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2017年11月11日

ショスタコーヴィチ 交響曲第5番「革命」 ムラヴィンスキー/レニングラードpo 1978年ウィーンライブ


ショスタコーヴィチの交響曲第5番「革命」を初めて聴いたのは、バーンスタインの指揮した来日公演のライブ録音でした。ニューヨークpoとのLPです。

まだまだショスタコーヴィチの音楽に慣れていない高校生には一番とっつきやすく、特に第2楽章と賑やかに終わる第4楽章に魅了されました。特にバーンスタインの演奏は、旧盤でもそうですが、テンポが速く突進して終わりますので興奮してコーダを何回も繰り返し聴いたものです。

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悪名高きLPのジャケット。「未完成」が聴きたかったが、BOXのみの販売でしかも高価。にもかかわらず音質劣悪で歴史に葬られたLP。

その後、ショスタコーヴィチと言えばムラヴィンスキーと知り、当時手に入り易かったメロディアのモノラル録音を聴いて驚くことになります。同じ曲でこんなに印象が異なるものかということと、よく話題になるコーダのテンポの遅さです。それまでムラヴィンスキーの演奏は「ルスランとリュドミラ」や「フィガロの結婚」序曲、ベートーヴェンの第4番などで聴いていたので、基本テンポは早い指揮者だという認識でしたのでこのコーダのテンポにはかなり面喰いました。どちらのテンポが正しいのかはいまだにわかりませんが、今の私にはその風格漂うテンポの方が似つかわしいと思えます。

ショスタコーヴィチ 交響曲第5番「革命」
指揮:エフゲニー・ムラヴィンスキー
レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団
1978年 ウィーンでのライブ録音
録音 4.0点  演奏  4.40点

※マスターテープに起因するヒスノイズは多めですが、変なノイズ処理されるより好ましい。


ご存じのとおりムラヴィンスキーはこの曲の初演者でもあります。一家言ある演奏です。複数の録音が残っていますが、一番音質と演奏ともに優れていてお勧めしやすいのは、1973年に来日した際NHKが録音したライブ録音です。幻の巨匠初来日の記録であり、聴衆の息を殺して耳を傾けている緊張感と最後の興奮する歓声が記録されています。


ここでなぜウィーン・ライブを?と思われでしょうが、以前に発売されていたひどい音質がリマスタリングで鑑賞に堪える音質になったことと、会場がムジークフェラインということで同曲異演の多いこの曲でも響きが違うからです。基本即物的でソリッドな響きが特徴のこのコンビですが、響きの豊かなムジークフェラインで演奏したことによりマイルドな響きを感じとることが出来るCDです。弦楽器に艶が感じられ、金管楽器もホールに轟くというよりも広々と響き渡る感じです。

ムラヴィンスキー夫人秘蔵のテープからの復刻ですが、元々が適正なマイク位置ではなかったため輪郭が甘い・弱音が弱すぎるなど少しバランスに問題有りの録音です。ただそれはマイク位置の問題だけではないような気がします。リマスタリングされたものを聴くと、実際の会場ではこれに近い響きだったのではないかと思われます。


東京文化会館やモスクワ音楽院ホールの響きと全くことなるホール特性ですから。今までの使用ホールと録音方式は、ムラヴィンスキーの特徴を強調しすぎる傾向にあっただけではないか、実はレニングラードpoは芳醇な響きを持っていたオーケストラでもあったと思わせる演奏です。トスカニーニとNBC交響楽団みたいですね。

演奏内容は初期の頃から基本解釈は変わらず、肺腑を抉るかのような低弦楽器のうねりから、第3楽章の禁欲的ながら幽玄な響き、一変して突撃する第4楽章に入り踏みしめるように勝利を謳歌するコーダ。ムラヴィンスキーの解釈に迷いはなく、発せられる一音一音に明確な意思がありつけ入る隙間が無い解釈です。コーダはもう少し芝居っ気があっても(最後のティンパニと大太鼓のダン・ダン・ダンでテンポを少しだけ遅くするとか)と思いますが。あと拍手がカットされているのは残念。LPには収録されていたそうで、この演奏にウィーンの聴衆がどう反応したか耳にしたかったです。

来日した際のライブ録音はまた取り上げると思いますが、レニングラードpoとムラヴィンスキーの少し違った一面・響きを味わうことのできるCDも珍しいので。えっ同じコンビで同じホールでチャイコフスキーの第4番を録音しているじゃないか?と言われそうですが、私にはあの録音よりこちらの方がマイクが雰囲気を捉えていると思います。(音自体は少し捉え損ねているかもしれませんが)

※「未完成」がカップリングで悪い演奏ではないですが、こちらは大阪ライブの方がいい演奏です。過去記事↓
シューベルト 交響曲第8番「未完成」 ムラヴィンスキー・レニングラードPO 1977年来日ライブ




posted by 悩めるクラヲタ人 at 21:25| Comment(0) | 交響曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月30日

サンサーンス 交響曲第3番「オルガン付」 小林研一郎/チェコpo 1996年録音


小林研一郎さんは、一時は知る人ぞ知る指揮者でしたがCANYON及びEXTONレーベルがCDを制作するようになり有名になりました。ハンガリー国立交響楽団を長きに渡り率いている実力もあり、1990年代にはチェコ・フィルとも密接な関係にありました。日本国内で有名になったのは、評論家某広報のおかげもあります。
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元々好きなレパートリーを繰り返し演奏する指揮者で、自信のある曲しか振らない主義で今もそれはあまり変わりはありません。「燃えるコバケン」の名前を轟かせましたが、同曲異盤のCDを量産し過ぎたせいか、ファンも少し食傷気味で人気も下火かと。私もCDを購入しなくなりました。結構中古屋にも逝きました・・・残っている中で一番のCDはこれです。

サンサーンス 交響曲第3番ハ短調「オルガン付」
オルガン:アレシュ・バールタ
指揮:小林 研一郎
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
1996年 スタジオ録音
録音  4.50点   演奏  4.50点


廃盤みたいなので、中古で上記AMAZONから入手できます。高くないかい。

曲についてはパイプオルガンが編成に入っている珍しい交響曲。前半は荘厳な響き、後半は一転壮麗華麗な曲でコーダも派手でコンサートで演奏されれば、必ず盛り上がる曲です。ただ、如何にもロマン派交響曲で、外観はいいが中身は薄いという感じが残り、それ程名曲だとは個人的に思っていません。悪い曲ではないですが、メロディアスで賑やかな印象しか残らないので。

この曲を知ったのは、この小林研一郎指揮のコンサートで生で聴いたからです。その時は非常に興奮し、通常アンコールの無い定期演奏会でコーダの部分をアンコールで演奏するという異例の盛り上がりでした。今でも記憶に残るコンサートの一つです。燃えるコバケン絶好調でした。(オルガンは残念ながら電子オルガンでしたが)

このCDは、同時期のスタジオ録音でライブに比べ大人しく聴こえますが、録音もオーケストラの技量もよく何度も聴くには相応しい出来です。この曲もこのCDさえあれば、もう他は要らないと思って新譜が出ても買おうとはしません。小林研一郎は名古屋フィルと再度CDを出していますが、これより素晴らしいとは思えないので購入の検討にも上がりませんでした。


録音についてですが、優秀録音としていますが、好き嫌いがあると思います。私も少し微妙な立ち位置。プロデューサーの江崎氏の録音はホールトーンを豊かに取り入れる方向で、各楽器の定位をしっかりと捉える音作り。金管は伸びてきますが、各楽器の音は少しマイルドに感じます。実際のライブの音はそのようなものだと思いますが、DECCAフィロソフィーのようなレコード芸術として考えると少し物足りない気もします。しかし曲をしっかりと堪能させてくれる点では安心して聴いていられる音作りです。

しかし、最晩年の朝比奈同様、同曲異盤を制作し過ぎ。よく吟味してリスナーに提供しないと、リスナーも逃げていくような気がします。小林氏の演奏もCDを多く制作・企画してくれたおかげで、新しいレパートリーにも取り組んでくれたのは嬉しいですが、結局いつの間にかルーティンな曲ばかりに。そりゃ飽きますよ。年齢を重ね、燃え方も昔ほどではなくなり、では音に深さが備わって来たかというと?なんです。いつもの常套手段ばかりで少し魅力も無くなってきたような気もします。

レコード制作を慎重に吟味して行っていれば、そうはならなかったと思うのですが・・・需要と供給のバランスが上手くいかず、演奏家の成長もそれに対する質を維持するのが上手くいかなかった好例かと思います。
今でもコバケンはいい指揮者ですが、乱発されたCDのおかげで市場価値が下がってしまったような気がします。

これは全体的にいい演奏で熱演なのですが、評価が低い。うねるようなテンポから始まるブラームスのハンガリー舞曲5番だけでもお釣りきます。

レコード芸術とは、やはり昔のようにプロデューサーと手を取り合い、録音・選曲にも慎重に行い、市場に出していいか吟味して欲しいと思います。でないと演奏家も育たない。このCDのように優秀録音で名演奏にも関わらず廃盤で中古でしか手に入らないなんて本末転倒のような状況は悲しい限りです。

この素晴らしいマーラーの第9も忘れ去られてしまっている。e-onkyoでこのマーラー含めハイレゾ音源が結構ありますが、昔のコバケンは少ないのが残念。
ラベル:優秀録音
posted by 悩めるクラヲタ人 at 23:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 交響曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月20日

ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」 アバド/ベルリン・フィル 2002年ライブ


ドヴォルザークの交響曲は第8番の方が手持ちCDが多い。第9番「新世界より」はDVDで持っている方が多い不思議な因縁のある曲です。ということでDVD(ブルーレイでも出てます)で。

ドヴォルザーク 交響曲第9番ホ短調「新世界より」
指揮:クラウディオ・アバド
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
2002年 パレルモでのライブ録音



アバドはCDでもこの曲を録音していますが、このDVDの演奏よりかなり落ちます。
(そう、売却済みです)この映像はBSで見て、病後のアバドの痩身に驚きましたが、それより驚いたのがアバドが一層元気な演奏をしたことです。DVDで発売されることを心待ちにしており、発売後すぐに入手しました。

特にこのヨーロッパ・コンサートの「新世界より」は、最新の録音の中ではずば抜けていると思います。前半はいつものアバドですが、この曲とアンコールのヴェルディ「シチリアの晩鐘」序曲は圧巻です。


第1楽章からオーケストラから見事なカンタービレで聴かせます。タクト捌きでもわかりますが、アバドがかなり力を込めて演奏に臨んでいます。その気迫に押されてベルリン・フィルも見事に応えます。アンサンブルが素晴らしいことは言うまでもないのですが、そこに叙情的でありながらも鳴らすべきところは圧倒的で有機的な響きを生み出しています。
そこに絶妙なカメラワークとパッシモ劇場の美しさが加わり見る者を魅了します。

楽章が進むにつれて、アバドもオケも熱を帯びていくのがわかります。第4楽章は付け入る隙もないような流れで最後のコードに突入しします。壮絶に鳴りきったオーケストラの中から聴こえるトランペットの第1主題は、ドヴォルザークの阿鼻叫喚。ここまで燃えるアバドは珍しいです。

この演奏を聴いて同コンビのCDを購入したのですが、結果は残念。燃えていなかったですね・・・


手元にあるのでお気に入りのCDは、入手難ですがスメターチェクのライブと、シルヴェストリとNHK交響楽団のライブ。

この2種は、かなり個性的で癖のある演奏です。有名なケルテス/ウィーン・フィル盤は残念ながら廉価LPで所有。LPで聴いてしまうと、CDには手が伸びない・・・
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スメターチェクの新世界。アゴーギクが凄い。CDはかなりレアで入手難です。

ヤフオクで結構苦労して入手したのですが、AMAZONにあるんですねぇ。検索力があがったのか。

アバドの演奏はストレートで癖は無いですが、久しぶりに彼がイタリア人だったなということを思い出させてくれる名演奏です。


不思議とSACD化やリマスタリングし直しました!が進まないケルテスの名盤。そもそもの録音がいいからかもしれません。

posted by 悩めるクラヲタ人 at 23:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 交響曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする