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2018年05月20日

ハチャトゥリアン バレエ音楽「ガイーヌ」より「レズギンカ」 フェドセーエフの録音 2003年録音


2015年冬にフェドセーエフは単身来日し、NHK交響楽団の定期を振りました。そこで「ガイーヌ」抜粋を演奏しましたが、レズギンカ…今のN響をもってしても、あの伝説的なモスクワ放送soのアンコールの時とは、音圧がかなり違うし、勢い・ノリは再現出来なかった。

フェドセーエフも晩年のスヴェトラーノフのようにちょっと腰が据わってしまったような気がしました。

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25年前にモスクワ放送響とフェドセーエフが来日した際にアンコールで演奏され、未だに語り草になっているハチャトゥリアンの「レズギンカ」。打楽器炸裂、ロシアのオーケストラの圧倒的な迫力をまざまざと見せつけられた演奏です。

バレエ音楽「ガイーヌ」の名前自体は知られていますが、それは「剣の舞」だけで知られているだけ。でもこの舞曲「レズギンカ」の方が曲としても優れているし、なにせ短く圧倒的な迫力。聴くとうきうきしてくるし、興奮するのは「剣の舞」の比ではないですね。

ハチャトゥリアン バレエ音楽「ガイーヌ」からレズギンカ
指揮:ウラジーミル・フェドセーエフ
チャイコフスキー記念交響楽団
(モスクワ放送交響楽団)
2003年 ライブ録音
録音 4.50点  演奏  4.70点




因みに有名な剣の舞はこんな曲。誰でも聴いたことはあるはずです。

で、レズギンカはこんな曲。両曲とも作曲者ハチャトゥリアンの自作自演。

これが普通の演奏でスタンダード。これでも愉しい演奏だと思います。私は作曲者自作自演、しかもウィーンpoとの録音、そしてDECCAなので録音もさぞかしと思って買いました。そもそも、「ガイーヌ」の録音自体が少ない。全曲なんて買うつもりはないし・・

悪くはないですが、フェドセーエフを聴いてしまった後だと。また録音も年代にしては優れていますが、この曲には少し物足りない。

去年フェドセーエフがNHK交響楽団を客演した演奏会が放送されていました。時間あまりに25年前の来日時の下記超絶名演が再放送されました。当時中学生の私は、メインプログラムの印象はさっぱり覚えていませんでしたが、「なんだこの曲!この演奏!」とビデオが擦り切れるまで繰り返し見たのを覚えています。やはり一部のファンには記憶に強く残っているらしく、youtubeでも人気ですし、再放送もされるわけです。そしてこれがその時の映像。
25年前の来日公演時のアンコール

全然違いますよね。早い、小太鼓暴れる。ムラヴィンスキーの「ルスランとリュドミラ」序曲に匹敵する小曲の壮絶な演奏。

それから執念深くフェドセーエフがこの曲を録音するのを待っていたら・・・10年前に出ました。すぐに手に入れました。「ガイーヌ」全曲買わなくても済む!剣の舞も入っている。浅田真央選手がフィギュアのプログラムで使った「仮面舞踏会」のワルツも入っている。

レズギンカだけでもお釣りは来る。ヴァイオリン協奏曲、ガイーヌ抜粋全て優れた録音で優れた演奏。如何にもロシアといった感じでちょっとうるさいですが、ハチャトゥリアンの曲ならこれ位で丁度いい。

上記の演奏を凄いいい録音で聴ける。年齢のせいか少しだけテンポは落ちていますが、スネアドラムの音の凄さと言ったら。タンタ・タララッ・タンタ・タララッ・・・・・・バチンバチンとスピーカーがはじき飛びそうな音。ちょっと大きな音量で鳴らすと近所迷惑。ハチャトゥリアン生誕100年の記念演奏会だったようで、オーケストラ名はチャイコフスキー記念交響楽団となっていますが、モスクワ放送交響楽団の正式名称です。

「仮面舞踏会」のワルツも名曲で名演です。


録音も非常に優秀でスピーカーから強烈な打撃音が飛んできます。分厚い弦楽器のアンサンブルも特筆もの。これは掘り出し物のCDですよ。すぐに廃盤間違いなしでしょうが…


オーディオ的にだけでなく、音楽的にも面白い1時間が過ごせます。クラシックって面白くないと思っている人に聴いて欲しい。
posted by 悩めるクラヲタ人 at 20:53| Comment(0) | 管弦楽曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年05月07日

ヴェルディ 歌劇「運命の力」序曲 トスカニーニ/NBC交響楽団 1943年及び1945年録音


昔からのクラシックファンなら必ず見たい、そして今では見たという方が多い「フルトヴェングラーと巨匠たち」という映像があります。私が高校生時代はドリームライフからVHSで発売されていましたが、10,000円位と高くとても買えませんでした。
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しかしビデオを視聴できる良い図書館があって、その図書館にこのビデオがあり何度も図書館に通い擦り切れるほど見たものです。youtubeも無く、動くフルトヴェングラーの映像なんてものは見れる時代では無かった時代が今は懐かしく感じます。その中でフルトヴェングラーの指揮映像と同じく脳裏に焼き付いて離れないのが、トスカニーニの指揮するヴェルディ「運命の力」序曲とチェリビダッケの指揮する「エグモント」序曲。

今はこちらの「世紀の指揮者21」に入っているみたい。
特にトスカニーニの演奏は圧倒的で、確か初めて「運命の力」序曲を聴き知ったきっかけでもあります。

ヴェルディ 歌劇「運命の力」序曲
指揮:アルトゥーロ・トスカニーニ
NBC交響楽団
1945年録音 8Hスタジオ
録音 3.50点  演奏  4.70点

※1943年は録画映像に含まれますが、1945年と同じではないかと・・

この廉価BOXに含まれています。

「運命の力」序曲の楽曲の素晴らしさは言うまでもなく、「シチリアの夕べの祈り」序曲と共にヴェルディの歌劇の中でも屈指の名作で、オーケストラも良く鳴り歌う部分とのメリハリがしっかりとあるイタリア歌劇の魅力を凝縮した名曲。ともに歌劇としてはあまり演奏されませんが、序曲だけは良く演奏・録音されます。

1952年のトスカニーニの再録音、カラヤン、アバド、ムーティ、シャイーなどの演奏も聴きましたが、この映像もしくは1945年の録音の凝縮された響きと中間部の弦楽器のカンタービレの美しさを超える演奏に出会えません。古い録音にもかかわらず運よくデットな8Hスタジオのおかげで細かい旋律と分離がよく、激しい部分もあまり混濁しないので結果オーライ。ダイナミックレンジは狭いですが。





特に印象的なのはトランペットの好調さ。晩年になるにつれて硬直しがちになったトスカニーニの演奏ですが、この時点ではまだ歌心が勝ってます。最後のコーダ部分でトランペットが「タッタラー・タッタラー・タッタラー・タタタタ」と独奏しそれにオーケストラが「ダーーン・ダダダ・ダンダンダンダンダッ!」と2回繰り返す聴きどころがあります。通常はトランペットはmfか指揮者によってはpに近い感じで弱めに演奏するのですが、1943年・45年のトスカニーニはffで吹かせ、後のオーケストラの合いの手に負けじという音でテノールの高音のように朗々と鳴らします。

この映像では6:00前後の部分です。

最後の追い込みも最近の指揮者はトランペットを控え気味にし、弦楽器の細かい動きを聴こえるようにして演奏しますがトスカニーニは何のそので突進します。それをともに鳴らしきるNBC交響楽団にも舌をまきます。鋼鉄のフォルティッシモで終曲。この後、あの長いオペラ全曲聴くのは辛い・・・

後年の録音ではトランペットが弱くなってます。直前の弦楽器の歌の方が強く聴こえる。録音は明らかに良くなりましたが、テンポが全体的に遅くなり今の指揮者に近い感じになってます。それでも全体的な感銘度は圧倒的にトスカニーニですが。

トスカニーニの序曲集は結構録音されていて、「ゼンパ」序曲・「魔弾の射手」やロッシーニ序曲集など、小品の名曲にも渾身の力を込めたいい演奏が多いです。ベートーヴェンの序曲集だけはあまり出来が良くないというか力み過ぎて響きが凝縮を超えて硬直してしまっている。

「ウィリアム・テル」序曲。気迫がいいですね。ポピュラーな名曲として扱っていない(笑)

これもDVDの方が演奏がいい。


愛すべき名序曲集。杉本リマスタリングがいい仕事をしている。ポピュラーな名曲が多いのもこの盤の魅力。


楽譜ではどちらが正しいのかはわかりませんが、このトスカニーニの「運命の力」序曲の演奏の仕方の方が圧倒的に効果がある。多くの指揮者はトランペット前の弦楽器を抑えて演奏するが故に、唐突感を無くすため弱めに演奏するのかもしれませんが、トスカニーニのように前の弦楽器を強めに刻ませてからの〜とすればいい訳です。その方がコーダに向けての熱量ジュールと推進力が増す。

聴き比べが面白い名曲で演奏です。是非。トスカニーニにはまった私のような方は下記BOXを。今や高くなってしまいましたが、一時期10,000円以下で買えた幸せ。ここで取り上げた演奏が当然すべて含まれています。


ラベル:トスカニーニ
posted by 悩めるクラヲタ人 at 22:52| Comment(0) | 管弦楽曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ストラヴィンスキー 幻想曲「花火」と「ロシア風スケルツォ」 ブーレーズ、ハイティンク他


ストラヴィンスキー初期の小曲「花火」。これは3大バレエ作曲前の曲で名振付師ディアギレフに存在を認めれれたきっかけとなった曲。色彩豊かでR=コルサコフの影響がまだ強いながらもストラヴィンスキーの後の作品への予兆が感じられる佳曲です。
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一方「ロシア風スケルツォ」は晩年にアメリカに渡り、駄作と言われる作品群を作曲していた頃の時期の作品。ピカソのようにカメレオン的に作風を変えたストラヴィンスキーの擬古典主義時代の作風が強い小曲。

調性もしっかりしておりのんびりとした曲の中にも彼の刻印・ユーモアが含まれた曲。両曲とも5分ほどの曲なのでアンコールピースにもっと演奏されてもいいのではと思うのですがなかなか・・・録音も少ない。

まず
ストラヴィンスキー 幻想曲「花火」
指揮:ピエール・ブーレーズ
シカゴ交響楽団
録音 4.45点  演奏 4.55点


晩年の「火の鳥」のおまけでついている録音。

こちらで買ったほうがブーレーズ晩年の三大バレエ含めて聴けるのでお得かも。

どんな曲かというと如何にも作品番号4が示すように習作なのですが、すでにストラヴィンスキーの才能は開花しています。師の影響を受けながらも、すでに自分のリズムスタイルが見え隠れしています。この曲を聴いてディアギレフが「火の鳥」をこの作曲家に依頼しようと思ったのも頷けます。

ストコフスキーで。比較的早い時期に録音されていたのは、SPの盤面に合う時間だったからでしょう。

自作自演もあります。録音が良くないと少し色彩感に欠けて魅力が半減します。あとオーケストラの巧さも意外と必要。意外と個人技が求められますし、オーケストラの機微で俊敏な反応の変化も必要。

花火に火がつく瞬間から「どんな花火がし掛けれれているのだろう」という想像を掻き立てられながら、「ヒュ〜ズドン」と花火が打ち上げられる様を管弦楽法を駆使しながら印象派と現代音楽の方向性を感じさせる意欲作です。いい録音で聴くとその管弦楽法の妙にすっきりとさせてくれます。

3大バレエの埋め草に録音されても良さそうな小曲にもかかわらず、意外と録音されない曲ですが晩年のブーレーズがシカゴ響という如何にも彼らに向いているコンビで「火の鳥」全曲の埋め草に録音してくれま録音とも流石で「スカッ」とさせくれます。この曲を聴くために彼の晩年の三大バした。


分り易くかつ昔のブーレーズほど分析的でないところでいい。気に入っていた楽曲なのか意外といろんな演奏会で取り上げていたようですね。




ところがブーレーズのCD集には、もう一つの「ロシア風スケルツォ」は録音されていない。これが残念。こちらはハイティンクとベルリンpoの三大バレエのCDの埋め草に録音されています。逆に「花火」が無い・・・
ストラヴィンスキー 「ロシア風スケルツォ」
指揮:ベルナルド・ハイティンク
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音 4.50点  演奏 4.50点



アメリカに渡った後期の作品で肩の力が抜けた「パッパラッパパパパーパッ」という呑気なスケルツォ主題の中にこなれた彼らしい管弦楽法が見事に仕込まれています。コーダが無いので少し尻切れトンボ美味に終わるのが良くも悪くも特徴。


ハイティンクの演奏は高機能オーケストラを前に、良くオーケストラを歌わせ鳴らす生真面目な演奏でそれがこの滑稽な曲により滑稽さを加えてくれています。録音が秀逸なのでオーディオ的にも愉めますし、意外とオーケストラの技量が露呈されるいい曲です。弦楽器に思い切りのいい斬れが無いといけない。

意外と満足させてくれる録音が無い中で、ハイティンク盤は重宝しています。時々その曲聴きたさのためだけに取り出すこともあります。

三大バレエ+「プルチネルラ」が作曲された1920年代以降のストラヴィンスキー作品はあまり評価されません。なにせ「ペトルーシュカ」「春の祭典」が凄すぎた。晩年のストラヴィンスキーは結構楽し小曲を作って実験的な作品も多いです。

擬古典主義やセリー音楽を取り入れたりと実験的試みを試して遊んでいたかのような晩年。名曲と呼ばれる作品には恵まれませんでしたが、著作権のために三大バレエの見直しなどを行ったのが晩年のいい仕事だったかもしれません。

こちらはサーカスポルカ。駄作かな。

下記は盟友モントゥーのために作曲した「ハッピーバースデー」のパロディ的編曲。


アメリカに言った後の作品を集めたM・T・トーマスのセンスのいいCDもありますが入手難。「花火」がこちらも無い・・

晩年のストラヴィンスキーの遊びに満ちた作品を楽しむのにはもってこいの名企画CDです。入手難ですが。

posted by 悩めるクラヲタ人 at 20:52| Comment(0) | 管弦楽曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする