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2017年06月02日

【LP板起こし付】ムラヴィンスキーのグリンカ 「ルスランとリュドミラ」序曲他 1965年ライブ録音集


【やっと重い腰を上げて日本初版のLPの板起こしをしてみました。mp3だと大きく音質劣化が生じると初めて知り、flac16bitで上げてみました。どうでしょうか?】

またもや朝早く目が醒めてしまいどうにも二度寝が出来そうにない。そんな時ふっと久しぶりに聴いてみるかとムラヴィンスキーとレニングラードpoの名前が一躍世間に知れ渡ったLPに手が伸びました。

1965年に両者の本拠地レニングラード(現サンクトペテルブルク)では無く、首都であるモスクワに出向いて行われた一連のライブ録音。今となってはそんな国内移動演奏会は当たり前ですが、当時としては朝比奈&大阪poがサントリーホールで演奏するように、首都の主要なオーケストラに喧嘩を売りに行く討ち入り演奏会のような大事でした。
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モスクワにはただでさえ国家の代表として誇り高き国立のオーケストラ(それをスヴェトラーノフ、ロジェストジェンスキーらが監督)が多くある中、全く異質で高性能かつ集中力が高い、そして大地を揺るがすようなロシア的でないストイックな演奏に観客が度肝を抜かれた様子がありありとテープに収まっています。

聴衆も「レニングラードの田舎のオケがモスクワくんだりまで来て・・・」とでも少しは思っていたのではないかと思います。すでにチャイコフスキーの録音は発売されていましたが、当時のロシアの経済・流通事情を考えればこのコンビの凄さを知っている人はそこまでいなかったことでしょう。

録音データが正しければ、1965年2月21日を皮切りに、23・26・28日と演奏会が行われていたようです。
演奏・収録されている曲目は
1965年2月21日
・ムソルグスキー:モスクワ河の夜明け
・リャードフ:バーバ・ヤガー
・グラズノフ:『ライモンダ』第三幕への前奏曲
・ショスタコーヴィチ:交響曲第6番
・ムソルグスキー:モスクワ河の夜明け
1965年2月23日
・モーツァルト:『フィガロの結婚』序曲
・モーツァルト:交響曲第39番
・シベリウス:トゥオネラの白鳥
・シベリウス:交響曲第7番
・ワーグナー:『ローエングリン』より第三幕への前奏曲
・ワーグナー:『ワルキューレ』よりワルキューレの騎行
1965年2月26日
・グリンカ:『ルスランとリュドミュラ』序曲
・ストラヴィンスキー:バレエ音楽『ミューズの神を率いるアポロ』
・ヒンデミット:交響曲『世界の調和』
・ワーグナー:『ローエングリン』より第三幕への前奏曲
・ワーグナー:『ワルキューレ』よりワルキューレの騎行
1965年2月28日
・ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
・バルトーク:弦楽器、打楽器とチェレスタの為の音楽
・オネゲル:交響曲第3番『典礼風』
・リャードフ:バーバ・ヤガー
指揮:エフゲニー・ムラヴィンスキー
レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団
1965年 モスクワ音楽院でのライブ録音
録音 4.30点  演奏 軒並み4.60点

というようなプログラムでは無かったかと想像しています。初日の21日には他にも演奏された曲があるような気がします。その辺は研究家にお任せして・・・

1972年にもモスクワライブ録音集がありますが、音質と演奏の質も含め1965年の記録の方が圧倒的に優れています。1972年の一連のライブはベートーヴェンの交響曲「第4」「運命」、お得意のチャイコフスキーの「第5」、1965年にも演奏されたショスタコーヴィチの「第6」と注目すべきプログラムがあるのですが、録音機材が使い古されたのか音質が少しこもり気味で1965年と同じ音質だったらと無いものねだりな気持ちになります。ショスタコーヴィチの第6番はオーケストラの調子も含めて1965年の演奏の方が優れています。

こちらは両年セットになったお買い得盤。

1965年録音で一番有名なのは言うまでも無くグリンカの「ルスランとリュドミラ」序曲。
※板起こしをした1965年ライブ 国内初版のLP A面です。mp3ですが「ルスランとリュドミラ」序曲の冒頭の音は、何故かCDだとフェイドイン気味なのですが、LPだと一気呵成の音で始まり印象が大きく違う。
flac 16bitです。ダウンロードしていただかないと聴けないみたいです。すみません。分解能では明らかにCDに負けますが、全体的な雰囲気はLPの方が柔かい。

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ムラヴィンスキー A面 falc16bit.flac
flacを再生するには、Freemake Music Boxというソフトが必要です。
ダウンロードサイトは↓をご参考に。PCのみ対応ソフトです。
Freemake Music Box ダウンロードサイト
youtubeの「ルスランとリュドミラ」序曲。これも冒頭のフェイドイン気味がないので、ひょっとすると板起こしではないかと推測します。

超速で一糸乱れぬアンサンブル、咆哮・絶叫せずコントロールされた金管楽器と早いパッセージでも難なく(時間を徹底的にかけ扱き上げった結果の賜物ですが)吹き切る木管楽器群に、ロシアの管弦楽団のイメージを瞬殺で変化させた演奏です。

日本でも「なんだこりゃ!」呆気にとられた評論家とリスナーは多かった。初版のLPは上記音源からロシア音楽小曲集といった趣でLP1枚で発売されていましたが、ロシア音楽小品集などといった軽い演奏では無く、曲も地味ですが演奏は超辛口。チャイコフスキーなどの雰囲気を気軽に買った人はこれがロシア音楽か?と思ったことでしょう。

グリンカや交響曲39番に隠れて意外と話題にならない「フィガロの結婚」序曲も凄い。カラヤン・ムーティと同じ位の早いテンポですが印象は全く違う。これから始まる喜劇の序曲では無い。弦の統率力は半端なく、乾いた音で切り口が鋭いいわゆるモーツァルティアンな演奏とは違うものの、最後のコーダは有無を言わせぬ鋭さ。

私は主要プロの第39番を聴く前に何度もこの曲をリピートして聴いてしまいます。そしてその後にすっと空気を変えて演奏それる第39番の早く凝縮されただけでない、フィガロと違い少し角を柔かくした純白な演奏。同じ管弦楽団か?と戸惑う。
※板起こしをした1965年ライブ 国内初版のLP 「フィガロの結婚」序曲flac 16bitです。
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ムラヴィンスキー フィガロ flac.flac

この年のライブ録音集は全ての曲を1項で取り上げるべき瞠目に値する名演・凄演ばかり。すでに取り上げたことのあるバルトークの弦・チェレ、シベリウスの「第7番」は勿論のことながら、モーツァルトの「39番」や晩年は演奏しなくなったショスタコーヴィチの「第6番」、現代音楽も積極的に取り上げていたことを示すと同時にフランスの香り0のオネゲルの交響曲「典礼風」(最初の胸に「精霊の守り人」短刀使いのバルサの槍を突き付けられるかのようなトランペットの音圧!)。

ムラヴィンスキーのモスクワで演奏失敗したら政治的にえらいことになる・・・と思っていたのかなという位に集中力と気合が違います。それを受け止める聴衆の集中力の高さ。度肝を抜かれているだけかもしれませんが。


一時期は音質がかなり悪くなっていましたが、スクリベンダムが復刻したCDで安定した音質で聴けるようになりました。入手難になってきたのは残念。

最初にこのLPに出会った時の印象が強いのか。正直、ムラヴィンスキーの演奏で「ルスランとリュドミラ」序曲を初めて聴いたので、凄いけどこういうテンポ設定が普通なのかなと思いもしましたが、他の演奏を聴くとその演奏を聴いても「鈍い」と思ってしまう麻薬的に洗脳されてしまう演奏でしたね、今思えば。


家で聴くときはこの2SACD盤で聴きます。元音源をハイレゾ化したものではなさそうですが、DSD化されてよりアナログ的に響くし、SACDシングルレイヤーのメリットを生かして1年分が1枚にした長時間で入れ替えずに聴けるからです。トレイにいれて、トータルタイムを見るたびに笑いそうになる。4時間なんたらと表示が!正直のこの辛口の演奏を4時間も効いていると少々・・・


十八番の「未完成」。別に目立つ指揮ぶりでもないのに何度見ても飽きない。解釈もそうですが、どうしてこんな音が出るのか。

ムラヴィンスキーという名指揮者がいたことやこういった演奏ですら、最近の若いクラシックリスナーは知らないんだろうなぁとちょっと廃盤の憂き目に合いそうな気配が漂う。

ほぼ鋭い眼光と手振りでこんな演奏を出来る指揮者はもう二度と出てこない。ショスタコーヴィチと同時期に生きたことや超共産主義国家にあったからこそできた演奏、そして何よりレパートリーが少ないのに労働組合も無く公務員として、何度も長時間に渡りリハーサルに時間を割けたできた時代の文化でした。

ALTUSのボックスCDを買うならこちらの廉価ボックスの方がいろんなムラヴィンスキーが知れていいのかもしれません。しかし
タワーさんでも「お取り寄せ」扱いかぁ。危ない…かもしれない。

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posted by 悩めるクラヲタ人 at 22:35| Comment(0) | 管弦楽曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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