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2017年08月03日

プロコフィエフ 「ロメオとジュリエット」抜粋 M・T・トーマス/サンフランシスコso 1995年録音


のだめのおかげで親しみ易くなったプロコフィエフのバレエ音楽「ロメオとジュリエット」。不協和音を多用してますので、決して耳に心地よい旋律ばかりではありませんが、ダイナミックレンジが広い曲でオーディオ的には非常に面白い。

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お気に入りのM・T・トーマスとサンフランシスコsoの優秀録音がお薦め。チョン・ミュンフン/アムステルダムcoの名盤もありますが、プロコフィエフの金属的な音響を生かしているのはこちらに軍配が上がります。こんなに安売りしなくてもと思うくらい廉価ですし。

プロコフィエフ
バレエ音楽「ロメオとジュリエット」抜粋
指揮:マイケル・ティルソン・トーマス
サンフランシスコ交響楽団
1995年 スタジオ録音
録音 4.65点  演奏 4.60点




ほぼ全曲に近いトーマス自身による抜粋版です。私はこの曲の全曲を聴いたことはありませんが、CDの録音時間を目一杯使ったよい抜粋だと思います。コンサートで取り上げられる組曲と違い、弦楽器の合奏による第1幕への前奏曲から始まります。ふっくらとした見事な合奏。揃っているだけでなく、柔軟剤を配合しているかのような見事な優しさに満ちた響きで一気に物語に誘い込まれます。

イントロダクション。

第3曲の「町の目覚め」では、木管楽器の朴訥とした音とカラフルなヴァイオリンの掛け合いが素晴らしい。第4曲から金管楽器とグランカッサが入り出し、徐々に不穏な雰囲気に音色が変化していきます。速いパッセージもサンフランシスコ交響楽団が難なく捌いていきます。ロシア的な咆哮する演奏ではありませんが、音色が濁ることなく迫力も十二分に感じられるのがこのトーマス盤の大きな特徴。

一躍有名になった「騎士たちの踊り」

第6曲「大公の宣言」での不協和音のトゥッティでも耳に刺さり過ぎない。その残響・倍音もクリアで見通しがいい。ただ絶叫して脅かす演奏が多い部分ですが、一味違います。第12曲「マーキュシオ」では、ウィットに富みチャーミングな響きが立体的。
悲劇前夜の雰囲気と愛情のメロディーとのコントラストをしっかりつけて曲は進みます。第17曲「マンドリンを手にした踊り」は、音楽も楽しく、オーディオ的にも面白い曲で演奏。クラリネットのソロが巧い。






第21曲から23曲は、組曲でも馴染みの決闘とタイボルトの死の場面。真ん中に置かれる15連打はちょっとスマートに流し過ぎかなと思いますが、タイボルトの死の最後の引き延ばしは流石の迫力。その後すぐ25曲で表情一変し、フルートの魅惑的な旋律を弦楽器が包み込む。最後の場面への突入です。


最後の28曲「ジュリエットの死」に至るまで感傷的にすぎず、二人の愛と死を浄化させるような見事なアンサンブルと響きが堪能できます。またオーケストラ作品の醍醐味を味わえたと満足度も高い。

録音も広いダイナミックレンジを上手くまとめた見事なもの。エンジニアも曲の理解が高いのか、フレーズに合わせてフォーカスを変化させソロを見事に捉えています。残響もほどよい。この録音、SACDにしたらさぞかし…どこかやってくれないかな。

のだめでこの曲を知った方には最適の演奏です。いきなりムラヴィンスキー聴いたらびっくりするし、違和感あるでしょうから。



これも一般的な組曲とは違います。

しかしトーマスの演奏、この演奏・録音でこの値段。いい時代ですね。

posted by 悩めるクラヲタ人 at 19:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 管弦楽曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ブラームス 交響曲第1番 フルトヴェングラー/北ドイツ放送交響楽団 1951年ライブ


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ベートーヴェンの「運命」「合唱」と同じ位に、フルトヴェングラーの芸風に合っていると思われるブラームスの交響曲第1番。演奏記録はかなり残っているのですが、録音が悪かったり演奏が物足りなかったりとあまり録音機会に恵まれていないような気がします。第4番は記録が少ないにもかかわらず名盤の誉れが高いのと大違いです。

1948年ティタニア・パラスとでのライブ録音。

第1番はEMIからそれなりの数発売されていますが、戦後に北ドイツ放送交響楽団と演奏したライブ録音が一番緊張感も高く、一期一会的な雰囲気が漂う演奏だと思います。こちらもCD化に際してはTAHARAレーベルから発売されていたもののリマスタリングがあまり良くなく、初版時のLPが一番音質がいい状態でした。デルタレーベルが復刻したCDは素晴らしく、元音源の少しざらっとした印象は拭えませんが、演奏の雰囲気をよく伝える良復刻です。変な加工も無いし。

ブラームス 交響曲第1番ハ短調
指揮:ヴィルヘルム・フルトヴェングラー
北ドイツ放送交響楽団
1951年10月27日 ライブ録音
録音 3.50点  演奏  4.60点


入手難なのでaltusがリマスタリングし直したものの方がいいのかも。


最初のティンパニから壮絶でこうでなければという音。最近の演奏は淡々と進んでしまいますが、やはりこのように物々しく最後は溜めて「ダンッ!」と重く深い音でないとと思わせてくれます。オーケストラの面々がフルトヴェングラーの棒を凝視して揃えなければという緊張感も感じる和音。その後も悠然たる流れで、ブラームスの音楽を堪能させてくれます。特にアゴーギクもないのですが、流れがよく音がぶ厚い。

この北ドイツ放送交響楽団の演奏会に臨むリハーサルにフルトヴェングラーが臨んだ際に、戦前にベルリンpoに在籍していたメンバーの顔が多数あり、指揮者・オーケストラ双方とも再会を喜び分かち合いながらリハがスタートしたとの逸話があります。当日のプログラムは「ハイドン変奏曲」とこの曲でしたが、デルタのCDでは「ハイドン変奏曲」の代わりにブラームスのハンガリー舞曲の復刻がカップリングされています。そこがちょっと残念。

第2楽章は弦楽器主体のアンダンテ。ゆったりとしたテンポで、艶がありながら悲哀を湛えた独奏ヴァイオリンとそれを包み込むような弦楽器群、木管楽器・金管楽器の嫋やかな音色。「あなたとまたこのような演奏が出来て良かった」という楽団員の気持ちが込められているかのような渋みのある演奏。

TAHARA盤は音質がちょっと。

第3楽章も同様の流れで始まりますが、楽章が進むにつれ徐々に熱を帯びていき第4楽章への伏線が張られていくのがわかります。第2楽章では弦楽器主体で木管・金管がそれを支える構図でしたが、第3楽章では逆転に転じ、中間部以降は両社はぶつかり合い始めます。弦楽器は斬り込むような音に変化し、トランペットは警句を発し始めます。比較的短いアレグレット楽章ですが、長閑な雰囲気と旋律の中に表情の変転が激しい。最後は落ち着きを取り戻し、第4楽章の美しいホルンの主題につなぐかのような沈みゆく感じで終曲。

第4楽章は第1楽章のように緊張感がぐっと増し、深い音色・弓をぐっと押し当てた低弦の音色からぐっと魅かれます。主題の旋律に逸る聴き手の前に、弦楽器群がいや待てと荒々しく各セクションが拮抗しながら進み、ティンパニの一撃でようやくホルンが穏やかに歌い始める。フルートと絡み合いながら有名な旋律とコーダの伏線を準備します。会場でにいた方は幸せな時だったことでしょう。戦前のベルリンpoのような音色です。

ようやく有名な弦楽器に主題が入ってから基本的な流れ・響きはそのままですが、テンポ・表情変化は激しく如何にもフルトヴェングラー的な名演。コーダ前の第一次クライマックスの部分では「タッタッタッ・ダーダラッ!」と繰り返しの後の「ダーーーーーー」の前に効果的な間の後、トランペットが少々フライング気味な破滅的で濁った音が印象的。通常は同じテンポのままで進んでしまい、緊張感の欠片も感じさせてくれないのでこの演奏を聴くと他の演奏は物足りない。

次点は1952年のベルリンpoとのライブでしょうか。少し燃焼度に欠ける。フルトヴェングラーとしては理性的です。

コーダについては理想的。ホルンの暗い響きが心地よいし、若かりし頃のアッチェレランド一辺倒ではなく歌心も忘れず、オーケストラを存分に鳴りきらせてモノラル録音だということも忘れてしまう程の見事な締めくくり。オーケストラの器用・音量を誇示するかのような演奏では無い。ちゃんと伏線があっての熱狂的なコーダです。やはりフルトヴェングラーには相応しい曲だと思わせてくれます。オーケストラの棒に合わせようとする気概が、慣れたウィーンpoとベルリンpoのそれとはちょっと違います。「また一緒に演奏できるかな」という想いもこもっているように感じます。

何度も繰り返して耳にしようとは思いませんが、ブラームスの交響曲第1番ならやはりこの演奏を手に取ってしまいます。DELTA盤は音がいいので中古で見つけたら購入すべきです。

posted by 悩めるクラヲタ人 at 08:37| 交響曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする