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2017年11月21日

スッペ 喜歌劇「軽騎兵」序曲 ムーティ/ウィーン・フィル 1997ライブ録音


来年のウィーン・ニューイヤーコンサートは久しぶりにリッカルド・ムーティ。非常に楽しみです。

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昔のムーティの演奏でも聴いて心の準備ということで、小品を。ムーティのニューイヤーコンサートはあまり外れが無い。ヤンソンスやメータ、バレンボイムよりもムーティにもっと振らせてやれやという抗議のブログでもあります。

スッペ 喜歌劇「軽騎兵」序曲
指揮:リッカルド・ムーティ
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1997年 ニューイヤーコンサートでの演奏
録音  4.30点  演奏  4.60点



ムーティのニューイヤーコンサート2度目の登場。この後、記念すべき2000年と2004年にも指揮しています。シュトラウス作品は、リハーサル時に「あなた方の音楽なのでご教授のほどを・・・」とはじめ、ウィーン・フィルの心を掌握。実際、どの年の録音も楽器の歌わせ方はムーティ節ですが、テンポ・リズムは基本的に任せている感じがします。ただし、このスッペなどの作品では、「一応オペラの序曲だからね」とばかりに、自分の音楽として振っています。

ムーティとシュトラウス一家の音楽との相性は決して悪くない。。1997年ではヨゼフ・シュトラウスの「ディナミーデン」というワルツを演奏していますが、これはR・シュトラウスの「ばらの騎士」のオックス男爵のワルツのもとになった曲。非常に美しいワルツです。





さて軽騎兵序曲に戻りますが、序奏こそ堂々たる雰囲気で始まりますが、その後はただでさえ聴いていて楽しい曲を華やかな雰囲気で演奏していますから、ノッてます。「タララッタララ」と有名な主題も躍っています。華やかで楽しいだけでなく、弦楽器がこの主題の後のつなぎのところ等所々で、流麗に弾くことで曲の価値をそれ以上のものに仕立てあげています。

しかし・・・・この頃のムーティは結構大胆なテンポ変化を仕掛ける時期でした。有名なところだとたぶん廃盤でしょうが、シューベルトの「グレイト」終曲部でのクナッパーツブッシュ並のリテヌートをかけて、「クナと違い力づく」と評されていました。逆にムーティを好きになりましたけどね。ウィーン・フィルに納得させて演奏させたのですから。2009年にベルリンpoとも演奏していましたが、もうやっていない。弓を強く当てさせ強く弾かせる位に。

この軽騎兵序曲も最後の有名主題を奏する部分でそれをやってのけています。最初聴いた時は「うーーーーん」と何が起こったかと驚きました。トランペットが出てこない。。。と一瞬なります。こちらも多少力づくですが、何回もこの主題を繰り返されているわけですし、曲が曲だけに面白い。巨匠の風格も得てきた時期でしたから堂に入っています。
https://youtu.be/Otds1EWQaR0?list=PLD2EA26A926F60A2A
外部リンクしか駄目みたいで↑


ヤンソンスもちょっとテンポを落としますが、ムーティほど肝が据わっていない。

ニューイヤーコンサートのCDは、発売されるのは非常に早いですが、季節もの扱いなのかすぐに廃盤ですね。カタログに残っているのは、カラヤン、クライバー、小澤、プレートル位ですか。近年では、ムーティかプレートル位が指揮しないならば見もしなくなりました。つまらなくなりましたね、ニューイヤーコンサートも。デュトワとかM・T・トーマスに振らせてみれば?ティーレマン?それはないですね。元旦からヘビーすぎ。


2000年、2004年ともに聴いていて面白いし、ウィーンpoが良く鳴って響いている。何せ「お前の棒で弾いてやっている」感が無い!!!特にクライバーと比較できる「騎士パスマン」のチャルダーシュと「こうもり」からのチャルダーシュがいい。指揮姿も演奏もキレッキレ。

この頃のムーティが個人的には一番好きです。

ラベル:ムーティ
posted by 悩めるクラヲタ人 at 20:18| Comment(0) | 管弦楽曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月18日

武満徹 系譜−若い人たちのための音楽詩 小澤征爾/サイトウ・キネンo 1995年録音


日本を代表する作曲家 武満徹の中で一番惹かれる作品は代表作「ノヴェンバー・ステップス」ではなく、晩年の作品「系譜」です。この曲を最初に聴いたのは、サイトウ・キネン・フェスティバルの最初の年でした。当時大学生だった私は松本に住んでいまして、ホールではなく松本城前で大型ビジョンで放映されている生放送を見ていました。(松本サリンの時もいたのでした・・・)

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その時のメイン・プログラムはさっぱり覚えていませんがこの曲の印象だけはしっかりと残っています。女優の遠野凪子さんが語りをしていたことまで鮮明に覚えています。その時は子供の立場で聴いていましたが、今や父となってこの曲に向かい合うとは面皰顔の当時では考えられませんでしたね。

武満徹 「系譜−若い人たちのための音楽詩」
語り:小澤征良
指揮:小澤 征爾
サイトウ・キネン・オーケストラ
1995年録音(語りは1997年)
録音  4.60点  演奏  4.50点


ノヴェンバー・ステップスも入っている武満作品の優れたまとめ盤。録音優秀。

少女の語り付のオーケストラ曲です。谷川俊太郎の詩集「はだか」から6篇の詩を取り上げ、「むかしむかし」「おじいちゃん」「おかあさん」などの詩の内容に合わせ音楽が付けられています。谷川・武満ともこの詩・曲から若い人たちに家族について考えてみて欲しいという想いが込められています。元々ニューヨーク・フィルからの委嘱作品で指揮者ズビン・メータから武満が「子供のための音楽を書くことに興味はないか?」と言われて作られた曲です。





残念ながらプロコフィエフの「ピーターと狼」のような作品ではなく、現代音楽による現代の若者に向けて書かれた作品となりました。そもそもの詩の内容も家族をモチーフとしながらも暗く破滅的な部分があり、現代の家族という単位の危険性を詩と音楽で提示しています。説明だけでも難解です。国内の演奏では原語の日本語で語りが行われますが、初演に合わせ指揮者のご息女が英語で語りを入れています。


武満さんの言葉も聴けます。曲に合わせた映像付。

異盤と比較ができませんが、非常に怪しく美しい作品を優秀な録音で聴くことができる演奏です。一度耳を傾けただけだと「現代音楽っぽい・・」だけで終わるかもしれませんが、2・3回聴くとその不思議な武満が晩年に思い描いていた音が見えてきます。日本の懐かしい響きがそこかしこに埋め込まれています。

聴く人によって作品の印象はかなり異なるとは思います。私は曲を通して演奏される主要旋律があるのですが、曲頭では「今」、「おじいちゃん」及び「おばあちゃん」では「過去」、「おとうさん」「おかあさん」では「ついさっきと今」、終曲「とおく」では「未来」を表すように”響き”を変容して用いられているなと思いました。そして家族という単位、系譜という流れは危険性もあり意外ともろいものだが、そうやって過去から未来へつながって行くんだよと教えてもらっているような気がします。





この曲はオーディオを選びます。いい装置でないとこの美しさ・懐かしい響きの良さが伝わりきらない。若い人のためにということでモスキート音をたくさん埋め込んであるんではないかと思う程、車中と家で聴くのとでは感銘が違います。

武満は世界で一番評価されている日本人作曲家ですが、とっつきにくさも一番。私はドビュッシーの延長線上にいる人で、自分の目の前に見えるものを自分独自の論法で音に出来る作曲家だと考えています。どの曲を聴いても「あぁ武満の曲だな」とわかるような響きがあります。そこが評価されている点だと思います。


デュトワの演奏。録音さえ良ければ・・・誰かいい記録を持っていないか・・・

デュトワはNHK交響楽団の演奏会でよく武満の曲を取り上げてくれます。そして今世界で一番武満を美しく演奏できる音楽家だと思います。先の印象派の延長の人だと考えれば合点がいきます。感性が合うのでしょうね。だいぶ前の遠野凪子語りのNHK交響楽団との演奏会動画は、録音は悪いですが演奏は小澤より上。最後の「とおく」の後半にヴァイオリンが大きく歌う部分がありますがデュトワの抑揚のつけ方が抜群。溜息が出る。指揮ぶりを見ても、語りのバックアップがさすが。

youtubeで検索すると先の小澤&遠野の演奏も見つけられますが、遠野の語りだけでも全然違う。日本語の語りの方がやはりしっくりきます。デュトワの演奏での遠野の語りは序盤硬さがありますが、徐々に自分の言葉として語っており、この作品の世界観を見事に表出しています。今となっては無理でしょうが・・・

この「系譜」は、武満作品の中では受け容れやすい作品です。デュトワが武満作品をまとめて録音して欲しいのですが、今の市場では売れないでしょうから厳しいですね。デュトワを聴いていなかったら小澤盤で十分満足できたのですが・・・

ラベル:優秀録音
posted by 悩めるクラヲタ人 at 17:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 管弦楽曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月17日

「クナとVPOによるポピュラーコンサート」クナッパーツブッシュ/ウィーン・フィル 1960年録音


クナッパーツブッシュの遊び心に溢れたポピュラー音楽集。クナッパーツブッシュが楽しみ、楽員と駆引きしながら名曲を愛でるように演奏しています。残念ながら正規メーカーでは廃盤。チャイコフスキーでは涙しそうな場面もある異色なポピュラー音楽の名盤なのに。

市原悦子さんが読む「まんが日本昔ばなし」のような、ゆっくりと読み聞かせてくれるチャイコフスキーの「くるみ割り人形」組曲とでも言いましょうか。ポピュラーな曲ですが、他の指揮者では成し得ることのできない、何とも含蓄のある演奏になっています。ウェーバーの「舞踏への勧誘」は、チェロのソロが絶品です。「大人向け(マニア向け?のポピュラーコンサート」と題するのが正しいのかも。

チャイコフスキー バレエ音楽「くるみ割り割り人形」組曲
シューベルト   軍隊行進曲
ウェーバー    舞踏へ勧誘
ニコライ     歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲
指揮:ハンス・クナッパーツブッシュ/ウィーン・フィル
1960年 DECCAのスタジオ録音
録音  4.20点   演奏  4.65点

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クナッパーツブッシュ ポピュラー・コンサート タワーレコード限定
これはタワーレコードが独自企画がお薦め。


「重すぎる」「鈍重」とも思えるかもしれませんが、DECCAの名録音が冴えわたり、当時のウィーン・フィルの首席奏者の闊達で洒落っ気たっぷりの音色が味わえます。ただし、噂ではほぼリハーサル無しだったためか、アンサンブルには綻びがありますが、これも味となってします。手探り状態で始まる序曲。ご愛嬌。

全曲を通じて巨像が躍るかのような雄大なテンポ、チェロの独奏部分と合奏部分の意味深さと音色、革張りのティンパニの強打、管楽器のソロが印象的です。「舞踏への勧誘」の最後のチェロのソロ部分、舞踏会を去る寂寥感が漂ってきます。

クリュイタンスと比較してみましょうか。


昔からこのアルバムは好きで、メーカーのCDの音に満足できず、初期盤LPも探し今は手元にあります。残念ながら英DECCAのSXL盤ではなく米LONDONのCS盤ですが、カッティング及びプレスは英DECCAで行い輸出販売されていたものなので、ジャケットの派手派手しささえ我慢すれば比較的安価でSXLと同じ音質で聴けます。手元にあるのは盤質もよくターンテーブルにのる機会が多い盤です。(フラット・厚盤・ブルーバックです。マニアックですね。絶対に売らない!)

ただこのアルバム、A面にチャイコフスキーの組曲が収められているのですが、花のワルツの最後がLPの内周部に当たりどうしても音質が悪くなる。最後の盛り上がりのffで音がつぶれてしまうのですよね。実際に板起こしで発売されているこのアルバムも、同じような感じになっています。

すでに入手難。

その点、メーカーのCDはオリジナルテープからCD化されているため、その音つぶれがありません。それ以外の部分では、板起こし盤が優れている点も多いです。でもタワーのCDは、ハイビット・サンプリングで出来はよいです。タワーさんのいい仕事。
“VINTAGE COLLECTION +plus”特別編 没後50年「ハンス・クナッパーツブッシュの芸術」Vol.1
VINTAGE COLLECTION+plus特別編〜没後50年ハンス・クナッパーツブッシュの芸術Vol.2

これが1,000円ちょっとで入手できるのですからいい時代ですね。(LPはその何倍かはする変な時代でもありますが)


騙されたと思って耳を傾けて頂きたいCDです。前のクナッパーツブッシュ/ウィーン・フィルのベートーヴェン第7は、比較的オーソドックス(しかし凄演・爆演)な演奏でしたが、この演奏は彼の異端なところが良い音質で感じることができると思います。

昔は苦労したクナッパーツブッシュの蒐集。中古レコード屋を駆け回らくても、清水に飛び込まなくても、「こんな録音もあったの?」という位、veviasが廉価BOXでまとめてくれています。すでに廃盤の録音(クナッパーツブッシュ 伝説の1963年ミュンヘンでのブル8ライブ録音)などから上記定番CDまで高水準の音で彼の軌跡と奇跡が追えます。
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Hans Knappertsbusch The Collection Vol.3 - Wagner, Beethoven, Brahms, etc
Amazonは最近veniasレーベルには逃げ腰?

posted by 悩めるクラヲタ人 at 21:12| Comment(0) | 管弦楽曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする