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2017年08月11日

ストラヴィンスキー バレエ音楽「春の祭典」 ズヴェーデン/オランダ放送po 2006年録音


BOOKOFFで1,250円で入手したズヴェーデンとオランダ放送poとの優秀録音による「春の祭典」。同じ日に持ってはいたけど古い盤なので、リマスタリングされたスウィトナーのブラームス ハンガリー舞曲集もあったので購入。こちらは通常CDですがHQCD仕様で1,680円。少し高いとは思いながら、ずっと気になっていた前者が安いしSACDなので足して割れば丁度いいいかと両方とも購入。
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発売当時からレコード芸術でも特選、しかもレコードアカデミー賞の管弦楽部門も受賞と評価が高かったです。故宇野功芳氏も「作品そのものが光るズヴェーデンの名演」と絶賛していました。ゲルギエフの名盤と対極にある演奏とのことで、それは言っては悪いが個性がないということでは?とちょっと手が伸びなかったのです。どの評論家も同じ論調で録音は超優秀とこれも横並び一線。さて結果は如何に。

ストラヴィンスキー バレエ音楽「春の祭典」(1947年版)
指揮:ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン
オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団
2006年 スタジオ録音 ハイブリッドSACD
録音 4.80点  演奏  4.35点




なるほど冒頭からノイズも少なく楽器の音色や息遣いも感じられるほど繊細な録音。美・サイレント 山口百恵か・・・・静かな環境で聴くとよくわかります。スタジオで自分のためだけにオーケストラが眼前で演奏しているかのよう。演奏もこなれていて、過激さというよりかはブーレーズ的でしっかりと楽器を読み込み冷静に少し分析的な傾向。ブーレーズほど刺激的・機械的でなく、デイヴィス盤ほど熱くもなって行かない。

なるほど「指揮者や演奏家の存在を忘れてただ作品の良さだけが感じられる。それは演奏家にとって非常に名誉なことだ」との宇野節もあながち間違ってはいない。端正でリズムもよく、ティンパニ・グランカッサなどの迫力もしっかりとしていて聴かせる。夜に聴き終わってふと「春の祭典を聴いていてボリューム操作をせずに夜に聴けたのは初めてのことだなぁ」と気づく。

普通は1部の最後や第2部後半の一部でボリュームを抑えざるを得ない部分があるのですが、それが無かった。そういった部分でも音が暴れないというか刺さってこない。と言って、不満足でもない。録音の良さのせいでしょうか。迫力不足にはかんじない、けどこの曲に少しは求める「うぅぃぅ・・・」という息苦しさや圧迫感には欠ける。じゃぁつまらない演奏ですかと問われればいえ優れた演奏ですと答えます。

ブーレーズ的ベクトルの演奏ですが、オーケストラがいい意味で巧すぎないために、人間味がある音でそこまで分析的に聴こえないし、刺激的にもなっていない演奏です。そしてこれがここまで優秀な録音でなかったらいい演奏と言われたかは微妙だろうなぁと思います。録音が演奏を超えてしまっているといいますか。

グランカッサと強烈なシンバルの音がここまで鮮明でリアルに捉えられた録音は無いかと。しかもティンパニストは微妙な強弱をつけているのが明確にわかる。弦のピチカートも目の前で弾かれているようにリアル。



ズヴェーデンはニューヨーク・フィルの指揮者になりますが、ニューヨークで同じ演奏をしたら多分この演奏より機械的で圧倒的過ぎる音響でちょっと真面目過ぎる五月蠅い演奏になるのではと思ってします。良くも悪くもオランダ放送poという丁度いいうまさのオケとの録音だったから良い結果につながったような・・・褒めて無いですねなんだか(笑)

「初めて春の祭典を聴くんだけど、どの盤がお薦め?」と聴かれて、この盤は決してお薦めしない。多分M・T・トーマス盤を薦める。「録音がめっぽういい盤は?」と言われたらスッと渡すけど。M・T・トーマスやドラティを聴いて曲を知り、ブーレーズ(旧盤)やゲルギエフ、ディヴィスなどの解釈を聴いた後に、「最近でいい演奏ある?」と言われたらお薦めします。個性的な演奏を聴いてから聴くと耳洗われて新鮮に感じる演奏だと私は思います。耳を一旦いい意味でリセットして、またゲルギエフって凄いなぁとかドラティって老練だと気づくことができるようになる毒消し的な名演。

今となってはこのマゼール盤も超個性的な演奏ですが、11拍子の部分以外は忘れ去られる運命か・・・

このような超オーソドックスでセンスよく技術もまとめられた演奏で初演をされていたら、果たして初演であれほどのスキャンダラスになったのだろうか?と考えてしまう程、すでにクラシックの古典として演奏されている好演です。私は名演で名盤です!、諸手で称賛とは言えないかなぁというのが正直な感想です。録音に関しては絶賛します。是非SACDで聴くべきです。


ズヴェーデンという指揮者はセンスはいいし、元RCOのコンサートマスター経験者だけあってオーケストラをまとめるのも上手い。ニューヨーク・フィルハーモニックはアラン・ギルバート時代は全く持って興味が無くなったのですが、少しは興味が戻りそう。ズヴェーデンの正念場でしょう。この新しいコンビのCDを早く聴いてみたいものです。

最後にバーンスタインとボストンの演奏。なかなか面白い。まだようやくオーケストラがミスなく演奏できるレベルになった頃ですね。時代を感じる。

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posted by 悩めるクラヲタ人 at 12:14| Comment(0) | 管弦楽曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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