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2017年08月07日

ブルックナー 交響曲第7番 ヴァント/北ドイツ放送交響楽団 1999年4月のライブ録音


すっかりFMを聞かなくなりましたが、たまに車中でダイヤルを合わすと(言い方が古い?)、思いがけない名演奏に出合います。
しかし、エアチェックなる言葉も死語になりましたね。

ブルックナー 交響曲第7番
指揮:ギュンター・ヴァント
北ドイツ放送交響楽団
1999年 4月のライブ録音(Profil盤



ヴァントのライブやブルックナーに食傷気味な人が多いのか、あまり話題になってないですね。

2014年、NHK‐FMのベストオブクラシックでヴァント/北ドイツ放送交響楽団のライブがまとまって放送されていました。帰りの車中でこの演奏を聴いたのですが、名演名高いベルリン・フィルとのライブとだいぶ違う印象で、「この日のヴァントは調子が良かったんだな。このCD出てるのかな」と思いました。その時はまだ出ていなかった演奏です。ヴァントのCDはBOXで買いすぎて、ブルックナーの第5番、第8番と第9番に至っては4種類の演奏が棚に合ってお腹満腹状態ですが、第6番と第7番の演奏は意外と少ない。

1999年にヴァントはブルックナーの第7番をまとめて演奏していた時期みたいです。4月にこのCDの演奏、8月にDVD(訳のわからん編集が話題)になっている演奏、11月にベルリン・フィルとの演奏が残っています。

ベルリン・フィルとの演奏は批評家はこぞって褒めちぎりましたが、私には「ヴァントにしては物足りない。らしくないな」と不満を感じていました。





これはジュリーニの第4楽章。
エアチェックして、テープでよく聴いた記憶があります。

この4月の演奏は、彼のベストフォーム。最初から最後まで緊張感が維持されている。凝縮した響きの第2楽章が素晴らしい。またヴァントの演奏でコーダの最後の和音をティンパニの一撃で〆るのはこの演奏だけ。
普通は「タッタッタッタラッタターターターータター」とトッティで締めくくるのですが、最後が「タッタッタッタラッタターターターータダン!」とこの演奏では乾坤一擲の一撃で終わります。カラヤンとウィーン・フィルの演奏も同じ締めくくりですが、あちらは力技。

沈黙の後、夢から醒めたように観客の拍手が始まります。全曲を通して、長い付き合いを通じて得た阿吽の呼吸が良い方向に作用しています。「今年はこの曲を中心に」と決めていた最初期の演奏だからでしょうか、綿密なリハーサルをした感じと、そこにライブならではの即興感と熱が込められています。

ベルリン・フィルとの時は、悪い意味で慣れが出てきてしまったのでしょうか。音はSACDで最高なのですが、意外とアンサンブルに綻びが見えるし、それを威圧的な金管でなんとかしようとする力技感があります。それだとヴァントの緻密で計算された響きとは程遠くなってしまいます。

上記CD、分売で国内リリースされましたが、輸入盤の方が2枚の値段で3,7,8,9番の4曲が聴けてしまいます。8番はちょっとアンサンブルに乱れ(終曲部でちょっと行方不明に・・・)がありますが、ライブそのままでつぎはぎしてあるより好ましい。

中古品なら、なおお得。新品ならHMVの方が安いです。

ブルックナーの第7番は意外といいCDに恵まれない曲ですね。シューリヒト(最近出たベルリン・フィルとのライブはどこかで書きたいな・・)、朝比奈も録音が悪かったり、演奏がベストフォームでなかったり。この演奏で、やっとという感じが私はしました。

曲がアンバランス(第1‐2楽章が長いが出来がよく、第3‐4楽章が短く軽い)なので、演奏でうまく補ってくれていないと満足感が得られない。ブルックナーの交響曲の中では聞きやすい名曲ですが、慣れてくるとそこが不満になる難しい曲ですね。

ラベル:ヴァント
posted by 悩めるクラヲタ人 at 18:52| Comment(0) | ブルックナーの交響曲名盤 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ベートーヴェン 交響曲第1番・3番「英雄」 サイモン・ラトル/ベルリンpo 2015年録音


恐らくここ最近のクラシックのCDで一番売れているのではないかと思われるサイモン・ラトルとベルリンpoとのベートーヴェン交響曲全集。CDというよりパッケージです。CDとコンサートブルーレイ映像と24bit96khz音源ブルーレイDISCに加え、24bit196khz音源ダウンロードコード付き。ジャパネットタカタもびっくり、ベルリンpoのライブ配信7回分無料視聴コードまでついているのですから驚きです。

AKB商法も真っ青な売り方というか、クラシックファンには堪らないパッケージ。後々廉価で再発売というのも自主レーベル発売ですからあり得ないですし。
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入手難状態は解消され、安定供給されるようになりましたが、値崩れしないのは、自信の表れ。

しかしこのスピーカーで聴く、ラトルのベートーヴェン交響曲全集は低音が良く鳴り、久しぶりにいいベートーヴェン交響曲全集を聴いているなぁと思います。脱線しすぎました・・・

ベートーヴェン 交響曲第1番ハ長調
        交響曲第3番変ホ長調「英雄」
指揮:サー・サイモン・ラトル
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
2015年 ライブ録音
録音  4.70点(ハイレゾ)  演奏  4.60点


ハイレゾで聴くと、今のベルリン・フィルが如何に凄いか体感できます。「カラヤンとアバド時代のいいとこ取りをした状態」という団員の言葉通りで軽妙で透明感があり、ここぞという時に低音の深い響きと精巧でありながら圧倒的な音圧でも押し切ることができる。そして音楽的で自主的な一体感がある点では、今のところウィーンpoよりも上。


第1番では少し人数を減らした編成にもかかわらず、それを感じさせない太い音がします。序奏こそ遅いテンポですが、主部に入ると早めの古楽器的テンポというよりかはシューリヒト的なテンポ。旧全集でのラトルの実験的で恣意的な解釈も今や堂に入り、しっかりとした充実感を与えてくれます。

一気に駆け抜けるが薄味にならない第3楽章と明朗軽快でありながらベートーヴェンを聴いたという充足感を与えてくれる第4楽章。とにかくオーケストラのしっかりとした響きが、古楽器演奏や旧世代の巨匠的演奏と一線を画しています。

続く第3番「英雄」は少し不満なのは第1楽章と第4楽章のコーダのみ。第1楽章は流石にこの交響曲としては「ダンッ・ダンッ・ターラータータ」が軽快過ぎるかなと私には感じる。しかし何回も聴いていると妙に説得感が出てくる。やはりティンパニと低弦楽器のバランスがいいからでしょう。このまま軽く流す感じで行くかと思いきや徐々にハーモニーがぶ厚くなっていき、第1楽章コーダでは気づけば圧倒されている。

この交響曲全集で全曲通して素晴らしい出来だなぁと感じるのは、第2楽章の緩徐楽章と第3楽章のスケルツォ。この「英雄」でも第2楽章はここ最近の演奏の中でも出色の出来だと思います。ピリオド的アプローチはなりを潜め、明るめの音調ながらしっかりと風格があり、ここぞという時のティンパニとコントラバス・チェロの抉りはティーレマンをも凌ぐ。そして管楽器の巧さが光る。



この「英雄」で一番優れているのは第3楽章。ここでラトルは少し勝負に出てきています(笑)主部最後のティンパニに独特のアクセントをつけていますが、これが見事に効果的。その指示を難なくこなすティンパニと弦楽器のアンサンブル。「そういう風に弾けばいいのね」というウィーンpoと違い、「あなたの希望通り以上の音を出してあげましょう」と余裕をもって受け止めるベルリン・フィルとの違いが垣間見える。ここが実験的に聴こえるか、堂に入った表現に聴こえるかの違いでしょう。

第4楽章も変奏に合わせ腰を据えながらも見事に変転する曲想に合わせ、自由自在にオーケストラを操るラトルの面目躍如。しかも響きが深い。ちょっと不満に感じるのは最後の最後コーダだけ。コーダ締めくくりの演奏法は2種類に分かれる。「ダーダダダダダダダダッ・ダッ・ダー」とフォルテのまま突き進むか、最初の「ダー」で音を一旦潜め裏の管楽器の音を浮き立たせてから再度フォルテで「ダダダダダダダダッ・ダッ・ダー」締めくくるか。

一般的には前者ですが、今回のラトルと過去の巨匠でいくとシューリヒトやクレンペラーは後者。やはり私はここは管楽器の音は聴こえなくなるが一旦勢いが失せるので前者がいいかと。後者だと一瞬冷めてしまうので。しかしそこから一気にフォルテに持っていくベルリンpoの技量はやはり見事。


この2曲に関しては不思議とシューリヒトの解釈に厚みを持たせた様な印象を感じるのは私だけでしょうか?スケルツォのテンポ設定など特に。しかしティンパニが実にうまい。深く響かせたり、古楽器的に鋭角的に響かたり。曲によって2名の首席奏者が交代で叩いていますが、微妙に叩き方が違うというか奏者が違うとはっきりとわかります。フルートにも同じことが言えます。


シューリヒトの第1番ではモノラルですが、パリ音楽院との全集よりもウィーンpoとの演奏の方がいいです。録音がDECCAなので。

因みに「英雄」はハイレゾで聴いた方が絶対に良い。低弦の響きがより深くなり、「英雄」の第2楽章の印象はかなり変わります。CDでも十分感じれますが。「これでハイブリッドSACDだったら文句なし」というレビューを見ますが、世界的に見ればSACDプレーヤーはもはや元気が無く、誰もが持ってるブルーレイプレーヤーとポタアンDAC時代になっているので仕方のないことだと思います。

ラベル:優秀録音
posted by 悩めるクラヲタ人 at 14:53| Comment(0) | ベートーヴェンの交響曲名盤 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする