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2017年08月09日

R・シュトラウス オペラ「カプリッチョ」から”月光の音楽” カラヤンとプレヴィンの録音


最初はカラヤン盤で挙げましたが、後段に追記した通り、プレヴィン盤を絶対的名盤として薦めます。

J・シュトラウスの録音が有名な往年の名指揮者クレメンス・クラウスは、R・シュトラウスとの親交も深く、R・シュトラウス作品の録音も多数残っています。ここ数日「演奏はいいけど録音が古く、もやもやする」という先入観を乗り越え、クラウスのR・シュトラウス作品の録音に聴き入ってしまいました。

ウィーンpoと残されたその録音群を聴くと「R・シュトラウスはウィーンの作曲家で、この両者のために作品を書いたのではないか」と思いいってしました。今のカラヤン流儀のオーケストラの圧倒的な機能美を披歴する演奏とは真逆の演奏です。古臭さはあるけど、彼ら以外には出せない愛らしさと人肌の温もりとウィーンの洒落っ気が詰まっています。
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話はそれましたが、R・シュトラウス最後のオペラ「カプリッチョ」。前奏の弦楽四重奏から晩年に作曲家が辿りついた境地を堪能できる作品です。未亡人となった伯爵夫人を詩人と作曲家が「詩が先か、音楽が先か?」という論争をしながら伯爵夫人を奪い合うという喜劇でもあります。

全編にわたってオーケストラは歌を軽くサポートするかのように言葉を大事に扱っています。上記クラウスが台詞を作った友情によって生まれた作品だからということもあるのでしょうが、昔の饒舌かつ不協和音で圧倒する彼の音楽とはもう違い、洗練の極み。特に終劇間際にオーケストラだけで演奏される「月光の音楽」の美しさ・儚さは言葉を失う。

R・シュトラウス オペラ「カプリッチョ」から「月光の音楽」
指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1985年録音
録音  4.50点   演奏 4.50点




この夢見心地にさせてくれる3分足らずの曲の半分は冒頭からのホルンの歌。ホルンの一人寂しい歌が歌い終わるとその旋律を慈しむように弦楽器が一斉に歌い始めます。そして揺蕩いながら旋律は進み展開されています。月の光を浴びながら憂いに満ち、心揺れ動く伯爵夫人の心象を代弁するかのように・・・その音楽は拍節感があまりなくワルツ的に感じられる部分もりますが、リズムが安定しない。作曲の妙です。

まずは作曲者の指揮で。

まずは音のいいカラヤン晩年の録音です。全曲の演奏からでは無く、抜粋された中の1曲です。カラヤンも肩の力を抜いてオーケストラに任せたような素敵な演奏。足りないのはウィーンの薫り位でしょうか。もう何か力技はやめたよ・・・とR・シュトラウスと同じような心境のような珍しく自分の心境も吐露するかのような演奏。この演奏を何度もリピートして聴いているだけで幸せな気分に包まれます。

ここにウィーン風味が欲しいという方には、全曲盤にはなりますがウルフ・シルマーとウィーンpoとの全曲盤を薦めます。演奏はほぼウィーンpo主導で、ウィンナ・ホルンだけで吐息が出ます。と言ってもシルマーは当時まだ30代の若さでウィーン国立歌劇場の常任でコンサルタントも務めた稀有なカペルマイスター。今はライプチィヒ国立歌劇場の音楽監督と、オペラ一筋の少し若いペーター・シュナイダー的存在。歌も全盛期のキリテ・カナワ、給仕役で往年の名バリトン ハンス・ホッターが加わっている味のある配役。全編にわたって優れた演奏。

こんな豪華なキャスティング・・と思ってクレジットを見るとこれまた往年のDECCAを支えた名プロデューサー クリストファー・レイバーンが担当していた。




うーん、やっぱりウィーンpoでなくてはと思わせるプレヴィンの演奏。

MP3でもいいのかもしれない。
【追記】
と思いましたがCD買ってしまいました。
R・シュトラウス オペラ「カプリッチョ」から「月光の音楽」
指揮:アンドレ・プレヴィン
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1992年録音
録音  4.55点   演奏 4.65点


こんな素晴らしいCDが廃盤状態とは、嘆かわしい限り。

カラヤンよりもいい録音ですし、演奏もカラヤンより優れています。カップリングが少々地味ですが、これはR・シュトラウス好きには堪らない。プレヴィン全盛期の隠れた名盤です。「バラの騎士」組曲も美しく愉しい。サロメの踊りも上品。

音は悪いですが、クレメンス・クラウスの晩年の録音も素晴らしいです。クラウスはヨハンよりもリヒャルトの方がもっと評価されてもいいと思うのですが。

下記クラウスのR・シュトラウス作品集を聴くと、今のR・シュトラウス演奏はつまらないなぁと嘆息してしまいます。ダルで雑な部分もありますが、こんな演奏はもう求め得ない。


R・シュトラウスの音楽自体を見直すきっかけになる本当に美しい1曲です。音に優しく包まれる・・・

posted by 悩めるクラヲタ人 at 19:17| Comment(0) | オペラ・声楽曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ロドリーゴ 「アランフェス協奏曲」 村治佳織&山下一史/新日本po


先日、サワコの朝に村治さんが出演されてましたね。若き日の好演奏です。

ギター音楽で一番メジャーなクラシックの曲は間違いなくロドリーゴのアランフェス協奏曲でしょう。この村治さんのCDは、クラシック初心者の方にも肩の力を抜いて聴くことができるカップリングも優れたCDです。新品ではどうも廃盤みたいなので、高品質のXRCDを中古で買うとこのCDの良さをより堪能できると思います。

ロドリーゴ アランフェス協奏曲
ギター:村治 香織
指揮:山下 一史
新日本フィルハーモニー管弦楽

XRCDを中古で買いましょう。


この曲はレコード・CD向きの曲だと思います。コンサートで聴いてもなかなか満足することができない・・・それはギターという楽器の音量の弱さが欠点になるからです。そもそもオーケストラとギター一本では音量差に無理があります。かといってオケの人数を減らすと伴奏に厚みが足りなくなり物足りなくなるなど、演奏が難しい。まず、大きなコンサートホール向けではありません。マイクを使うのはちょっと掟破りですし。

某評論家が本の中で名演と紹介していた名手 ブリームとラトル/バーミンガム響のCDは、その弱点をそのまま録音したもので、ギターに音量を合わせるとオケの部分がうるさい。

逆にするとギターの音が聞こえないとさっぱりでした。ラトルも張り切り過ぎで鋭角的な音で伴奏を付けていたので、耳に刺さる。

ふと出会ったこの村治佳織の一枚。まず録音が良かったです。ギターにフォーカスを当てているので、ギターが明瞭。指先の弾く音まで詳細に聞こえる。そしてオーケストラも控えめに(恐らく人数は減らさず音量を抑えて演奏させている)録音することで、ギターとのバランスをとっています。

他の収録曲も同じで、ギターの音色に酔わされます。最後の「タンゴ・アン・スカイ」は知らない曲でしたが、曲・演奏ともに曲調に合い絶品。

アランフェス協奏曲は第2楽章が有名で、いろんなジャンルで編曲されていますが、私はギター音楽としてならば逆に第1、3楽章の方が好き。特に気楽に散歩にでも行きましょうか?という感じで始まる3楽章は、聞いていて軽いストレスは発散できます。


村治さんはビジュアルが良いことで、逆に損をしたかな・・・最初はアイドル扱いもされながら売り出されたので、どうも本道のクラシック・ファンからは評価されていなかったと。私もその一人でした。しかしこのCDを聴いてみると、聴かず嫌いだったなと思いました。いろいろなご苦労もあったみたいです。

この1枚はギター音楽が好きな方はもちろん、クラシックは苦手だなーという方にも気楽にお薦め出来るCDです。繰り返し聞いても飽きがこないし、良いシステムで聴くと目の前でギターが弾かれている感覚が楽しめます。

もちろんジャケ買いでも。
村治さんはこの協奏曲を再度録音したようですが、そちらはあまり良くないとのこと・・・指揮者が頑張りすぎたり、本場オケとはいえ癖がありすぎるとギターとの調和が難しい。やはりチェックしながらバランスをとって録音を進めるのがベストなのでしょう。昔のDECCAみたいに。

では最後に世界に誇る日本のギタリスト、山下和仁さんの爆演を。ギター一本でこんなことが出来るのか・・・

”神がかる”、”何かに取り憑かれている”演奏とはこういうものなんだな・・・。ギターのCDはそんなに持っていませんが、山下さんのCDについてはまた。

ラベル:名録音
posted by 悩めるクラヲタ人 at 00:10| Comment(0) | 協奏曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする