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2017年08月05日

ワーグナー 「タンホイザー」序曲・「ジークフリート牧歌」他 ノーマン&カラヤン/ウイーンpo


バーベキューから帰って来て、ふとワーグナーが聴きたいと思い、そしてカラヤン晩年のライブ録音を棚から取り出してみました。
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ワーグナー
・「タンホイザー」序曲
・ジークフリート牧歌
・「トリスタンとイゾルデ」から前奏曲と愛の死
指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ソプラノ:ジェシー・ノーマン
1987年 ザルツブルク音楽祭でのライブ録音





「20世紀最高の指揮者は?」または「20世紀最高の音楽家は?」と訊かれたら、フルトヴェングラーかカラヤンの名前は外せないと思います。しかしながら私は決してカラヤン好きではありませんので、よいリスナーではありません。実際このCDも「タンホイザー」序曲はあまりよいとは思いません。

このCDの白眉は「ジークフリート牧歌」だと思います。前奏曲と愛の死もいいですが。もう今では聴くことの出来ないウィーン・フィルの独特な香りが漂っています。カラヤンというと、速いスピードで演奏するイメージがあるかもしれませんが、晩年はかなり遅くなりました。

その分、ワーグナーが愛する妻の誕生日のプレゼントとして贈ったこの曲を、この上なく官能的にでも少しごつごつした部分もあり人間味溢れる音楽として演奏しています。加えてウィーン・フィルの響きが堪りません。手綱を緩めていたのでしょうね。


古いですが、クナッパーツブッシュの素晴らしいジークフリート牧歌。

その後の「トリスタンとイゾルデ」からの2曲も名演。ノーマンの少し重めの声がこの時の伴奏にピッタリです。声をマスクしないように音量を少し抑えながら、萎びれて響くヴァイオリンと本当にうまく溶け合っています。

長年連れ添ったベルリン・フィルと決別した後、体調も優れず満身創痍でウィーン・フィルと残したライブ録音は全盛期のカラヤンより好きです。バトンテクニックに優れていて入念にリハーサルして、切って貼ったような如何にもパッケージ化された全盛期のベルリン・フィルとの数多くの録音は苦手です。

ですが私が始めてお小遣いで買ったレコードは、カラヤン/ベルリン・フィルのベートーヴェンの「田園」交響曲でした。ヲタクでなければ、まず何でもカラヤンの時代でしたから・・・すぐ飽きました。

やはり目は開けて指揮しないといけないと思います(笑)

体力そしてバトンテクニックは衰えたが気力は残り、それをカバーしようとその気力を補おうとするオーケストラとの関係がベストだったんだと思います。莫大な録音を残したカラヤンですが、ライブ録音は少ない。死後にようやくライブ録音が数多く日の出を見ましたが、意外とライブは良かったんだなと思います。あまりに録音技術に詳しすぎたんですよ、カラヤンは。

最近のウィーン・フィルではこのような音はもう出ない、引き出す指揮者がいないでしょうね。50年代のウイーン・フィルの独特のウィーン訛りの音色も古き良きですが、80年代の訛りは減ったが20世紀後半の機能美が加わったこの時期(コンサートマスターがヘッツェルまででしょうか)の音も今となってはまた古き良き時代だったのです。

ラベル:カラヤン
posted by 悩めるクラヲタ人 at 18:58| Comment(0) | 管弦楽曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ボーイト 歌劇「メフィストーフェレ」からプロローグ トスカニーニ/NBC交響楽団他 1954年録音


昨年NHK‐BSプレミアムでムーティがこの曲を指揮していました。最近のムーティらしくゆったりとたっぷり噛んで踏みしめるような演奏でした。混合オーケストラを短期間で仕上げる手腕に感心しながらも、最近のムーティは歌わせ過ぎかなぁとも思ってしまいました。この豪華絢爛なボーイトの「メフィストーフェレ」プロローグがまるでオラトリオのように聴こえました。

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最近はいいバス歌手がいないせいか演奏される機会が少ないこの曲。以前にセラフィン盤の記事を書きましたが、表題役を悪魔的に歌えるバス・悩み苦しむ甘いテノール・一滴の望みを感じさせるソプラノの三役がぴったり揃わないと面白くなくなるオペラです。ムーティの演奏を聴いて、プロローグならそういえばトスカニーニの録音があったなと聴きなおしてみました。

ボーイト 歌劇「メフィストーフェレ」からプロローグ
バス:二コラ・ボストーナ
ローバート・ショウ合唱団他
指揮:アルトゥーロ・トスカニーニ
NBC交響楽団
1954年3月14日 カーネギーホールでの録音
録音 3.70点  演奏  4.65点


私はトスカニーニBOXで所有。



あまりにも輪郭がクッキリしている録音なので8Hスタジオでの録音かと思ったらびっくり。カーネギーホールでの録音でした。しかしマイクが近いのか非常に声も楽器も分離がいいモノラル録音。少年合唱の声など一人一人の口元が見えるように明晰。その代りにカーネギーホールの割に残響や響きに欠けますが、直接的な迫力を求めるこの曲には丁度いい。


わざわざ演奏した日付を記載したのはトスカニーニの最後のコンサートが1954年4月4日。例の記憶違いを起こして指揮台の上で呆然としてしまいオケが戸惑い、生中継をブラームスのテープでラジオ局が繋ぐという逸話が残されている日です。

トスカニーニの貴重なステレオ録音としても有名です。疑似ステレオっぽい音質ですが。

この演奏は同年3月14日なので、その約20日前の演奏ということになります。晩年のトスカニーニの演奏はオーケストラが自分の楽器となりすぎたのか硬直過ぎる傾向がありましたが、この演奏は意外にも美しい・・・少年合唱の天使の歌声。そして合唱団とオーケストラが良く歌っている。「カンタービレ!カンタァァーヴィレ!!!!」とリハーサルでは厳しくしたのかもしれませんが、実演では柔かさとここぞという時の余裕を持ったフォルティッシモが調和しています。

初演では失敗に終わったこの曲を見事に蘇演したのはトスカニーニです。この演奏でなら納得です。このまま全曲とは言わないので、エピローグ位は演奏して欲しかったと思わせる演奏です。テノールがお気に入りのピアーズではちょっと物足りない結果になったでしょう。終焉を迎えることを予期していたのかトスカニーニの微笑みすら感じさせる美しい歌心、しかし萎えてはいない鋼の錬金術を駆使したフォルティッシモで締めくくる。

バスのボストーナも流石にシエピには及ばないですが、レイミーよりは優れた歌唱を披露しています。1948年にもトスカニーニはミラノ・スカラ座で演奏しています。その時はシエピ!!でした。

これはその録音。プロローグと第3幕が記録として残っています。

さてムーティに話を戻しますが、セラフィンやこのトスカニーニの演奏を聴くと、ムーティの進化形(深化形?)は彼らと違う方に向かっているようです。その後に放送されたウィーンでのヴェルディ「オテロ」も悪くはないのですが、表題役も含めてスカラ座での演奏の方が良かった。テノールへのブラヴォーが無いオテロなんて・・・

最盛期を越えたとはいえ、やはりドミンゴのはまり役。イヤーゴのレオ・ヌッチとの2重唱はやはり凄い。

やはりムーティにはただ巨匠然とした演奏ではなく、昔のぎらついた燃え滾るようなものが流れ続けてほしいなぁとも考えさせられる録音でした。ガヴァッツェーニの晩年のように。

セラフィン盤については↓
ボーイト 歌劇「メフィストーフェレ」 シエピ&セラフィン

ラベル:トスカニーニ
posted by 悩めるクラヲタ人 at 12:53| Comment(0) | オペラ・声楽曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする