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2017年11月04日

バッハ マタイ受難曲 リヒター/ミュンヘン・バッハ管弦楽団&合唱団 1958年録音



全曲を聴くのは年に1度あるかどうかですが、聴く度にバッハの天才性に唖然とします。「現代のモーツァルト」と呼ばれる作曲家は出現する可能性はありますが、「現代のバッハ」と呼ばれる作曲家は出てこないでしょう。そしてカール・リヒターのような音楽家も。
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バッハ マタイ受難曲
エルンスト・ヘフリガー、キート・エンゲン
イルムガルト・ゼーフリート、ヘルタ・テッパー
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ他
指揮:カール・リヒター
ミュンヘン・バッハ管弦楽団&合唱団
1958年 スタジオ録音
録音  4.25点  演奏 4.75点


※AMAZONで日本語で探すと高いCDのが出てきます。上のリンクは英語で探しましたので、廉価です。
今はe-onkyoのハイレゾ音源がお薦め。
e-onkyo リヒター マタイ受難曲 ハイレゾ

古典的ですがリヒターの名盤です。第1曲から他の演奏とは次元が違います。古楽器による演奏もたくさんありますが、このリヒター盤の刷り込みがあり、どの演奏も緩く聴こえます。バッハの曲の素晴らしさはもちろん、リヒターのバッハへの直向きな姿勢、曲に対する信仰告白ともいえる真摯な解釈に心打たれます。

初心者には甘さが無く厳しく聴こえるかもしれませんが、第1曲だけでも耳にするだけでも圧倒されることでしょう。リヒターはこの曲を何度も録音していますが、声楽陣の出来も含め、1回目の録音を超えることは出来なかったように思います。再演奏も素晴らしい出来ですが。(ちなみに下のyoutubeはこのCDの演奏ではないです)

この長時間な宗教曲へのとっかかりとしては、壮大なスケールの第1曲、アルトによる悲しみに満ちた第47曲、そして心に平穏を与えてくれる終曲だけを何回も聴いてから全曲に臨めばと思います。

まずは第1曲。崇高な世界への引き摺りこまれます。


第47曲。アルトの深い響きによって歌われる、メロディアスですが独奏ヴァイオリンと共に心に染み入る名アリアです。


この曲はメンゲルベルクの演奏で聴くと、ポルタメントがツボに入っており涙無しには聴けない音楽となります。実際に聴衆の咽び泣きが聴こえます。
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終曲です。今までお疲れ様でしたというような響きに身体中が包まれます。最後の謎を残すようなオーボエの音が耳に残ります。


この演奏のCDについて。歴史的名盤なのでリマスターも何回もされていますが、日本独自でリマスタリングされたCDや下記のprofil盤は安いですが買ってはいけません。profil盤はHMVレビューで「リマスタリングでアナログ的な音で蘇った」と煽ってありますが、ぼんやりもこもこの音になっただけです。

すぐに売却しました。
上記でリンクが張ってある海外でOIBP化されたCDが一番音がいいです。古い録音ですがステレオで分離も良く、下手なデジタル録音よりはいい録音だと私は思います。

今やなぜか高いし。

今更レビューも何もない演奏ですので、寡黙に耳を傾けています。バッハは「音楽の父」と呼ばれますが、若い頃はとっつきにくかったです。ブルックナーやマーラーに比べても難解なイメージがありましたから。

しかし宗教曲だけでなく、ブランデンブルク協奏曲のような愉しい曲、ゴールドベルク変奏曲、トッカータとフーガなど比較的耳に印象に残る曲を残すなど、本当にバッハは奥深く幅が広い。徐々にバッハの偉大さと天才性を気づくと、もう底なし沼のような状態になります。

人生をかけてバッハという頂きに挑み続けたリヒター。古楽器演奏が主流となったバロック音楽ですが、未だに演奏内容ではリヒターを超えることが出来ていないと思います。彼の演奏を聴いていると人生を捧げてという想いがひしひしと伝わってきます。使っている楽器や研究による楽譜の見直しなど関係なく、素晴らしい音楽を素晴らしい演奏で伝え続ける使命を演奏家は担っているのだと彼は教えてくれます。本当に頭が下がります。そんな名曲の名演奏です。

結局ハイレゾダウンロードし、CD売却と相成りました。入れ替えなしで、しかもよい音質で全曲聴けるのですから。
posted by 悩めるクラヲタ人 at 18:32| Comment(0) | TrackBack(0) | オペラ・声楽曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月21日

ボーイト 歌劇「メフィストーフェレ」 シエピ&セラフィン/ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団


名録音・名演奏にも関わらず闇に消えていきそうなCDがあるものです。このオペラ全盛期を飾った豪華な布陣
の演奏でも、曲がマイナーなために悲しい運命になりそうです。初期盤LPまで探して買った演奏なのに・・・

ボーイト 歌劇「メフィストーフェレ」
チェーザレ・シエピ、レナータ・デバルディ
マリオ・デル・モナコ、ピエロ・デ・パルマ
指揮:トゥリオ・セラフィン
ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団
1958年 ステレオ録音
録音 4.50  演奏 5.00点!


なかなか入手難です。ダウンロードの方が無難かも。


ボーイトは、ヴェルディの「ファルスタッフ」や「オテロ」の台本を書くなど台本作家としてのほうが有名ですが、オペラも作曲する技能の持ち主でもありました。しかし、現在演奏されるのは、この歌劇「メフィストーフェレ」のみです。

あらすじは、悪魔のメフィストーフェレ(バス)が神に、万学を究めたファウスト博士(テノール)を誘惑し堕落させて見せようと賭けを持ちかけ、神はこれを受ける。メフィストーフェレは、ファウスト博士を誘惑するが、賭けに負け口笛を吹いて去っていく。壮大なオーケストレーションで、オーディオ的にも楽しめる佳曲です。ただ演じることができるバス歌手がいない。

往年の名歌手チェーザレ・シエピ(バス)は、フルトヴェングラーに認められた歌手で、ザルツブルク音楽祭でドン・ジョヴァンニのタイトルロールを連続で歌っています。彼のドン・ジョヴァンニを聴いてしまうと、他の歌手では物足りなくなります。深い美声だけでなく、容姿・セリフ・演技も一流でしたから。

フルトヴェングラーのドン・ジョヴァンニの映像から。

ファウスト博士のマリオ・デル・モナコ、ティバルディについては説明不要の20世紀を代表する名歌手ですね。指揮のセラフィンも当時のイタリア・オペラ界の重鎮であり、今も彼を超える存在は現れていないと思います。マリア・カラスを発掘した指揮者としても知られています。


演奏についてはこれを超えるものは今後現れないと思いますので、満点評価です。文句のつけようがない名演奏です。録音もこの時期のDECCA最強の布陣ですから、今でも色褪せない名録音です。この作品で活躍する天井からのコーラス、グランカッサなどの打楽器を見事にマイクに収めています。


このCDからシエピのアリア。オケともども・・・

この演奏からティバルディとモナコの二重唱。絶品!!

我が家にはCDでもありますが、LPの初期盤を持っています。高価なSXL盤ではなく、良質の第2版で所有。アナログで聴くともっと凄いシエピの声が聴けます。
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このまま歴史から消えて欲しくないと思い記事にしました。入手難ですみません。でも、アナログ中古でもそれほど高くないですし、中古CDならなお安い。この記事を見た方には、これを機会にぜひこの作品とこの演奏をいい音で聴いて欲しいと思います。何よりシエピが忘れ去られるのが許せない。youtubeでも聴けますが、音が違います。

シエピのアリア集は輸入盤で手に入りますので、是非一聴を。




メフィストーフェレ自体に興味を持った方は、プロローグだけですが、バーンスタインの録音が廉価で入手しやすいです。

ギャウロフがタイトルロールです。これも録音が凄いです。サロメもついてきます(笑)




ラベル:名録音
posted by 悩めるクラヲタ人 at 19:59| Comment(0) | TrackBack(0) | オペラ・声楽曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月11日

バーンスタイン 「ウエスト・サイド・ストーリー」 バーンスタイン自作自演盤 1984年録音



バーンスタイン 「ウエスト・サイド・ストーリー」全曲
指揮:レナード・バーンスタイン
オーケストラ&コーラス(特別編成)
ホセ・カレーラス(トニー)
キリ・テ・カナワ(マリア)他
1984年 スタジオ
録音
録音 4.20点 演奏 4.35点



バーンスタイン満を持しての自作自演録音でした。当時絶頂の人気を誇ったカレーラス、カナワ、トロヤノスなど豪華歌手による話題となった録音です。オーケストラは、ブロードウェイを中心に活躍するプレーヤーたちの混合オケです。バーンスタイン最大の成功作となったこの曲へ強い想いが込められています。

ただそれがよくも悪くもに働いている演奏だと思います。晩年の粘着質的バーンスタインの演奏が少し影を落としています。オーケストラは普段ミュージカルを演奏しているメンバーのため、ジャジーな響きで演奏しているのですが、結果としてバーンスタインの解釈との方向性にずれが生じてしまっている印象が残ります。ニューヨーク常任時代に録音したほうがよい結果となっただろうに・・・(レリ・グリストを起用して)などと考えてしまいます。

歌手に関しては、トロヤノスは巧い。ちょっとこってりし過ぎているところがありますが、アニタの性格を強調して印象に強く残ります。「アメリカ」のところは出だしから怪しさたっぷりです。カレーラスは美声を十分に活かしてはいますが、英語の発音に少々癖があります。が、「マリア」はやはり聴かせます。バーンスタインとはうまくいっていないようでしたが。(メイキングでの映像ではずいぶん戦っていましたね)


一番のこのCDの問題点は、カナワのマリアだと思います。バーンスタインは、カナワにはほとんど指示をせず、投げキッスまでして賞賛していますが、オペラ歌唱過ぎて歌詞が不明瞭に感じるところが多々あります。ミュージカルっぽさが彼女が歌いだすと無くなります。生真面目に歌いすぎている、発声法がクラシック音楽向き、当たり前といえば当たり前ですが。当時のカナワはCD売れまくっていましたから、使わざるを得なかったのでしょう。

ただ自作自演ということで後世に残る演奏だとは思います。でも、少し残念。久しぶりのこの曲の全曲録音となったマイケル・ティルソン・トーマス盤(SACDですし)はもっと話題になっていいはずですが。


この作曲者自作自演CDがあるから誰が録音しても駄目になるという弊害があるのかもしれません。


いくらミュージカルと言っても、やはり全曲は疲れます・・・軽いシンフォニック・ダンスのほうがよく聴きます。こちらも自作自演盤がありますが、若いころの録音の方がいいですね。
posted by 悩めるクラヲタ人 at 19:04| Comment(0) | オペラ・声楽曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする