大阪poがサントリーホールで演奏するように、首都の主要なオーケストラに喧嘩を売りに行く討ち入り演奏会のような大事でした。
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モスクワにはただでさえ国家の代表として誇り高き国立のオーケストラ(それをスヴェトラーノフ、ロジェストジェンスキーらが監督)が多くある中、全く異質で高性能かつ集中力が高い、そして大地を揺るがすようなロシア的でないストイックな演奏に観客が度肝を抜かれた様子がありありとテープに収まっています。

聴衆も「レニングラードの田舎のオケがモスクワくんだりまで来て・・・」とでも少しは思っていたのではないかと思います。すでにチャイコフスキーの録音は発売されていましたが、当時のロシアの経済・流通事情を考えればこのコンビの凄さを知っている人はそこまでいなかったことでしょう。

録音データが正しければ、1965年2月21日を皮切りに、23・26・28日と演奏会が行われていたようです。
演奏・収録されている曲目は
1965年2月21日
・ムソルグスキー:モスクワ河の夜明け
・リャードフ:バーバ・ヤガー
・グラズノフ:『ライモンダ』第三幕への前奏曲
・ショスタコーヴィチ:交響曲第6番
・ムソルグスキー:モスクワ河の夜明け
1965年2月23日
・モーツァルト:『フィガロの結婚』序曲
・モーツァルト:交響曲第39番
・シベリウス:トゥオネラの白鳥
・シベリウス:交響曲第7番
・ワーグナー:『ローエングリン』より第三幕への前奏曲
・ワーグナー:『ワルキューレ』よりワルキューレの騎行
1965年2月26日
・グリンカ:『ルスランとリュドミュラ』序曲
・ストラヴィンスキー:バレエ音楽『ミューズの神を率いるアポロ』
・ヒンデミット:交響曲『世界の調和』
・ワーグナー:『ローエングリン』より第三幕への前奏曲
・ワーグナー:『ワルキューレ』よりワルキューレの騎行
1965年2月28日
・ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
・バルトーク:弦楽器、打楽器とチェレスタの為の音楽
・オネゲル:交響曲第3番『典礼風』
・リャードフ:バーバ・ヤガー
指揮:エフゲニー・ムラヴィンスキー
レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団
1965年 モスクワ音楽院でのライブ録音
録音 4.30点  演奏 軒並み4.60点

というようなプログラムでは無かったかと想像しています。初日の21日には他にも演奏された曲があるような気がします。その辺は研究家にお任せして・・・

1972年にもモスクワライブ録音集がありますが、音質と演奏の質も含め1965年の記録の方が圧倒的に優れています。1972年の一連のライブはベートーヴェンの交響曲「第4」「運命」、お得意のチャイコフスキーの「第5」、1965年にも演奏されたショスタコーヴィチの「第6」と注目すべきプログラムがあるのですが、録音機材が使い古されたのか音質が少しこもり気味で1965年と同じ音質だったらと無いものねだりな気持ちになります。ショスタコーヴィチの第6番はオーケストラの調子も含めて1965年の演奏の方が優れています。

こちらは両年セットになったお買い得盤。

1965年録音で一番有名なのは言うまでも無くグリンカの「ルスランとリュドミラ」序曲。

超速で一糸乱れぬアンサンブル、咆哮・絶叫せずコントロールされた金管楽器と早いパッセージでも難なく(時間を徹底的にかけ扱き上げった結果の賜物ですが)吹き切る木管楽器群に、ロシアの管弦楽団のイメージを瞬殺で変化させた演奏です。

日本でも「なんだこりゃ!」呆気にとられた評論家とリスナーは多かった。初版のLPは上記音源からロシア音楽小曲集といった趣でLP1枚で発売されていましたが、ロシア音楽小品集などといった軽い演奏では無く、曲も地味ですが演奏は超辛口。チャイコフスキーなどの雰囲気を気軽に買った人はこれがロシア音楽か?と思ったことでしょう。





グリンカや交響曲39番に隠れて意外と話題にならない「フィガロの結婚」序曲も凄い。カラヤン・ムーティと同じ位の早いテンポですが印象は全く違う。これから始まる喜劇の序曲では無い。弦の統率力は半端なく、乾いた音で切り口が鋭いいわゆるモーツァルティアンな演奏とは違うものの、最後のコーダは有無を言わせぬ鋭さ。

私は主要プロの第39番を聴く前に何度もこの曲をリピートして聴いてしまいます。そしてその後にすっと空気を変えて演奏それる第39番の早く凝縮されただけでない、フィガロと違い少し角を柔かくした純白な演奏。同じ管弦楽団か?と戸惑う。

この年のライブ録音集は全ての曲を1項で取り上げるべき瞠目に値する名演・凄演ばかり。すでに取り上げたことのあるバルトークの弦・チェレ、シベリウスの「第7番」は勿論のことながら、モーツァルトの「39番」や晩年は演奏しなくなったショスタコーヴィチの「第6番」、現代音楽も積極的に取り上げていたことを示すと同時にフランスの香り0のオネゲルの交響曲「典礼風」(最初の胸に「精霊の守り人」短刀使いのバルサの槍を突き付けられるかのようなトランペットの音圧!)。

ムラヴィンスキーのモスクワで演奏失敗したら政治的にえらいことになる・・・と思っていたのかなという位に集中力と気合が違います。それを受け止める聴衆の集中力の高さ。度肝を抜かれているだけかもしれませんが。


一時期は音質がかなり悪くなっていましたが、スクリベンダムが復刻したCDで安定した音質で聴けるようになりました。入手難になってきたのは残念ですが。不思議なのは一番の聴きもの「ルスラン」に関しては昔ビクターで発売されたLPの方が音質がいい(最初の音の立ち上がりがCDになってから悪い)のです。廉価のLPが家にありますが、たまに聴くとそちらの方が音の鮮度と立ち上がりは何故かLPの方がいい。
こちらも、また板起こししてみますかね。

最初にこのLPに出会った時の印象が強いのか。正直、ムラヴィンスキーの演奏で「ルスランとリュドミラ」序曲を初めて聴いたので、凄いけどこういうテンポ設定が普通なのかなと思いもしましたが、他の演奏を聴くとその演奏を聴いても「鈍い」と思ってしまう麻薬的に洗脳されてしまう演奏でしたね、今思えば。

ゲルギエフといえども子供と大人程の違い。

家で聴くときはこの2SACD盤で聴きます。元音源をハイレゾ化したものではなさそうですが、DSD化されてよりアナログ的に響くし、SACDシングルレイヤーのメリットを生かして1年分が1枚にした長時間で入れ替えずに聴けるからです。トレイにいれて、トータルタイムを見るたびに笑いそうになる。4時間なんたらと表示が!正直のこの辛口の演奏を4時間も効いていると少々・・・


十八番の「未完成」。別に目立つ指揮ぶりでもないのに何度見ても飽きない。解釈もそうですが、どうしてこんな音が出るのか。

ムラヴィンスキーという名指揮者がいたことやこういった演奏ですら、最近の若いクラシックリスナーは知らないんだろうなぁとちょっと廃盤の憂き目に合いそうな気配が漂う。

ほぼ鋭い眼光と手振りでこんな演奏を出来る指揮者はもう二度と出てこない。ショスタコーヴィチと同時期に生きたことや超共産主義国家にあったからこそできた演奏、そして何よりレパートリーが少ないのに労働組合も無く公務員として、何度も長時間に渡りリハーサルに時間を割けたできた時代の文化でした。

ALTUSのボックスCDを買うならこちらの廉価ボックスの方がいろんなムラヴィンスキーが知れていいのかもしれません。しかし
タワーさんでも「お取り寄せ」扱いかぁ。危ない…かもしれない。

関連記事
・シベリウス 交響曲第7番 ムラヴィンスキー/レニングラードpo 1965年録音
・バルトーク 「弦楽器と打楽器とチェレスタのための音楽」 ムラヴィンスキー 1965年録音


posted by 悩めるクラヲタ人 at 08:20| Comment(0) | 管弦楽曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする