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2018年06月26日

シューマン 交響曲第3番「ライン」 ジュリーニ/ロサンゼルスpo 1980年録音


シューマンでの交響曲をジュリーニの指揮で。第4番も演奏して欲しい指揮者でした。取り上げる演目選定に厳しかったジュリーニのレパートリーには最後まで入らなかった。

この「ライン」には映像も残っているみたいで。商品化されないのだろうか?
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しかし、本当にかっこいい。指揮姿は痩身長躯で基本タクト横に力いっぱい振り回す。

シューマン 交響曲第3番変ホ長調「ライン」
指揮:カルロ・マリア・ジュリーニ
ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団
1980年 スタジオ録音
録音 4.25点  演奏 4.75点

※カップリングはベートーヴェンの「運命」

ベートーヴェンの絵ですが、シューマンも入っています。


シューマンの交響曲は4曲(番号つきのものに限る)ありますが、4番→3番→2番→1番の順に好きです。この「ライン」は4曲の中では、一番明るく楽しい旋律に溢れていて聴きやすい交響曲です。2番と4番は暗いですからねぇ。シューマンのオーケストレーションでは鳴りにくいため、通常はマーラーが手を加えた版を下敷きにした演奏が多く、この演奏もそうです。

この曲のCDは、ジュリーニ/ロサンゼルスpoがあれば十分と思って、他のものに手を出していません。ジュリーニのレガートへの偏愛がこれほどはまった演奏もないでしょう。手持ちのジュリーニのCDは多いですが、彼の数多い(同曲異演が多いですが)ですが、ベスト1はといわれたらこのCDを躊躇なく選びます。ロサンゼルスpoの明るい響きもこの演奏には+に働いています。カップリングの「運命」では−に働いていますが。(でもいい演奏ですよ)



ジュリーニ晩年に特徴的な超スローテンポになる前で、第1楽章第1主題から明るい響きで軽快に始まります。とはいっても通常の指揮者よりはゆっくりですが、低音部もしっかり弾むように演奏させることで前進性が感じられ、演奏時間ほど遅くは感じません。これがウィーン・フィルだったらもう少し重く感じるでしょうが、ロサンゼルスpoの軽めの音調で救われています。そこが後年の演奏と違います。

第3楽章もしっかりと管楽器・弦楽器がレガートを徹底して、流麗に歌いぬいています。無骨で豪華に鳴らすべきところは鳴らし、歌うところは徹底的に歌いぬく。ロマン派の交響曲の演奏のお手本のようです。第4楽章も各楽器を強めに演奏させて、ハーモニーを強調させて各フレーズを堪能させてくれます。分厚い響き。しかし、もたれない。荘厳で悲劇的な旋律なのですが、ひたすら美しい。

ジュリーニの映像って探すと意外とあるので驚きます。

第5楽章はそれまでの総決算。ホルンが大活躍し、それにオーケストラが一丸となって呼応し盛り上がっていきます。コーダの処理も見事で、聴き終えたときには心地よい満足感を得られます。重厚で安定感たっぷりの演奏なので興奮する演奏ではないのですが、なぜか深い高揚感に包まれます。

ジュリーニは本当に愛された音楽家でした。このロス・フィルの音楽監督に迎えられたときも、「音楽に関してのみ携わればいい」という異例の条件でした。普通は経営・人事権などが託されます。ロサンゼルス・フィルも彼に信頼を置いて楽しみながら演奏しているのが、残されたCDや上記映像を見てもわかります。このころにはもう限られたレパートリーしか振らない主義だったにもかかわらず、よく何シーズンも乗り切れたなと思います。

ジュリーニの残したCDは、いろんなBOXで廉価販売されていますが、一番優れたBOXはあまり売れてないみたいですが、イタリア・グラモフォンの編集した「Art of Carlo Maria Giulini」で私は全て売って買いなおしました。このBOXにあとドヴォ8が入っていたら最高でしたが。

国内廉価の単売CD買う位ならばこちらをお薦めします。彼のベスト演奏が詰まっています。

ジュリーニの2番目のお薦めCDは?これは海賊版でベートーヴェンの第9。ヤフオクで入手した1992年のシュトゥットガルト放送交響楽団とのライブで、ベルリン・フィルとの演奏よりいい。マニアですし、かなり入手難ですが・・・

posted by 悩めるクラヲタ人 at 21:50| Comment(1) | TrackBack(0) | 交響曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月24日

シベリウス 交響曲第5番 ベルグルンド/ヨーロッパ室内管弦楽団 1996年録音


シベリウスの音楽は私にとって、クラシック音楽鑑賞歴30年以上経ってようやくその良さがわかってきた作曲家です。有名な交響曲第2番もあまり好きではなく聴きません。第7番の方が個人的には好きですが、それ程聴くというわけでもありませんでした。その扉を開けてくれたのは、2016年にNHKで放送されたエサ・ペッカ・サロネンとフィルハーモニア管弦楽団の来日公演。第2番でも第7番でもなく、交響曲第5番の演奏を聴いてようやく開眼した次第。
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棚には昔から世評高いベルグルンドとヘルシンキ・フィルとの全集は手元にありましたが、正直あまり聴いていませんでした。サロネンの演奏を聴いてベルグルンド盤を聴きやはり素晴らしいと感慨一入。なぜ今までこの良さがわからなかったのか。欲が出てベルグルンドの再々録音となるヨーロッパ室内管弦楽団のCDを慌てて探し購入。ヘルシンキ録音も捨てがたいですが、よりいい音でということでヨーロッパ室内管弦楽団との演奏の方を。

シベリウス 交響曲第5番変ホ長調
指揮:パーヴォ・ベルグルンド
ヨー
ロッパ室内管弦楽団
1996年 スタジオ録音

録音 4.50点 演奏 4.65点




それまではムラヴィンスキーの録音が残っている凄演の交響曲第7番が一番よく聴く交響曲でしたが、サロネンとベルグルンドのおかげで今は第5番が一番好きな交響曲になりました。シベリウスの交響曲というと「静寂・旋律不明・透徹曖昧」というイメージでしたが、聴きこむうちにガラリと印象が変わりました。

第1楽章から木管楽器楽器が活躍し、風に揺れる草原(弦楽器)の上をひらひら舞う小鳥や蝶を思い出します。牧歌的と言われますが、草原に陽(金管楽器の音)が当たっているような明るい音の変化が印象的です。ただし寒空です。それをベルグルンドが透明度高く演奏しています。ヘルシンキpoとの録音より楽器数が減っているため迫力は減じていますが見通しが良くなり、録音もクリアなことからオーケストラから引き出される音がダイレクトに耳に届きます。

第2楽章は弦のピチカートで純度が高く結晶化された音の世界。森羅万象という言葉が相応しい。昼の草原、日差しが眩しすぎて、小動物たちも休憩している草原の凪状態を表しているよう。よい演奏、そしてよい録音で聴かないと良さが伝わってこないと思います。醸し出す雰囲気、余韻が伝わってこない。ベルグルンドのCDは、室内管弦楽団を使用しているので、音が楽器同士で混濁することなく演奏効果抜群です。


ヘルシンキpoとの旧全集も素晴らしい。編成が大きいため音楽の広がりはこちらの方がいいかも。気分で聴き分けています。ヘルシンキとの全集の第7番のコーダなどは本当に深淵で触れてはいけない領域に立ち入ってしまったかのような錯覚に襲われます。シベリウスが交響曲第8番を書いたものの暖炉に楽譜を捨てて焼いてしまった気持ちも分からなくもない。

寄り道から戻り第5番の第3楽章では、また第1楽章の明るさが戻ってきますが、中間部では2階の奥の席では聴こえないのではないだろうかという超ピアニッシモに静まり返り聴き手の集中力を高め、その後徐々にスケールを増して再現され壮麗ではあるものの賑やかでうるさくならない圧倒的なコーダで締めくくる。まさに大地が大きく呼吸するように大きく膨れ上がっていきます。楽章を通じ、弦のトレモロが吹く風の強弱を表すかのように、常に低廻しています。楽章通じて流れる神秘的な雰囲気を80%の力で演奏することにより、ベルグルンドは巧みに音化しています。


これもいい演奏です。力んではいけない難しさ。

いつまでも続いて欲しいと思う音響の世界は、最後のコーダで晴れる寸前まで膨れ上がりますが、6つの休符を挟んだ和音で寸断されます。終わってしまうのか・・・と残念な気持ちにもなりますが、この終わり方でないと終わらないな・・・と感じさせてくれる終結です。

この部分の休符は、マゼールみたいにテンポを粘るだけ粘り、最後もこれ見よがしに溜めて間を長くし過ぎると、一気に人間の音楽に成り下がってしまい興ざめします。昔バイエルン放送交響楽団との来日公演で、マゼールが同曲を取り上げた際にTVで見た時には完全に休符で音楽が止まってしまっていた。「君たちまだだぞ、待て、よし!」と言わんばかりの振り方で(笑)

youtubeにあった・・・その為、長らくこの曲の良さに気づけないことに。やはり、夢見心地の気分を残すために適度な(楽譜通り)の間が良いですね。

まだまだシベリウスに関しては、全てを理解できていないのが本音。第4交響曲にはおいそれと手が伸びない。でも、この交響曲とベルグルンドの演奏によりかなり扉を開けられた気がしています。ブルックナーとは違う聴き方、身の委ね方が必要なのかもしれませんね。

posted by 悩めるクラヲタ人 at 22:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 交響曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月20日

シューマン 交響曲第4番 クナッパーツブッシュ/ウィーンpo 1962年ライブ録音


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クナッパーツブッシュのライブ録音の中で一番音質もよく、演奏も優れているのはこの日の演奏会の記録だと思います。このCDのおかげでR・シュトラウスの「死と変容」、そしてシューマンの交響曲第4番は他のCDに浮気することはありません。

シューマン 交響曲第4番ニ短調
指揮:ハンス・クナッパーツブッシュ
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1962年のライブ録音
録音  3.75点   演奏 4.75点

※カップリングはR・シュトラウスの「死と変容」。
これもカラヤンとは同次元で語ることはできない名演。




ずっと音の悪い(まだましな方でした)海賊版で聴いていましたが、ALTUS盤は当時の録音としては十分すぎるほどよい。フルトヴェングラーの演奏もよい歴史的名盤ですが、この抉りの深さを聴いてしまうと駄目です。当然アンサンブルはスタジオ録音のフルトヴェングラー盤が上で、このライブ録音は結構乱れがあります。かなり録音もデッドなので、それも目立つ。しかし深いチェロの抉りなど深遠なる所から這い出てくるような第4楽章の開始部分は末恐ろしい。

この演奏の凄さも認めますが・・・しかしいい音だな。

昔、この日の演奏会記録はハイドンの第88番とともにKINGから発売されていましたが、残念ながらカットされています。音質はかなり劣ります。

これだけいい音で演奏記録が残っているのだから、映像もあるのではないかと勘ぐってしまいます。

これはミュンヘン・フィルとの録音かな。

この曲はクナッパーツブッシュのお気に入りようで、複数の録音記録が残っています。基本的な解釈は変わっていませんが、このウィーン・フィルとの演奏が録音状態とオーケストラの音色の魅力もあり一番です。拍手が鳴り止まぬ中演奏を始めてしまうところは、さすがはクナです。しかしこの演奏、チェロとヴィオラ、そしてトロンボーンの音が素晴らしい。しかも録音が鮮明にそれを捉えてくれています。





第2楽章の古雅で、どこか寂寥感漂う響きが、やはりウィーン・フィルでないとと思い知らされます。

録音状態が違うので、比較は難しいですが。ALTUSはもっといい音です。

全体を通してかなり遅いテンポで演奏していますが、全く遅いと思わせない深い呼吸は見事です。これだけの遅いテンポでも弛緩することがなく、各セクションがしっかりと歌いきっています。シューマンの交響曲はオーケストレーションが上手くなく、鳴りにくいといいますが、クナの演奏を聴くとそうは思えません。

ちょっとだけピッチが高いか?

第4楽章コーダでは、トロンボーンが咆哮しています。お待ちかねクナの足音一発から(テンポはそのままで、響きがぐっと深くなる)の一気に終曲。咆哮するトロンボーンもそうですが、低弦の地を這うような音。どうすればこんな音をオーケストラから出せるのか、不思議です。しかも上品なウィーン・フィルから。

ある本で日本のオーケストラ奏者がこのCDを酷評し、「双方にとって不名誉な録音」と書いていましたが、ウィーンpoがここまで指揮者のやりたい音楽にずれながらも必死に「音楽を仕上げる」ことは稀有じゃないでしょうか?


同日に演奏された「死と変容」も他の指揮者とは次元が違います。最後の弦で歌われる変容のテーマのヴァイオリンの絶唱。アンサンブルが少しずれることが、逆に咽び泣くような響きとなります。最後の和音も天空から降りてきたような音。これは、また別の項で。

シューマンの交響曲の中では地味で暗い曲ですが、そこを逆手にとって抉りに抉った演奏です。ちなみにこの演奏のおかげで、他のシューマンの交響曲(特に1番「春」)とかは苦手になってしまいました。この記事で、少し聞き比べてその面白さを知っていただければと思います。



こちらは録音と演奏、オーケストラの響きが全体的に地味ではあるが、渋味のあるシュターツカペレ・ドレスデンとのライブ。持ってます。病気ですね。当時の西側の雰囲気が漂います。

このCDの両曲はフルトヴェングラーも得意にしていた2曲です。この二人とこの2曲、何が共通しているのでしょう?
クナッパーツブッシュ入門には、タワーさんの独自企画で外れはない。
“VINTAGE COLLECTION +plus”特別編 没後50年「ハンス・クナッパーツブッシュの芸術」Vol.1
VINTAGE COLLECTION+plus特別編〜没後50年ハンス・クナッパーツブッシュの芸術Vol.2

posted by 悩めるクラヲタ人 at 18:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 交響曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする