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2018年01月20日

リッカルド・ムーティのウィーン・フィル ニューイヤーコンサート2018


久しぶりに今年の元旦は、リッカルド・ムーティが指揮をするということで正座してウィーン・フィルのニューイヤーコンサートの生放送を視聴しました。ムーティは14年ぶり5度目の登場ということで、現存の指揮者としてはスビン・メータと並び最多登場となります。メータ同様、若いころからウィーン・フィルとは途切れることなく良好な関係にあります。(メータのニューイヤーコンサート、そんなに振ってた?というくらい見ていない)

2004年からすっかり見た目も巨匠然としたムーティ。昨年末に見たヴェルディ「アイーダ」でもさすがの指揮ぶりでした。ここ10年くらい全くニューイヤーコンサートに興味を失っていました。ちょっとはチャンネルを変えるものの1曲聞いて「もういいや」と。今年の元旦はそうならなかった。14年前の颯爽としたウィンナ・ワルツではなく、すっかり大人で上品、でも一筋縄ではいかない音楽が鳴っていました。
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発売も早くなってすでにe-onkyoからはハイレゾ配信されさっそく入手。
e-onkyo ムーティ New Year's Concert 2018 flac 96kHz/24bit
flac 96kHz/24bitのハイレゾ音源で4,200円なら良心的な価格。CDも来週には発売予定となっています。SACDでの発売がないので私はダウンロードを選択しました。何より早くいい音で聴きたいし。

ウィーン・ニューイヤーコンサート2018
指揮:リッカルド・ムーティ
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
2018年1月1日 ライブ録音
録音 4.50点  演奏 4.55点



生放送では指揮ぶりやバレエ映像があるし、家族も起きている時間のため大音量で聴けず音楽に集中できない。やはりこうして音楽だけで聴いてみるとかなり印象が異なってきました。テレビで聴いていた以上にテンポは遅く感じます。ワルツ「ウィーンの森の物語」は、あのクナッパーツブッシュより遅い。ただ常に緊張感と音色の美しさ・テンポの揺れがあるので、酔わせてくれます。しっかりと手綱を握っているのはさすがムーティです。

演奏された曲は
第一部
ヨハン・シュトラウスU:喜歌劇「ジプシー男爵」より入場行進曲
ヨーゼフ・シュトラウス:ワルツ「ウィーンのフレスコ画」
ヨハン・シュトラウスU:ポルカ「嫁さがし」
ヨハン・シュトラウスU:ポルカ・シュネル「浮気心」
ヨハン・シュトラウスT:「マリアのワルツ」
ヨハン・シュトラウスT:「ウィリアム・テル・ギャロップ」
第二部
フランツ・フォン・スッペ:喜歌劇「ボッカチオ」序曲
ヨハン・シュトラウスU:ワルツ「ミルテの花」
アルフォンス・ツィブルカ:シュテファニー・ガヴォット」
ヨハン・シュトラウスU:ポルカ・シュネル「百発百中」
ヨハン・シュトラウスU:ワルツ「ウィーンの森の物語」
ヨハン・シュトラウスU:祝典行進曲
ヨハン・シュトラウスU:ポルカ・マズルカ「都会と田舎」
ヨハン・シュトラウスU:仮面舞踏会のカドリーユ
ヨハン・シュトラウスU:ワルツ「南国のバラ」
ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ・シュネル「短いことづて」
アンコール
ヨハン・シュトラウスU:ポルカ「雷鳴と電光」
ヨハン・シュトラウスU:ワルツ「美しき青きドナウ」
ヨハン・シュトラウスT:ラデツキー行進曲

全体的な印象としては大人のシュトラウス・コンサートといった趣。基本テンポは遅めで歌いぬく、派手なところでもこれ見よがしにジャンジャン鳴らさない。会場の雰囲気も「ブラヴォー!!」と叫ぶというよりかは今日は音楽に浸りましょうという感じでした。若いころのように勢いに任せてというところが皆無になり、非常に上品かつ根源的な迫力もあるというコンサートでした。

ウィーン・フィルがアンサンブルとムーティの指揮を楽しみ、音を溶け合わせていました。ムーティも指揮をあまり細かくせず、時に手をだらりと下げてオーケストラに任せて身体を委ねているのも印象的でした。そして非常に細かくテンポを揺らし、音の入りのイントネーションを変える。久しぶりにいいワルツを聴かせていただいたというのが総括。プレートルの場合は「楽しませてもらった」。

ムーティのニューイヤーコンサートのプログラミングには、なぜか親交の深かったC・クライバーが取り上げた曲が必ず1曲以上含みます。例えば1997年 新ピチカートポルカ、2000年 騎士パスマン「チャルダッシュ」と「ハンガリー万歳」、2004年「加速度ワルツ」と「天体の音楽」と。で今年はクライバーの十八番だったポルカ「雷鳴と電光」と「都会と田舎」。「雷鳴と電光」はクライバーのように閃光が走るといった感じではありませんが、これも久しぶりにこの曲で満足した演奏でした。ずしんと腹に響く雷鳴。

来年はクリスティアン・ティーレマンが指揮とのことで!「来年は新年早々どじょうすくいが見られる」といった声もありますが、メストやヤンソンスが振るよりかは「さてどうなることやら」という楽しみはあります。クナッパーツブッシュのようにはならないでしょう。あれ位ティーレマンが遊べたらまた評価がうなぎのぼりになることでしょう。年齢のことを考えると、次のムーティはあるのかしら??

ブルーレイでも買おうか悩むなぁ。
ラベル:ハイレゾ
posted by 悩めるクラヲタ人 at 22:43| 管弦楽曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月18日

ウィーン・フィル ニュー・イヤー・コンサートを愉しむCD5選 クライバー、ムーティ、クラウスetc


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今年も早いもので大晦日。そして明日新年1月1日。夜にはクラシックファンには年に一度の楽しみNHKのウィーンpo ニュー・イヤー・コンサートが放送されます。2018年は2004年以来14年ぶり5回目のとなるリッカルド・ムーティの指揮ということで、久しぶりに元旦が待ち遠しい。

即CDも予約。もうバレンボイムやらヤンソンス、メータはもういいです。ウィーンpoが楽しく踊っていないニュー・イヤー・コンサート程見るのが辛いものは無い。

手持ちのCD・DVDなどでこれは聴いて欲しいと思うニュー・イヤー・コンサートを5つ選んでみました。あくまで個人的感想ですが、演奏内容は種々多彩。最近の金太郎飴的な演奏に物足りないと言いう方やこれからニュー・イヤー・コンサートを聴くぞというためにお薦めなCDを。

1、ニュー・イヤー・コンサート1989
 指揮:カルロス・クライバー


ありきたりですみませんが、当時は「クライバーがニューイヤーを振る!」と話題一色でした。何せキャンセル魔だったので、1月1日の夜まで「本当に舞台に立つのか?」という不安がありテレビの前で期待と不安を感じながら見つめていたのを思い出します。無事登場、演奏が始まると・・・マゼール、アバドとは比較にならない推進力と活気に溢れた演奏に酔いしれました。

前半では緊張から神経質になりすぎているクライバーに硬さが見られますが、後半になると絶好調。特にワルツ「わが家」は特に絶品です。一気にアンコール ポルカ「騎手」からラデツキー行進曲と叩きこみます。このクライバー盤だけは是非DVDで見るべきでその流麗な指揮姿も愉しめる随一のニュー・イヤー・コンサート記録です。

1992年にも再登場してそちらも素晴らしい出来で曲もお得意の「電光と雷鳴」、喜歌劇「ジプシー男爵」序曲とクライバー向きの曲も多い。ですが僅かに1989年に私は軍配を上げます。
関連記事:
カルロス・クライバーのウィーン・フィル ニューイヤーコンサート 1989年&1992年

2、ニュー・イヤー・コンサート2000
指揮:リッカルド・ムーティ


ムーティはリハーサルで「これは皆さんの音楽なので、どうかご教授を」と言って楽員の心を鷲掴みにしました。コンサートではしっかり手綱を握っていますが(笑)、任せるところのツボを押さえた指揮ぶりです。1990年代のニューイヤーでは、まだ血気盛んなムーティのアゴーギクが強く流れを損なう部分も散見されましたものの、この2000年は両者のバランスが絶妙に均衡を保っています。

ウィーンpo独特の音色を強く感じられるのはクライバー以来久しぶり。クライバーとはポルカ「とんぼ」と喜歌劇「騎手パスマン」からのチャルダッシュの聴き比べができます。チャルダッシュはクライバーよりゴリゴリとテンポを踏みしめて大きな音楽として響かせています。

スッペの喜歌劇「朝・昼・晩」序曲、ワルツ「酒・女・歌」などが素晴らしい。2018年はどうなるでしょうか?ちょっと心配な面もあるのですよね。巨匠になりすぎて音楽が重くならないかと。カラヤンのように・・・

3、ニュー・イヤー・コンサート2008
指揮:ジョルジュ・プレートル


昔から長い付き合いのフランスの指揮者プレートルとのコンサート。80歳も超えた年齢での指揮ながら元気で、その打点のしっかりしない独特な指揮ぶりでオーケストラを豪快に鳴らし、ウィーンpoの面々がそれすらも愉しむ風情が堪能できる年でした。団員も「久々に骨の折れるコンサートだ」と思っていたことでしょう。

プログラムにはこの「オルフェウス・カドリーユ」のようにフランスの雰囲気が多分に取り交ぜており、プレートルの陽気で推進力がある演奏が引き立ちます。お決まりの「美しき青きドナウ」ではオーケストレーションの欠陥?(木管楽器が響きすぎる)を上手く抑えた好演です。
好評につき2010年にも再登場しましたが、オーケストラが新鮮味が欠け、またウィーンpoがプレートルの指示を聞きすぎたのかアゴーギクが強くなり過ぎ。音楽が少し崩れてしまいましたね。

4、ニュー・イヤー・コンサート1996
指揮:ロリン・マゼール


これは個人的な趣味です。しかし選曲も面白いですし、ボスコフスキー以後のニュー・イヤー・コンサートの伝統を守ったのはロリン・マゼールです。この年のコンサートではボスコフスキー時代を彷彿とさせるヴァイオリン片手の指揮も見られる。喜歌劇「理性の女神」序曲はいいですよ。

あとアンコールで演奏された「狂乱のポルカ」も好きな曲ですし、このマゼールの演奏はツボです。アーノンクールも振りましたが、真面目過ぎて、目をむきながら指揮をされてもねぇ。この後、2005年にも振りますが、マゼール特有の灰汁が強すぎて駄目でした。意外とウィーンと蜜月関係にあった1990年前後の演奏でも悪くないです。
関連記事
ウィーン・ニューイヤーコンサート1996 マゼール/ウィーン・フィル


5、ニュー・イヤー・コンサート1954
指揮:クレメンス・クラウス


そもそもニュー・イヤー・コンサートは極めてローカルなコンサートでした。創始者である名指揮者クレメンス・クラウスは1954年に亡くなるまでコンサートを行いました。このライブCDはモノラルで音は悪いですが、今とは全く違い非常にローカルなコンサートだったことを教えてくれます。会場と楽しんでいる雰囲気が伝わってきます。アンコールもお決まりというわけでは無く、短いポルカなどは繰り返すという慣例だったようです。
クラウス 美しく青きドナウ.wav
1954年ライブでの「美しき青きドナウ」です。
何よりウィーンpoでは無くては出せないテンポ(ン・ダッダ)の癖も強いし、当時の音色も非常に魅力です。木管・金管楽器の音色は人懐っこく田舎臭い。なんだか懐かしい音です。世界的放送となりどこか演奏もワールドワイドなものになってしまった現代の演奏にないもの、そしてニュー・イヤー・コンサートの原点がこのCDには詰まっています。
関連記事:
クレメンス・クラウスとウィーンpoのJ・シュトラウス作品集 1952‐54年録音他


【番外編】
・ニュー・イヤー・コンサート1987
指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン


名盤だと言われていますし、未だ廃盤になったことが無いので人気なのでしょう。当時人気絶頂のキャスリーン・バトルも何故か「春の声」で歌うなど話題に事欠かないCD。全体的にカラヤンの求心力もちょっと陰りが見えるし、何より演奏が胃にもたれ気味で私にはちょっと・・・特に「ニュー・イヤー・コンサートの予習でJ・シュトラウスの初めて聴くんですけど!」という方には絶対に薦めない。ベルリンpoとのワルツ・ポルカ集の方が断然にいい。


・ニュー・イヤー・コンサート2002
指揮:小澤征爾


当時はかなり売れていましたね。日本だけですが。ブーニンブームみたいのようなものでした。小澤の生真面目さが良くも悪くも出た演奏。コンサートマスターのキュッヒルから「小澤振りすぎ!」と言われたとか言われないとか。ヘルメスベルガーの「悪魔の踊り」はそれでも楽しめます。

でも日本人指揮者がこの舞台に立ったということだけでも大きな事件でした。スポンサーが云々などとの下世話な話はよしましょう。ただウィーンpoにもっと任せればよかったのにとは何度聴いても思う。四角四面にテンポを刻むので・・・

さて明日が愉しみですが、まずは何より良いお年をお迎えください。長文にお付き合いいただいた方ありがとうございました。

posted by 悩めるクラヲタ人 at 19:44| 管弦楽曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月16日

ブラームス ハンガリー舞曲集(全21曲) アバド/ウィーンpo 1982年録音


ドヴォルザークのスラヴ舞曲集とよく比較される、気軽に聴ける管弦楽曲です。ブラームスの方は、ドヴォルザークと違いコンサートでまとめてプログラムにのることは少ないですが、第1番と第5番はアンコールピースの定番です。

元々はピアノ連弾のための曲。そのため、ブラームスによってオーケストレーションされたのは1部だけで、ほとんどの曲はドヴォルザークや他の作曲者による編曲であり、少々まとまりに欠けます。ただそのため、良くも悪くもブラームス特有のしんねんむっつり感は薄まっています。

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ここはスタンダードにアバドで聴いてみましょう。

ブラームス ハンガリー舞曲集(全21曲)
指揮:クラウディオ・アバド
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
録音 4.25点   演奏  4.25点



発売当時から名盤の誉れ高く、一度もカタログ落ちしていないCDです。たしかにまだ若いアバドの推進力+まだ独自の音色を保っていたウィーン・フィルによるオーソドックスな名演です。しかし、オーケストラがウィーン・フィルで無ければ魅力は半減だったでしょう。

全曲ムラのない演奏なのは評価しますが、アバドの指揮が一本調子でタメがないし、表情変化にも乏しい。第4番はオーケストラの音色でなんとかなっていますが、この曲にはもう少し緩急をつけて欲しい。舞曲集の中盤は曲も編曲も落ちるので、そこは指揮者の工夫が必要と思うのですが、それが無いので中だるみ感があります。

録音はグラモフォンにしては珍しく、英Deccaがよく使用していたゾフィエンザールが会場。名録音を数多く残した会場で、個々の楽器が程よい残響を伴って録音されています。しかし、慣れていない会場のせいか、強奏時に飽和してしまっています。録音年を考えると残念。英Deccaならしっかり捉えきったと思います。

リマスターされ昔に比べ音は良くなりましたが、意外にウィーン・フィルのアンサンブルが雑(特に第2番は弾き飛ばしている感じが強い)なのも目立ちます。まだアバドがウィーン・フィルを完全に掌握しきっていなかったのもわかってしまう結果に。

第5番をチャップリンの映画と共に。別に深い意味はありません。

ハンガリー舞曲第5番の演奏で凄い!と思ったのは、小林研一郎とハンガリー国立管弦楽団が来日公演でアンコールに演奏した生演奏。最初の有名な旋律を思いっきり粘ったテンポで尚且つバスの裏打ちの音を強く演奏させていました。メイン・プログラムも良い演奏でしたが、あの日の思い出はアンコールが一番鮮明に覚えています。あの日の演奏程ではないですが、下記CDでも聴けます。これでも十分な位。ドヴォルザークも良い演奏です。



私は第18番が結構好きです。短いですがドヴォルザークの編曲が抜群。

ハンガリー舞曲集全曲としては意外に名盤が少ないので、この曲をまずという方には相応しい1枚です。アバドで慣れてから、スウィトナー盤に進むのがよいかと。

posted by 悩めるクラヲタ人 at 21:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 管弦楽曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする