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2017年09月16日

ドヴォルザーク 弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」 アマデウス弦楽四重奏団 1977年録音


言わずもがなの弦楽四重奏曲の名曲です。ベートーヴェンやブラームスはこの分野の地位を高めましたが、取っつきにくくしてしまったのも事実。聴くのにかなりの集中力を要する。車にベートーヴェン後期四重奏集の CDを積んで聴いても、まぁ楽しいドライブにならない(笑)
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ハイドン時代は参加型で演奏して楽しむのがカルテットでした。ドヴォルザークは数多くカルテットの曲を残してますが、この「アメリカ」以外は耳にしません。「アメリカ」が優れ愛されているのは、ハイドン時代の楽しみとベートーヴェンが高めたこの分野の折衷型なところではないかとおもってます。郷愁感も親しみ易さに一役かっている。

この曲はアマデウス弦楽四重奏団の新盤の魅力に優るCDを探すのが難しい。タカーチでも敵わなかった。(今のタカーチならどうだろう?)

ドヴォルザーク 弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」
アマデウス弦楽四重奏団
1977年録音
録音 4.40点 演奏 4.75点


アマデウスカルテットには旧録音もあるのでお間違いなく。タワーレコードさんはさすがで、この再録音の名盤を独自企画で安定供給してくれています。
ヴェルディ: 弦楽四重奏曲/チャイコフスキー: 弦楽四重奏曲第1番/ドヴォルザーク: 弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」<タワーレコード限定>

第1ヴァイオリンのブレイニンの天空を駆けるようなストラドの響き。特に一聴なにもしてないようですが、少し鼻にかかった音が郷愁を感じさせる。それを支えるシドロフなどの他のメンバーも興乗っている。第4楽章の最後のダイナミックな追い込みも見事。
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録音はオン気味でヘッドフォンだとちょっと疲れる音質かもしれません。スピーカーで大きめに鳴らすと目の前にいるかのようで、全員がストラドを使っているアマデウス弦楽四重奏団の贅沢な響きがグサリと身体を突き刺してきます。


弦楽四重奏団としては長く続いた名カルテットです。厳しさとロマンティックな音色が同居した、他にまねのできないどこかなまりのあるような響きを創造するカルテットでした。当時主流のアルバン・ベルクQの完璧性とは真逆で独特の存在感を放っています。解釈も素晴らしいですが、長年にわたる活動の中で培われた阿吽の呼吸が素晴らしい。

この曲をよい音でとタカーチ弦楽四重奏団のCD(しかし所謂旧タカーチ)を聴きましたが、録音が響きを取り入れたのと、今のタカーチに比べるとちょっと物足りないというか、彼らならではというのがない。


何枚か聴いて意外と差がつきにくい曲なのかなと感じました。というよりアマデウス弦楽四重奏団のブレイニンの音が唯一無二過ぎて、耳に彼のこぶしとカルテットの一体感と集中力が頭に焼き付き過ぎなのでしょう。曲想にあった思い切ったテンポ変動が、音色とともにつぼに入ってドヴォルザークのホームシック加減をうまく炙り出す。

こちらは旧録音の演奏。




何故かアマデウス弦楽四重奏団のこの曲の演奏は旧盤ばかりが再発され、新盤を手に入れるのは大変で輸入盤で探しブレイニンの追悼盤に入っているのを入手。。


しかし、困ったことに他の演奏を聴いても満足できない。いかに彼らが唯一無二の音色を誇っていたかを思いしらさられる名録音です。そして私にとっては、数少ない心から楽しめる弦楽四重奏曲のCDでもあります。

駆け足の演奏ですねぇ。まぁこれが一般的な演奏でしょうか。

posted by 悩めるクラヲタ人 at 20:45| Comment(0) | 室内楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月19日

メンデルスゾーン ピアノ六重奏曲&ピアノ協奏曲第1番 ユジャ・ワン(P)他 2009年ライブ


渋い選曲ですが、メンデルスゾーンのピアノ関連作品2曲を。現在の好きなピアニストの一人 ユジャ・ワンの演奏で。超絶技巧で有名な彼女ですが、肩の力を抜いたこのような作品も見事に演奏してくれます。佳曲を私に教えてくれた映像作品です。CDは何故か録音が優れず良いCDが少ないような気がする彼女ですが、このDVDは音も演奏も優れています。

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彼女はきれいだと思うのですが、グラモフォンのCDジャケットのチョイスはいつもあまりよろしくない。

特にこれ・・・ちなみに所持していますがあまり演奏も彼女にすれば物足りない。

メンデルスゾーン ピアノ六重奏曲 ニ長調
         ピアノ協奏曲第1番 ト長調
ピアノ:ユジャ・ワン
キリル・トルソフ(Vn)、デイヴィッド・アーロン・カーペンター(Va)
マクシム・リサーノフ(Va)、ソル・ガベッタ(Vc)、レイ・メッシュ(Cb)
指揮:クルト・マズア
ヴェルビエ祝祭管弦楽団
2009年 ヴェルビエ音楽祭のライブ
録音  4.55点  演奏  4.65点


AMAZONで普通に探すと高い国内盤が出てきますので、上の輸入盤が安い。AMAZONで買うものを探すときは、日本語と英語で探すのが賢明。


メンデルスゾーンの六重奏曲は演奏者を見てわかるように、ヴァイオリンが2挺ではなくヴィオラが2挺なのでシューベルトの弦楽五重奏曲みたいに少し分厚い響きの曲ですが、旋律は明るいのでシューベルト程渋い感じはありません。演奏されるケースは少ないみたいで、ウィキペディアで調べても個別では出てきませんが、愉しい曲です。演奏が面白くないと駄作なのかもしれませんが。演奏時間は30分程度。

この演奏でのリードは間違いなくユジャ・ワンです。非常に肩の力を抜いてアンサンブルを楽しんでいますが、ここぞという時には明るいタッチでこの曲の魅力を教えてくれます。全体的にピアノが出てくると演奏が締まります。第3楽章から第4楽章は特にリズムを弾ませたり、歌わせたりと曲想変化を見事につけ、観客を唸らせています。


第4楽章の音源。ユジャ・ワンの演奏youtubeも探せばありますが・・・

この曲を聴くときには第4楽章から聴き始めると「あぁ面白い曲だな」と思うかもしれません。正直最初はこのDVDを買ったときにも飛ばしていました(笑)しかし、チャプター画面でいつもこの曲の第4楽章の弾むような旋律が流れるので一度ちゃんと聴いてみるかと思ったら虜になりました。



一方のピアノ協奏曲第1番ですがこちらもあまり演奏されるケースは少ない。記憶が間違いないならばルドルフ・ゼルキンは好きな曲だったようで、ライブ録音が結構残されています。こちらも特徴的な旋律がある訳ではないのですが、ブラームスの協奏曲を小さく纏めたような作品で、全編にわたって隙の無い佳曲です。ですが、ゼルキンの演奏で聴いた時にはそれほどいい曲には感じなかった・・・やはりユジャ・ワンの魔力で魅力的な曲に聴こえるのでしょうか?


ゼルキンとオーマンディの演奏で第1楽章。

メンデルスゾーンの曲ですのでいわゆる深みはありませんが 第3楽章はユジャ・ワンの演奏によるところも大きいのでしょうが非常に軽快です。ゼルキンとモントゥーとのライブ録音も所持していますが、ちょっと荒くてあまり心躍る演奏ではないなぁと感じたところも、ユジャ・ワンの演奏だと第2楽章の詩的な部分も第3楽章のアクロバティックなところもあり十分楽しませてくれます。第3楽章のブレーキ・アクセルの踏み加減が絶妙。


ゼルキンとオーマンディの演奏で第3楽章。ラン・ランの演奏もyoutubeで見つけましたが、彼の場合演奏風景がついていると逆に聴く気が失せる・・・

伴奏は先日お亡くなりになったクルト・マズア。正直好きな指揮者ではありませんが、ここでの伴奏は力がこもっています。若い臨時編成のオーケストラを声を発しながら鼓舞させています。「ユジャ・ワンのピアノに埋もれてしまうぞ!」と言わんばかりに好サポートです。このDVDを買うのは選曲・伴奏者が好きでないので正直悩みましたが、買ったら掘り出しだった1枚です。この日のマズアは調子が良かったみたいで、最後に「スコットランド」も演奏されていますが悪くない演奏です。

このDVDにはボーナストラックとしてストラヴィンスキーの「ペトルーシュカからの3章」が含まれていますが、全然ボーナストラックでは無い演奏。ユジャ・ワン節全開で尖った演奏です。CDでも録音していますが、こちらの方が感銘度は演奏姿も見れることから圧倒的に高いです。

ワイセンベルク。懐かしいですね。

メンデルスゾーンの渋い曲が詰まったDVDですが、埋もれてしまうには勿体ないDVDです。ユジャ・ワンのベスト録音ではないかと思っています。あとはアバドと組んだルツェルンでのプロコフィエフのピアノ協奏曲位しか思い浮かばない。ちょっとそちらはユジャ・ワンの遠慮が感じますが。


posted by 悩めるクラヲタ人 at 18:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 室内楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月31日

ブラームス ピアノ四重奏曲第1番 アルゲリッチ・クレーメル他 2002年録音


ピアニストのCDとしては、アルゲリッチのCDが一番多く棚にあります。(コルトー、イヴ・ナット、フランソワ、ホロヴィッツの激安セットもの含めても!)若い独奏曲を弾いていた時代のものは少なく、ほとんどが協奏曲やデュオのCDです。
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「その中で一番は?」と言われると、曲として地味ですがこのCDを絶対に薦めます。

ブラームス ピアノ四重奏曲第1番 ト短調
ピアノ:マルタ・アルゲリッチ
ヴァイオリン:ギドン・クレーメル
ヴィオラ:ユーリ・バシュメット
チェロ:ミッシャ・マイスキー
2002年 ベルリンでのスタジオ録音

録音 4.55点 演奏 4.75点

e-onkyoでもこの名盤がハイレゾ音源で入手できます。より細部が鮮明になり、特にバシュメットのヴィオラとマイスキーのチェロの音に厚みとリアリティが増すように感じられました。


この曲はシェーンベルクによりオーケストラに編曲もされていますが、それほど有名ではないのではないかと思います。ピアノ協奏曲第1番と同時期に作曲したもので、ブラームスの情熱的な傑作です。

いつもながら開始は暗いピアノの音から始まりますが、その後は各楽章明暗のコントラストが上手くつけられており、晩年のように地を這うような暗さはありません。

第4楽章は哀愁を湛えながらも情熱的なジプシー風な主題が特徴的で、フィナーレに向かって熱狂を増して終曲します。まずは第4楽章からでもいいので耳を傾けて頂きたいと思います。

録音は悪いながらも、ブッシュ弦楽四重奏団(第2ヴァイオリン抜き)とルドルフ・ゼルキンの名盤です。
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この曲を現代を代表するソリスト達が結集し録音したのがこのCDです。しかも皆全盛期だった時の演奏で奇蹟のようなCD。基本的にアルゲリッチのピアノが引っ張っています。最初のピアノの導入部から空気を作り出し、強い打鍵でブラームスの若書きを描くかと思いきや、第3楽章では艶めかしい音色を出したり、第4楽章のコーダでは一気呵成のアッチェレランドの仕掛人となります。時折出す左手の強調とスッと身を引くタイミング良さが光ります。

しかしクレーメル・バシュメットも負けていません。常に冷たく乾いた音で刺すような響きをぶつけるクレーメル、埋もれがちなヴィオラを人間の声のように操り語り掛けるようなバシュメット。

特に、第1楽章第2主題が展開していく際にソロで奏でる部分は、「ほらヴィオラの響きは素敵でしょ」というかのように柔かく強い音で弾く部分は印象的です。マイスキーはこの中では逆に埋もれがちですが、うまく支えています。



4人の個性派が個性を潰すことなくうまくブレンドされているこの録音・演奏は、何度聴いても呆気にとられます。ライブ録音のように挑発的で刺激的な名演です。アルゲリッチの良いところが全て詰まっており、なおかつ曲の価値も高めています。録音も素晴らしい。

このピアニストの独創性と協調性が見事に融合したこの演奏は、アルゲリッチを知るために格好の一枚だと思います。
この曲の録音でこれを越すような名盤は今後現れないだろうなぁ、もう他のCDは要らないと確信する1枚です。こんな豪華な布陣は考えられない。

盟友アバドとの演奏。衰え知らず・・・・


ラベル:アルゲリッチ
posted by 悩めるクラヲタ人 at 19:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 室内楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする