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2017年07月21日

ラヴェル 「ボレロ」 シャルル・デュトワ/モントリオール交響楽団 1981年録音


再録音を期待する想いで。デュトワは、ボレロを宮崎国際音楽祭管弦楽団やNHK交響楽団などと頻繁に演奏していました。その演奏会は、NHKで放映され、下のモントリオール交響楽団との演奏よりも音のパレットが増えた感じの素晴らしい演奏でした。
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それらの演奏は音の厚みはましてダイナミックになりましたが、モントリオールとの録音のような香りをまでとはいきません。しかし、それらの演奏も「こんな日本のオケからも、こんな音が出るのか」と短期間で仕上げるデュトワの手腕には感心の一言。そんな若く見えるデュトワももう80歳とは信じられない。

ラヴェル 「ボレロ」
指揮:シャルル・デュトワ
モントリオール交響楽団
1981年 スタジオ録音
録音 4.50点  演奏 4.55点



発売当時、「フランスのオーケストラよりもフランス的な音色をカナダのオーケストラから紡ぎ出した」と騒がれたと同時に「録音の魔術だ」とも言われた演奏。録音時期がまだこのコンビが注目され始めた頃の録音です。以前に紹介したゲルギエフやムーティの演奏と違い色彩感豊かな演奏。今思えばラトルとバーミンガム市交響楽団も奇跡ですが、デュトワとモントリオールの起こした奇跡の方が後世にレコード芸術としての功績は大きい。

フランスの香りが現代の響きと融合された演奏です。おぉ久しぶりに本当のラヴェル、これぞエスプリと快哉を叫んだ人も多かったですし、私もその一人でした。アゴーギクに頼らず、各奏者の音色を徐々に重ね合わせていく音色の方向性の統一感で聴かせる。ラヴェルに必要なちょっとふんわりとして少し鼻にかかったような曖昧さ、しかしいざというぐっと眼前にオーケストレーションの匠を見せつける。まぁなんということでしょうの一言。それをさらっとしれっとあざとさなくエスプリを感じさせてくれる演奏。

そしてその良さを捉えた録音の良さ。解像度の高さや明晰さだけが名録音ではない。モントリール交響楽団はデュトワに鍛え上げられたと言っても、決してベルリンやシカゴに比べ名プレーヤーのオーケストラではない。しかし、音楽に必要なのは巧さだけではないということを教えてくれる。

意外と知られていないこのコンビ晩年の優れたフレンチ音楽の魅力が詰まったCD。「魔法使いの弟子」とイベールの「ディヴェルティスマン(喜遊曲)」が名演。私はスーパーアナログで所持してますが、本当にいい音色でいい仕事していましたね、当時のDECCAとこのコンビは。

この後、さらにデュトワは進化を遂げていくのですが、どのレーベルもデュトワでのラヴェル作品集に触手を伸ばさない。この名CDが邪魔しているのでしょうか。このコンビの最盛期の映像を見ると、「再録音すればさぞかし・・・」と思わせるに十分です。

R=コルサコフのシェヘラザードですが、アンセルメとは違う!と録音の魔術だという吹聴を一蹴した実演。。
残念ななことに、モントリオール交響楽団とは何故か袂を分けてしまいました。まぁナガノの下の同楽団を指揮しても往時の輝きは・・・・

デュトワはよく来日してくれるのはいいですが、最近は伴奏位でしかCDが出てこないので残念です。どこかの自主レーベルが動いてくれるのを期待するのみです。デュトワと日本はよほど相性がいいのか、ラヴェルの名演奏をよく繰り広げてくれます。

かなり昔フィリップ・コラールと演奏したNHK交響楽団との「左手のためのピアノ協奏曲」(但し1回目)、宮崎国際音楽祭での「マ・メール・ロワ」など記憶に残る演奏がたくさんあります。両者とも今でもこの演奏を超える演奏はないなぁと感嘆してしまう・・・「マ・メール・ロワ」は何度も録画したDVDを見てます。

終曲「妖精の園」の神秘的な響き。日本が誇る名コンサートマスター 徳永さんのリードが素晴らしいのもあるでしょうが。魔法がかった最後の鄙びたなびくような音と言ったら。

そういった最近のライブ演奏が、まとめてパッケージ化されることを渇望しているのですが。N響との「エレクトラ」とか。

こんな風に名コンビの演奏が廉価になったのは嬉しいことですが、それよりもいいオーケストラと新録音を遺してほしい。もうデュトワも若くないのですから。今は英国 ロイヤル・フィルの首席指揮者ですが、ロイヤルではどのレーベルも録音しないでしょうし、自主レーベルもあまり期待できない。もっと彼にいいオーケストラを。

この伴奏が最新録音になるのかしら。何度この2曲の伴奏をやらされていることだろう。それよりもラヴェルを再録音してほしい・・・

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2017年07月18日

「クナとVPOによるポピュラーコンサート」クナッパーツブッシュ/ウィーン・フィル 1960年録音


クナッパーツブッシュの遊び心に溢れたポピュラー音楽集。クナッパーツブッシュが楽しみ、楽員と駆引きしながら名曲を愛でるように演奏しています。残念ながら正規メーカーでは廃盤。チャイコフスキーでは涙しそうな場面もある異色なポピュラー音楽の名盤なのに。

市原悦子さんが読む「まんが日本昔ばなし」のような、ゆっくりと読み聞かせてくれるチャイコフスキーの「くるみ割り人形」組曲とでも言いましょうか。ポピュラーな曲ですが、他の指揮者では成し得ることのできない、何とも含蓄のある演奏になっています。ウェーバーの「舞踏への勧誘」は、チェロのソロが絶品です。「大人向け(マニア向け?のポピュラーコンサート」と題するのが正しいのかも。

チャイコフスキー バレエ音楽「くるみ割り割り人形」組曲
シューベルト   軍隊行進曲
ウェーバー    舞踏へ勧誘
ニコライ     歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲
指揮:ハンス・クナッパーツブッシュ/ウィーン・フィル
1960年 DECCAのスタジオ録音
録音  4.20点   演奏  4.65点

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クナッパーツブッシュ ポピュラー・コンサート タワーレコード限定
これもタワーレコードが独自企画で、よい音で復活してくれました。


「重すぎる」「鈍重」とも思えるかもしれませんが、DECCAの名録音が冴えわたり、当時のウィーン・フィルの首席奏者の闊達で洒落っ気たっぷりの音色が味わえます。ただし、噂ではほぼリハーサル無しだったためか、アンサンブルには綻びがありますが、これも味となってします。手探り状態で始まる序曲。ご愛嬌。

全曲を通じて巨像が躍るかのような雄大なテンポ、チェロの独奏部分と合奏部分の意味深さと音色、革張りのティンパニの強打、管楽器のソロが印象的です。「舞踏への勧誘」の最後のチェロのソロ部分、舞踏会を去る寂寥感が漂ってきます。

クリュイタンスと比較してみましょうか。


昔からこのアルバムは好きで、メーカーのCDの音に満足できず、初期盤LPも探し今は手元にあります。残念ながら英DECCAのSXL盤ではなく米LONDONのCS盤ですが、カッティング及びプレスは英DECCAで行い輸出販売されていたものなので、ジャケットの派手派手しささえ我慢すれば比較的安価でSXLと同じ音質で聴けます。手元にあるのは盤質もよくターンテーブルにのる機会が多い盤です。(フラット・厚盤・ブルーバックです。マニアックですね。絶対に売らない!)

ただこのアルバム、A面にチャイコフスキーの組曲が収められているのですが、花のワルツの最後がLPの内周部に当たりどうしても音質が悪くなる。最後の盛り上がりのffで音がつぶれてしまうのですよね。実際に板起こしで発売されているこのアルバムも、同じような感じになっています。

すでに入手難。

その点、メーカーのCDはオリジナルテープからCD化されているため、その音つぶれがありません。それ以外の部分では、板起こし盤が優れている点も多いです。でもタワーのCDは、ハイビット・サンプリングで出来はよいです。タワーさんのいい仕事。
“VINTAGE COLLECTION +plus”特別編 没後50年「ハンス・クナッパーツブッシュの芸術」Vol.1
VINTAGE COLLECTION+plus特別編〜没後50年ハンス・クナッパーツブッシュの芸術Vol.2

これが1,000円ちょっとで入手できるのですからいい時代ですね。(LPはその何倍かはする変な時代でもありますが)


騙されたと思って耳を傾けて頂きたいCDです。前のクナッパーツブッシュ/ウィーン・フィルのベートーヴェン第7は、比較的オーソドックス(しかし凄演・爆演)な演奏でしたが、この演奏は彼の異端なところが良い音質で感じることができると思います。

昔は苦労したクナッパーツブッシュの蒐集。中古レコード屋を駆け回らくても、清水に飛び込まなくても、「こんな録音もあったの?」という位、veviasが廉価BOXでまとめてくれています。すでに廃盤の録音(クナッパーツブッシュ 伝説の1963年ミュンヘンでのブル8ライブ録音)などから上記定番CDまで高水準の音で彼の軌跡と奇跡が追えます。
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Hans Knappertsbusch The Collection Vol.3 - Wagner, Beethoven, Brahms, etc
Amazonは最近veniasレーベルには逃げ腰?

posted by 悩めるクラヲタ人 at 19:03| Comment(0) | 管弦楽曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月16日

ラヴェル スペイン狂詩曲  クリュイタンス/パリ音楽院管弦楽団 1962年録音


クリュイタンスのラヴェルです。「スペイン狂詩曲」は、第4曲「祭」以外はラヴェルの曲としては音数が少ないものの、全曲を通じて感じるノスタルジックな雰囲気にオーケストラ独特の音色が絡み合うと俄然輝きと色気を増す魔法のような曲です。そうなるとクリュイタンスとパリ音楽院管弦楽団。弦楽器の色気と木管楽器の土臭さ、金管楽器のフレンチ・ビブラートが生き生きと活躍します。

ただ世評の高いEMI録音は昔から日本盤の音が悪く、まだモノラルながら来日公演の「ラヴェルの夕べ」のほうが音がよく捉えられており、そちらのほうを手に取ることが多かったです。veniasレーベルからの復刻多少よくなった感じでしたが、やはりフォルティッシモで音が濁りがちで完全には不満が払拭されませんでした。
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ようやくEMIがというよりワーナーが重い腰を上げ、「オリジナル・マスターテープより、24bit/96kHzリマスター」した、アンドレ・クリュイタンスがEMIに残したオーケストラ録音を網羅するBOXを発売。何度もこの曲を録音しており比較も楽しいですが、音はヴェールが一枚はがれたようになり、パリ音楽院管弦楽団の色香がやっと感じれるようになったかと。

やはり「祭」のように音数が多いところになると当時のEMI録音の限界と鮮明さが増した分アンサンブルの粗さ(特に「ボレロ」)もわかるようになってしましました。まさにフランスの音の洪水、ご馳走のような演奏です。しかし「マ・メール・ロア」「ダフニス」「クープランの墓」「亡き王女のためのパヴァーヌ」などは。それを乗り越えその独特な間と音色に酔いしれてしまします。

ラヴェル スペイン狂詩曲
指揮:アンドレ・クリュイタンス
パリ音楽院管弦楽団
1962年 スタジオ録音
録音 4.35点  演奏  4.60点


タワーレコードで大体10,000円で買えます。
Andre Cluytens - The Complete Orchestral & Concerto Recordings<限定盤>

veniasは入手難に。


第1曲「夜への前奏曲」からヴァイオリンの霧の中、フランスの癖のある管楽器が鳴いています。当時のフランスの楽団はフランス式の楽器なので明らかに音が軽いというか浮遊感があり独特です。もう今のフランスの楽団にはない響きです。神秘的で精緻に演奏されることが多い中、クリュイタンスはこのオーケストラの音色を生かし官能的な響きを導き出しています。録音もこうしてリマスタリングされたのを聴くとよく頑張っており、最後のトライアングルの響きを美しく儚くマイクに収めています。音数が少ないと意外と当時のEMI録音の特徴である音場感が良い方向に向かいます。

初期盤LPの同コンビ「ボレロ」冒頭部。この部分だけでも失われたものがわかるというもの。

第2曲「マラゲーニャ」では、一転軽妙ですがため息交じり進みます。ファゴットが特に鼻にかかったような音で、これは来日公演のCDでも耳に印象に残っていた音です。残響が程よく取り入れられているため、響きに艶めかしさと広がり、そして余韻が感じられます。最後の管楽器が絡み合って上昇していく音で締めくくられた後の余韻は特に素晴らしい。





第3曲「ハバネラ」では、曲頭は弦楽器のさざ波で静かに演奏されますがアクセントの大太鼓が「ドン!」と響きます。今までのCDでは「ボワン」とした音でしたが、今回のリマスタリング(というかもともとのマスターテープ)でここは大きく変わりました。俄然演奏の印象は大きく変わり、輪郭がしっかりとした分、ホルンの音色もより魅惑的です。終始「?」を感じさせる甘ったるいハバネラ。謎の多い異性に魅かれるように・・・「タラッタ・タァーラ」という踊りが気怠い。それが妖艶で何とも言えない。

第4曲「祭」では色彩全開。来日公演のライブ録音でも一番印象に残っているのはこの「祭」。演奏としてはライブのほうがいいのですが、残念ながらモノラル録音。それでも冒頭から躍る木管楽器やフルートの瞬きは他の演奏からは感じることができない。

弦楽器の少し不揃いなピチカート、陰でうめく管楽器、パリッと明るい金楽器など当時のパリ音楽院管弦楽団の魅力が前回。ココ・シャネルの香水を振りまくように・・・ただしやはり音数が多くなるので、やや混濁してしまうのですがかなり改善されています。コーダの締めくくりは「ボレロ」もそうですが、「ジャジャジャジャジャンッ!」が歪ですが、そのさえも粋に感じられるように。逆に中間部のヴァイオリンの音色と後ろ髪引かれる感覚はそれを補う印象的な演奏と好録音。


これはモントゥーの演奏です。イギリスの音色でシンフォニック。こちらも素晴らしい。SACDになっているのですね・・

クリュイタンスのようなフランスの香りは薄いのですが、最後の「祭り」は実にシンフォニックで巨匠の至芸。

モントゥーの演奏で特徴的なのは、「祭」コーダで主題の「タッタカタカタッタッタッ・タ」が再現した後に、「タッタッタ」というフレーズをほぼ全楽器で8回フォルティシモで繰り返される部分が見事です。通常は8回とも同じように演奏するところを、最初4回はフォルティシモ、後半4回は管楽器以外はメゾフォルテに抑え管楽器の音を目立たせるようにしています。これが非常に効果的でそのあとの追い込みがさらに激しく感じる伏線となっています。いかにも粋です。ほかにこの処理をしていたのは、ここまでではないですがハイティンクとボストン交響楽団の録音。意外。

この録音はオーケストラの失われた響きとクリュイタンスの至芸を堪能できる20分ほどの本当に魅力的な小曲です。

フランス国立放送管弦楽団との「ダフニス」の第2組曲の映像。演奏・指揮姿ともに素敵ですね。

どうしても日本盤で、しかもSACDシングルレイヤーでという方は下記を・・・そんなにもう変わらないと思いますが。高いし・・・まだ乃木坂・AKB商法のほうが許せる(笑)日本EMIには、今までよく何度も何度も、コンチキ・・・と言いたくなる。


posted by 悩めるクラヲタ人 at 18:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 管弦楽曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする