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2017年05月28日

ヴィヴァルディ 「四季」 チョン・キョンファ/セント・ルークスco 2000年録音


たまには落ち着きたいです。そんな時に自然と手が伸びるのがこの曲です。誰でも知っているヴィヴァルディの四季です。「春」のアレグロは、どんな人でも一度でも耳にしたことのあるメロディーで、クラシック音楽の中でもポピュラーな名曲の最右翼です。

ヴィヴァルディ ヴァイオリン協奏集「四季
ヴァイオリン&指揮:チョン・キョンファ
セント・ルークス室内管弦楽団



ミュンヒンガーの四季がタワーレコード限定でありますが、聴き比べには面白いです。



ところが、私のCDの棚に「四季」が入ったのは、かなり遅かったです。「春」のメロディーしかあまり頭に残っておらず、そんなに聴きたいと思う曲では無かったので。しかし、フィギュアスケートで「秋」や「冬」を使用する選手が多く、そのフィギュアブームのおかげでようやく棚に入れようと思った次第。

でもイ・ムジチではありきたりだし、素人かと思われるという悪い先入観もあり、某評論家に従ってこのチョン・キョンファ盤を購入しました。(他にも数種類同時期に聴き比べしましたが、残ったのはこれだけ)

いたって普通なイ・ムジチ盤。

はっきり言って、作品全体はメロディアスな曲集ですが、芸術性は高いと思っていません。なので、古楽器グループなどは、手を変え品を変え手練手管の限りを尽くさないと過去の演奏と差別化できず、どうだ違うだろうと訴えるような演奏ばかりで辟易としてしましました。。

その中でチョン・キョンファ盤は、曲の品位を高めた演奏だと思います。草書体ではありますが、凛とした響きで四季を彩っています。やはり、「秋」「冬」の曲群が素晴らしいと思います。奇を衒わず真正面から取組み、曲への思い入れの強さがこの演奏を生んだと思います。




昔は没入型の演奏で知られたチョン・キョンファですが、歳を重ねて落ち着いた中に昔の情熱を封じ込めるような演奏スタイルに変化しました。没入型の時の方が私には魅力的でしたが、この曲には成熟した今のチョンのヴァイオリンの方が相応しい。

メロディアスな作品であるが故に、いろんなスタイルの演奏にも堪え得る作品でもあります。我が家にはもう1枚残った録音があります。ただしLPで。

音が出るのが遅いですが、LPに針を落とすところからみたいなので(笑)ミュンヒンガー/シュトゥットガルトcoの「四季」から秋冬。全く趣の違う楷書体の演奏です。篆書か・・・同じLPです。
今の耳で聴くと無骨過ぎますが、かえってそれが新鮮。この曲を聴いて身が引き締まるのは、この演奏位です。

ミュンヒンガーは3度録音してますが、2度目の録音が一番出来がよい。クロツィンガーの独奏がかちかちしてて好き。ただし、入手難で上の3度目のクルカ盤が一般的。晩年になるほど普通になってしまった。1度目のバルヒェット盤は、今となってはある意味かなり衝撃的。

正直、この曲はいろんなCDを聴いてみて、自分が身を委ねやすいCDを手元に置くのがベストなのではないかと思います。最近は古楽器で即興的な演奏ばかりが流行り。

カルミニョーラ盤など。

ながら聴きにも最適です曲ですが、いろんな響きと表現を楽しむにも相応しい、その日の気分に合わせて手を伸ばすCDを変えることで、クラシック音楽を聴く楽しみを増やすきっかけになればと思う曲です。


posted by 悩めるクラヲタ人 at 19:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 協奏曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月26日

サン=サーンス ピアノ協奏曲第2番&5番 ティボーデ&デュトワ/スイス・ロマンドo 2007年録音


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少しマイナーですが、サン=サーンスのピアノ協奏曲第2番が好きなのは以前ルービンシュタインのDVDで取り上げていますのでご存知かと。新しい録音だとこれもDVDですが、ブロンフマンとザンデルリンク/ベルリンpo伴奏のライブ。これは凄まじく砂埃たつようなブロンフマンの力演。


CDとなるとなかなかいい演奏が無いなぁと思っていた時に、このCDが発売されると知り即購入。演奏者がこの曲に向いていると思ったことと、何せデュトワがスイス・ロマンド管弦楽団を振ってDECCAに録音というのがまず面白い。ありそうでなかった組み合わせですよね。アンセルメの再来とも評されることのあったデュトワがスイス・ロマンド管弦楽団を振るとどのような音になるのだろうという方の興味が強かったです。

サン=サーンス ピアノ協奏曲第5番「エジプト風」
        ピアノ協奏曲第2番ト長調
ピアノ:ジャン=イヴ・ティボーデ
指揮:シャルル・デュトワ
スイス・ロマンド管弦楽団
録音  4.45点   演奏  4.65点


日本語でしか検索をしないと下記のような地獄を見ます(笑)



ピアニストのティボーデに関してはたびたび来日しており、NHK交響楽団との共演も多いです。確かなテクニックと美音、ただそれに溺れず曲想に合わせて変幻自在に音色を引き出すピアニストです。フランス物や現代作品に合った音色だと思います。実際リリースされたCDはそちら系が多い。一番記憶に残っているのは1990年代にN響定期でデュトワと共演した際のラヴェルの「左手のための協奏曲」。今でもあの演奏を脳が覚えている。残念ながら録画したVHS(古い)は行方不明になり今でも心残り。
ひょっとしてコラールとだったか?

サン=サーンスのこの2曲のピアノ協奏曲は華やかでシンフォニックな曲ですが、ティボーデとデュトワはそこに詩的な響きを加えて他の演奏とちょっと違った面を聴かせてくれます。「エジプト風」でのエキゾチックな部分だけでなく、「どうやってこんな響きを?」という音でも驚かせてくれます。ティボーデは色彩豊かで、端正に弾くかと思いきや、ころころ転がるような美音を駆使する場面も作るなどさりげなくクリスタル。また録音が優秀というか、如何にもDECCAというちょっとドライかつ魔術のような録音。全盛期のスイス・ロマンド管弦楽団とアンセルメの録音を彷彿させます。


コンドラシンとチッコリーニで「エジプト風」

曲・作品としては「エジプト風」は少し冗長な感じがします。第2番の方が凝縮されてシンフォニックで聴きごたえがある。コンサートで「エジプト風」が取り上げられることが少ないのもうべなるかな。演奏が難しいこともあるのかもしれませんが。






ギレリスとクリュイタンスの第2番の第2-3楽章。ルービンシュタインの演奏に関しては過去記事で↓
ルービンシュタイン サン=サーンス ピアノ協奏曲第2番

さて気になるデュトワとスイス・ロマンド管弦楽団の共演ですが、モントリオール交響楽団とのコンビと違い角が立った音になってます。モントリオール交響楽団との演奏だと柔軟剤で仕上げたような「ふんわり」した響きが、スイス・ロマンドとだとのりで仕上げた感が付きます。少しモントリオール交響楽団とのコンビより荒いかなという面もありますが、その分ダイナミックで低音部が厚い。そして隈取りがしっかりしている。

スイス・ロマンド管弦楽団はアンセルメ以後あまり目立たないオケになってしまいましたが、しっかりした人が振ると往時の輝きが戻るようです。第2番第1楽章でのたっぷりとして濃密な弦楽器の歌と木管楽器の寂しげな音色はデュトワならではです。

逆にデュトワと仲違いしてしまったモントリオール交響楽団の方が今後心配です。折角デュトワが作り上げた個性を台無しにするような人選にしか思えない。
このCD買ったときには少し期待外れだったかなというのが正直な感想でしたが、ぬ今のシステムでじっくり聴くとそれは間違いでした。ブロンフマンの演奏と比べると方向性が違うので比べること自体が間違いで、ちょっと大きめの音量で聴くとうっとりとさせてくれる録音です。

2007年にしっかりと時間をかけてスタジオ録音されたCDという点でも今となっては貴重な存在なのかもしれません。スイス・ロマンド管弦楽団は今は山田和樹さんが親密な関係ですが、デュトワにもっと振らせてくれないかなとも思います。


posted by 悩めるクラヲタ人 at 21:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 協奏曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月24日

ドヴォルザーク チェロ協奏曲 L・ヘルシャー&カイルベルト/ハンブルク国立o 1960年録音


まさかルートヴィヒ・ヘルシャーのBOXが発売されるなんて。いい耳を持ったレーベルがまだあるんですねぇ。これで再評価されて欲しいチェリストです。

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ドヴォルザークのチェロ協奏曲は、いわずと知れたチェロ協奏曲の名曲ですが、取り上げるCDはかなりマイナーなものを選んでしまいました。チェリストのルートヴィヒ・ヘルシャーの名前を知っていらっしゃる方はどれ位いらっしゃるのでしょうか?綴りはLudwig Hoelscherです。

ドヴォルザーク チェロ協奏曲ロ短調
チェロ:ルートヴィヒ・ヘルシャー
指揮:ヨーゼフ・カイルベルト
ハンブルク国立管弦楽団
1960年 ステレオ録音
録音 4.00点  演奏 4.60点


入手難。ですが、祝リマスター及び再発!BOXですが、即予約しました。
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Ludwig Hoelscher - The Complete Telefunken Recordings


ある本で一番好き嫌いが激しく、あまり当てにしていない評論家が推奨していて、「初期盤LPはコレクター垂涎の的」と書いてあったので、つい調べて買ってしまいました。それまで所有していたいわゆるドヴォコンにあまり満足していなかったので期待も込めて。指揮はカイルベルトだし・・・

意外と廉価でHMVで残り1品を購入できました。演奏は・・・悔しいけどよかったです。戦後に活躍し来日もしているヘルシャーですが、人生の後半は指導に専念したのか1996年まで存命だったにも関わらず録音は少ないです。そのチェロの音はふくよかで馥郁たる響き。両極端のロストロポーヴィチとフルニエを足して2で割ったような音です。気品があり、ここぞというときには分厚い松脂が飛ぶような音を出します。でも力んでもチェロの柔かさと美しい音が保たれているのが不思議です。

しかし、よく歌っているチェロで、あまり男だ女だといいたくはないですが、「渋い男の人の演奏だな」と一聴して思います。デュ・プレの音色は男性的な女性の演奏ですが、それとは違う迫った男気のある音を感じます。第1楽章のチェロの突入するところから、他のチェリストと違います。音の芯がしっかりあって、その周りにふくよかな響きを纏っているとでもいいましょうか。全楽章に渡り、いろんな顔を魅せてくれます。

ドイツの名匠アーベントロートとも録音しています。入手はこちらの方がしやすいですが、モノラル録音なのが残念。


こちらは、アーベントロートと組んだドヴォコンの第1楽章。モノラルです。

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こちらがカイルベルトとの第3楽章の演奏です。

この演奏のいいところは、カイルベルトの指揮に拠るところも大きいでしょう。しっかりと焦らず、フルニエ盤のセルで感じた不満を払拭してくれます。ヘルシャーと響きの統一感もあり見事な伴奏です。曲に民族性を求めなければ十分充実した名演のCDです。両者ともドイツ的な質実剛健な演奏をしていますので。

ヘルシャーは、これも知る人ぞ知るエリーナイとベートーヴェンのチェロソナタを録音しています。こちらもクラヲタでは有名ですが、室内楽には疎い私にはまだ手が伸びません。

追伸:このブログ作成後、買ってしまいました
今回のBOXにベートーヴェンは含まれますが、同様の名演デムスとのブラームスはグラモフォン録音なので含まれません。

渋い音色ですが流美、買って損はしないと思った一枚。エリー・ナイのピアノともども、骨太ながらテクニックで押さない「音楽」を聴かせてくれる。高いですが名復刻です。

このyoutubeを聴いて、アマゾンで探そうと思いました・・・(結局探しました)なんて優美な音色。ナイのピアノも煌びやかかつ闊達。

これらの演奏を聴くと、もっと録音を残してくれていてもと思う偉大なチェリストです。おそらくこのドヴォルザークのチェロ協奏曲やベートーヴェンのチェロソナタのCDは、歴史に埋もれてしまいそうです。勿体無い。もしこのチェリストの音に惹かれた方は、今のうちに入手されんことを。

ハイレゾでという方には、デュ・プレでしょうか・・・指揮が不満ぷんぷんですが。
ハイレゾ デュ・プレ ドヴォルザークチェロ協奏曲
posted by 悩めるクラヲタ人 at 22:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 協奏曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする