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2018年02月13日

チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番 アルゲリッチ&コンドラシン/バイエルンrso 1980年ライブ


昔N響アワーの冒頭でも使われていましたし、冒頭の強烈なホルンの旋律を聴いたことが無い人はいないでしょう。冒頭のホルンだけでなく非常にアグレッシブな第1楽章、一転メロディアスな第2楽章、演奏効果が高く凡庸な演奏でない限り興奮させられる第3楽章とすべての楽章が優れているのも人気がある理由です。

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これを限りなく攻撃的かつ妖艶な演奏で聴きましょうと。若き日のアルゲリッチの風貌には誘うような危険な匂いが漂っています。

チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番変ロ短調
ピアノ;マルタ・アルゲリッチ
指揮:キリル・コンドラシン
バイエルン放送交響楽団
1980年 ライブ
録音 4.35点  演奏  4.65点




まぁ聴いてくださいの一言で終わってしまう位の演奏です。即興的で砂埃たつような程熱気の込められた演奏。でありながら、美しい場面も頻出する演奏です。チャイコフスキーのピアノ協奏曲と言えばアルゲリッチかクライバーンか位の代名詞的演奏です。最近は誰の演奏がいいのでしょうか?ユジャ・ワンに合いそうな曲ですが・・・(youtubeにありましたが、指揮者とミスマッチ)


そんなこと書いたら、ホロヴィッツが黙ってないでしょうね。若い頃はホロヴィッツも良く演奏していました。どれも狂気の演奏ばかりです。

アルゲリッチの同曲異演は数多いですが、個人的にはコンドラシン盤が一番好きです。録音は後のアバドとベルリンpoとのライブの方が良いですが、アルゲリッチの気分とノリはこちらの方が断然いい。LP時代は音が悪い(音が引っ込んで聴こえる)ことで敬遠されていた演奏ですが、CDになってから随分と音が良くなり、個人的には復権。それでも少しオフ気味の録音ですが、音の芯は明確になりました。また当時まだ独特の音色があったバイエルン放送交響楽団の渋い音色は聴きとれると思います。

アルゲリッチも見事ですが、この後すぐに亡くなってしまうコンドラシンの指揮がまた見事。アルゲリッチの喧嘩を買うような伴奏ですが、第2楽章のポエジーな場面では寄り添い合うかのよう。第3楽章のティンパニで再度挑みかかりますが(笑)アバドの伴奏はアルゲリッチについていく感じですが、コンドラシンは受けて立つ感じで詩情あふれる旋律ではなだめるように歌い、激しい場面では互いに譲りません。第3楽章最後のティンパニ1発と最後の和音の音はオフな録音にも関わらずスピーカーから突き抜けてくるほどの迫力。

アルゲリッチももう流石にこんな演奏はしないでしょうね。まずついていける指揮者がいない。アバドも鬼籍に入ってしまいましたし。

アルゲリッチも室内楽をやるようになってから、相手への配慮を重要視するようになりましたから。ギトリスのようなついていける相手以外には(笑)
(と思ったら2014年にルガーノで弾いたyoutube音源があった、変わらないですねぇ。より詩情がまし、指揮者に配慮するようになってます。指揮者はちょっと・・・でしたが)
posted by 悩めるクラヲタ人 at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 協奏曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月12日

バルトーク ピアノ協奏曲全集 ツィメルマン、アンスネス、グリモー/ブーレーズ 2001-4年録音


バルトークという作曲家の音楽には何か不思議な魔力があります。根底には彼の研究し採取した民族音楽の要素があるのですが、バルトークというフィルターを通して楽譜に刻まれると全く違う新しい世界を見せてくれます。バルトークの音楽は聴いてすぐに「あぁ彼の作品だな」とわかる独特の音の雰囲気があります。
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しかし甘口か辛口かと言われれば断然辛口。クラシックビギナーからしたら、一番ポピュラーな「管弦楽のための協奏曲」ですら意味不明でしょう。一番ハバネロが効いているのは弦楽四重奏曲ですが、メロディアスでは無いものの、適度な緊張感を保ちながら音響的にも楽しめる分野のはピアノ協奏曲かと。第3番が一番親しみやすく、よく演奏会のプログラムとしてものりますが、このブーレーズの録音で聴くと、第1番・第2番の方がバルトークらしい名曲だと再確認。

バルトーク:ピアノ協奏曲全集
・ピアノ協奏曲第1番
ピアノ:クリスティアン・ツィメルマン
シカゴ交響楽団
・ピアノ協奏曲第2番
ピアノ:レイフ=オヴェ・アンスネス
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
・ピアノ協奏曲第3番
ピアノ:エレーヌ・グリモー
ロンドン交響楽団
ピエール・ブーレーズ指揮
録音:2001年11月、シカゴ、シンフォニー・ホール
   2003年2月、ベルリン、フィルハーモニー
  2004年10月、ロンドン、St.ルークス・ジェルウッド・ホール
録音 4.55点  演奏  4.70点




今後これを超える協奏曲全集が出るとすれば、キーシンかユジャ・ワンがよほどいい指揮者とオーケストラと組んだ場合位ではないかと思います。何とも贅沢な布陣の演奏。曲毎にピアニストとオーケストラが違う。またその選定が曲に合い見事。

第1番の緊張感と叙情性が求められる音楽に神経質なツィメルマンとシカゴ響で乾いたホールでの録音。各楽器の音が細かく見え、ブーレーズがしっかりと楽譜を見える化してくれながらも、ピリリと刺激的な部分も残している。ツィメルマンの場面場面での音色による表情変化も見事にはまってます。
当然テクニックは万全。

第2番は派手派手しくなりがちで、解釈を間違えるとティンパニ・大太鼓協奏曲のように大風呂敷を広げた演奏になりがちです。そこはアンスネスとベルリンpoとい全体バランスを考えて演奏してくれる相手を選んでカバーしている。

3曲の中では一番実験的で前衛先鋭的な第2番ですが、これも見事に分析的でありながら音楽的。ここぞという時の音は力みが無いにもかかわらず重みがズシンとくる。
第3楽章のピアノとティンパニ・グランカッサのバランス・リズムは、見事としかいえない。



ベルリンpoの木管楽器が金管と打楽器に負けじとしっかりと音色美と旋律で聴かせてくれる。ファンファーレを鳴らす金管と打楽器的なピアノ、そして目立つ打楽器に隠れず、民謡的な歌を継続的に木管楽器が歌っている、あぁそういう曲なんだなと気づかせてくれます。フィルハーモニーだからこそ響きを伴って耳に届いてくる。

昔は名盤の誉れ高かったポリーニとアバド盤。何回聴いてもメカニックなだけで良い曲だとは思えない。当時としてはあそこまで完璧に弾けるピアニストがいなかっただけなのではないかと。

第3番は晩年で少し落ち着いたメロディアスな音楽ですが、ここはグリモーとロンドン交響楽団で、少し明るめかつ開放的な演奏に。でもブーレーズはしっかりと1番と2番の流れの上での3番と捉え、分析的な伴奏姿勢は基本的には変えない。第1番・2番の演奏が見事すぎて、新しい発見を与えてくれ過ぎたからか、この盤では3番が一番耳にしない・・・
疲れがくるのか(笑)


決して悪い演奏では無いですがピアノだけで考えればアルゲリッチもよく演奏しますし、ユジャ・ワンの方が攻めたピアノに感じる部分も。ただブーレーズの伴奏には合わないかもしれないですが。兎にも角にもこのピアノ協奏曲全集の素晴らしいところはブーレーズの伴奏ありきで、バルトークの良さを出そうと会場も含めて適材適所な企画だという点でしょう。

アルゲリッチの3番。デュトワの指揮がこなれすぎていてちょっと物足りないかな。この曲では合いすぎてもいけないという好例。

昔のブーレーズだったら耳に刺さる伴奏をすることもありましたが、そういう部分をオーケストラと会場、そして録音エンジニアが上手く消化している。もちろん巷に言われているようにブーレーズが晩年に丸くなってしまったということもありますが、このバルトークに関しては良い方向にいった例かと。ストラヴィンスキーは逆かな?

バルトークに関してはフリッチャイやライナーと同程度、ブーレーズは多大な功績を遺したと私は思っています。なぜ、このような名録音の名盤がSACD化されないのか。されたらすぐ買いたいのですが・・・まぁ確かに売れ無さそうですから仕方がないのか。
ラベル:優秀録音
posted by 悩めるクラヲタ人 at 23:39| Comment(0) | 協奏曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月01日

ショパン ピアノ協奏曲第2番 マルグリット・ロン&クリュイタンス/パリ音楽院管弦楽団 1953年


フランスの女流ピアニスト マルグリット・ロン。ラヴェルからはピアノ協奏曲を献呈され、ドビュッシーからは直接指導を得たという程、同時代人の作曲家からの信頼も厚かったコルトーと同時期のフレンチ・ピアニズムを代表するピアニストです。録音は残されていますが、コルトーに比べれば少ない。ロン・ティボー音楽コンクールに名を残していますが、その演奏はあまり知られていません。
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1966年に90過ぎで亡くなられていますから、戦後の時点で70を超えていましたから、音質的に良い録音は少ない。そんな中でも良く知られているのは、ラヴェルのピアノ協奏曲とこのショパンのピアノ協奏曲第2番です。昔に日本ANGELレーベルからEMIのSP復刻LPは「GR」という型番で発売されていて、この演奏を耳にしました。
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これはワルターのLPですが、懐かしいジャケット。

お世辞にも良い音とは思えず、コルトーの女性版かなくらいのピアノの印象しか残っていませんでした。今回発売されたクリュイタンスBOXにさりげなく入っていたので聴くと、「こんなにいい演奏でしたか」と驚く音になっていました。当然モノラル録音ですが。

ショパン ピアノ協奏曲第2番ヘ短調
ピアノ:マルグリット・ロン
指揮:アンドレ・クリュイタンス
パリ音楽院管弦楽団
1953年録音
録音 3.60点  演奏  4.55点


ロンだけ聴きたいならば上記の方が。クリュイタンスBOXでなくても。ただ音質はわかりません。

フランスの粋が詰まったような演奏です。クリュイタンスは物足りないと言われるオーケストラパートに少し改訂を加えよく鳴り演奏効果を高めています。楽器の重ねを増やしたり時には変更も行っていますが、結構大胆ながらもショパンの音楽は損ねていません。通常の伴奏よりも迫力があり、原典版の方が物足りなくなります。

オーケストラパートは序奏からパリ音楽院管弦楽団の古き佳き時代の音がします。弦楽器に濡れた感じとアンニュイが漂い、トランペット・木管楽器は鼻にかかったような人懐っこさがある。そしてホルンの呑気で剣呑なビブラート。それがロンのピアノの音色や表現と見事に調和する。リマスターで明らかに木管楽器と金管楽器の音が突出することなく明瞭になりました。
同じBOXに含まれるギレリスとのサン=サーンスのピアノ協奏曲2番を聴いた時にはミスマッチで残念でした。


ロンのラヴェルの協奏曲。ちょっとこちらはテクニックがきつそうですが。

そしてロンのピアノ。録音時にはもう80近い年齢(1874年生まれ)ですが、昔の輝きと技量を失わない確固とした自分の音を持った演奏です。ミスタッチも少ない。
教育者としても有名でフランソワやアントルモン・ゲルバーなどを輩出しています。

彼女の教えは「曲げた指を高く上げて強く打ち下ろすように」というハイ・フィンガー・テクニックと言われるピアニズム。この弾き方だと真珠のように音の粒が揃うのですが(名手なら)、ロンの演奏にもそれが如実に効果として聴けます。第2楽章後半や第3楽章中間部から後半部にかけて非常に明晰で美麗な音が聴けます。それこそ天上から音が降ってくるような印象をモノラル録音でも感じることができる。

またテンポルバートも結構行っていますが、コルトーのそれと違って歌舞伎役者的な大見得をはる訳でなく、音楽の流れの中でテンポを揺らし膨らませたりするので違和感はありません。しかも絶妙なところでスッとテンポを落とし膨らませたかと思うと、気づけばスッと元のテンポに戻す呼吸感の良さ。ピアノのタッチもエッジも明確ですが、全体として見れば柔らかな印象を残す不思議さがあります。

まさかこんな音でロンの至芸が聴けるとは思っていなかったです。クリュイタンスのおかげかな。こんなに良好なマスターが残っていたのには驚きです。テクニックが巧いとかそういった論議はどうでも良くなるほど、音楽を感じさせてくれる一時をでした。ショパンは滅多に聴きませんが、この演奏はリピートしてしまいます。因みにショパンのピアノ協奏曲第1番はもっと苦手でうるう年単位でしか聴きません。

そんな発見が多いクリュイタンスBOXです。最良のマスターテープから24bit/96khzでリマスタリングされたというのは決して嘘では無い(笑)
タワーさんならこちらから↓
Andre Cluytens - The Complete Orchestral & Concerto Recordings<限定盤>

ラベル:ヒストリカル
posted by 悩めるクラヲタ人 at 19:01| 協奏曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする