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2017年05月07日

ベートーヴェン ヴァイオリンソナタ「クロイツェル」 フーベルマン&フリードマン 1930年録音


ヴァイオリン・ソナタは数多くありますが、好きな曲を挙げろと言われると、フランクのソナタかベートーヴェンのこのクロイツェル・ソナタと即答します。
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しかしこの曲は難物で中々いい演奏に出会えない。激情に駆られるような演奏でないともの足りない。ベートーヴェンの作品の中でも切迫感が半端ない。特に第1楽章。第1楽章が優れていないとその先を聴き続けようと思えないのです。美音だけで第1楽章をやられると辟易とします。よってシゲティやクレーメル向きの曲。その中でもフーベルマンは異色のヒリヒリ感が漂います。

ベートーヴェン
ヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調「クロイツェル」
ヴァイオリン:ブロニスワフ・フーベルマン
ピアノ:イグナツ・フリードマン
1930年 モノラル録音
録音 3.25点  演奏 4.50点



名前を知っている人はかなりのクラヲタだけでしょう。主に戦前に活躍したヴァイオリニスト ブロニスワフ・フーベルマン。ここぞという時の斬れ味、妖艶な音は他のヴァイオリニストと一線を画しています。古い録音からでもそれは伝わってくるほど。イスラエル・フィルの創設者として名を残しています。当時のヴァイオリニストとしては、存命中かなり録音を残した方ですが、現在カタログにはほとんど残っていません。

ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲やチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲のSP録音は、SP蒐集家垂涎の的。独特の斬れ味鋭いテクニックとヒリヒリとした冷たい音色が特徴です。戦後も活躍しましたが、事故で手を負傷してしまったため少しテクニックは落ちましたが、独特の音色は健在でした。

バッハのシャコンヌ。当時としては、ヴァイオリンを歌わせない異質な演奏。戦後のアセテート録音でしょうか?



このベートーヴェンのクロイツェル・ソナタは、私の中では未だにこれを超える演奏に出会っていません。ピアニストともども、一回の録音に賭ける驚くほどの集中力とその冷たい音色。蜘蛛の糸のように繊細だが強靭、触れれば火傷しそうなドライアイスのような冷たさ。クレーメルとアルゲリッチの演奏はこれに近いですが、この境地には至っていません。

如何にもSPって感じが郷愁を誘いますが、すぐに鋭い音に耳を奪われます。こちらも最後の最後にポルタメントが。

ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタは、ピアノ。ソナタと違い、あまり深さが無いため、有名な「スプリング・ソナタ」などは個別では棚にありません。(フリッツ・ブッシュのBOXにあるくらい)結局聴くのはこのCDの「クロイツェル」だけです。(クレーメル盤とギトリス盤という灰汁の強い演奏)


フーベルマンのCDはこのほかに、チャイコフスキーの録音2種(戦中と戦後のもの)と名演名高いラロのスペイン交響曲があります。


こちらは晩年のオーマンディとのチャイコフスキーのライブ盤。入手難。第3楽章には当時慣例のカットがあります。燃えるオーマンディと鋭利なフーベルマンのヴァイオリンが耳を貫きます。特に第3楽章の細いが核のしっかりある超ハイトーンで歌う部分は古い録音にもかかわらず、ヒヤリとした冷たい彼の特長・音をよく伝えてくれます。

私が所持しているのは下記CDですが、プレミア価格。mp3で十分。

他の追随を許さないというか真似のできない演奏・音色です。
posted by 悩めるクラヲタ人 at 21:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 室内楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月30日

シューベルト 弦楽四重奏曲「死と乙女」 タカーチ弦楽四重奏団(新盤)


3000枚近くもCDが棚にあるのに、弦楽四重奏のCDは正直あまり多くありません。当然、詳しくもないのが本音です。でもポピュラーなものはしっかりと持っています。で、シューベルトから入るのは渋いのかもしれませんね。

シューベルト 弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」
       弦楽四重奏曲第13番「ロザムンデ」
タカーチ弦楽四重奏団 2006年 ハイペリオンへの再録音
録音  4.75点   演奏  4.60点
(EMIへの旧録音とお間違いなく)



シューベルトの弦楽四重奏曲「死と乙女」はブッシュ弦楽四重奏団に興味をもったきっかけで好きになりました。そもそも室内楽で初めて「凄い!」と感嘆したのは、たまたま手に入れたブッシュQとルドルフ・ゼルキンのブラームスの「ピアノ四重奏曲第1番」です。録音で残されたこの「死と乙女」は、ブッシュQの伝説的名演。

音は悪いですが、4人に鬼神が憑りついたかのような演奏。この時代はスタジオ録音でも一発録音だったというのもあるでしょうが、最初の和音から最後の音まで途切れない集中力。



良い音でこの曲の演奏をと探していた時に出会ったのがこのCDです。タカーチQを知ったのは、バルトークの弦楽四重奏曲全集。

入手し易くなったみたいで喜ばしい名盤。高いアンサンブルと緊張感を保ちつつ、よく練られた解釈に久しぶりに室内楽で感動。と同時に曲が曲だけに疲れましたが・・・(因みにこのバルトーク全集も、世評が高いにも関わらず廃盤ですが、タワーレコードが独自企画で復活中。今のうちに入手されんことを)このカルテットなら、「死の乙女」もブッシュ級の演奏をしてくれるに違いない。そして期待は裏切られませんでした。

最初の楽句(ンタータタタタ!)から、非常に音楽的。威圧的に鳴らす演奏が多い中、音に緊張感と力はあるがどこか陰のある草書体な始まり。草書体ながら前のめりの音づくりで緊張感を醸し出す。2楽章もアンダンテも練られていて、フレーズごとに主役となる楽器がよく鳴る。第3楽章のリズムをクッキリ刻むのも絶妙。最後の4楽章はプレストですが、静かめに始まりフィナーレに向けて音量とスピードが上がっていき、感動的に終わります。最後の和音の切れば血が出るような響き!ブッシュQの演奏を現代風に洗練させたような演奏です。


タカーチQのブラームスの演奏です。ハイペリオンは録音がいい。
タカーチQのいいところは、アンサンブルが優れているだけでなく、各楽器の表情が豊か。必要とあらば、時には汚い音も使います。揃っているだけの演奏をしよう、綺麗な演奏をしようとしていない。アルバン・ベルクQとはちょっと違います。


アルバン・ベルクQの演奏でこの曲の良さをまず知ってもらえれば、演奏は中の上です。



併録の「ロザムンデ」は、曲もそうですが少し肩の力を抜いて聴ける佳演です。録音は、鮮度も高く定位もしっかりわかり、オンマイク気味なのも◎。

ショスタコーヴィチ、バルトークの弦楽四重奏曲全集は棚にあるのですが、不思議とベートーヴェンは無い。というか、まだそれを聴くまでの耳に私が育っていないだけです。渋いですよね、弦楽四重奏って。

私にはまだ云々書ける耳がない。
posted by 悩めるクラヲタ人 at 23:46| Comment(0) | 室内楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月11日

ハイドン 弦楽四重奏曲第67番「ひばり」 カペー弦楽四重奏団 1928年録音



弦楽四重奏は苦手。聴くにはかなり集中力が必要。しかし、ハイドンは気楽に聴けます。
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ハイドン 弦楽四重奏曲第67番ニ長調「ひばり」
カペー弦楽四重奏団
1928年 録音
録音 3.50点  演奏 4.50点



ノスタルジーな世界に誘われます。カペー弦楽四重奏団の名前は昔から知っていましたが、聴くのはこれが初めて。正直HMVで廉価になっていて、シューベルトの「死と乙女」が聴きたくて購入したのですが、最初に入っていたこの「ひばり」の最初の響きですぐに参ってしまいました。ポピュラーな名曲が、なんと高貴な音!


戦前主流の第1ヴァイオリン主導型の四重奏団(ブッシュ弦楽四重奏団も一緒)ですが、これだけカリスマ性のある音であれば、そうなってしまうのは必然。アドルフ・ブッシュの厳格と違い、リシュアン・カペーは厳しさの中に洒脱な感じがあり、ポルタメントもお洒落。フランスの粋を感じます。ベートーヴェンの後期四重奏曲の録音も神格化された名盤ですが、私の耳にはまだ理解不能なので・・・





このハイドンは曲が聴き易いこともあって、この四重奏団を理解するのに最適だったかも。簡潔な曲にポルタメントをか
け、瀟洒な味わいを与えています。今の弦楽四重奏団と違い、ヴィオラとチェロが完全に伴奏にまわっていますが、リシュアン・カペーのヴァイオリンが天馬が大空を翔るが如く羽ばたいています。

こちらも名盤の誉れ高いラヴェル。ポルタメントが絶妙。


うーむ、これを聴くと世評高いアルバン・ベルク弦楽四重奏団は完璧ですが、面白くない。





オーパス蔵の復刻は素晴らしく、約100年前の録音とは思えないほど低音もしっかり収められています。針音もそれほど目立たないというか、聴いているうちに気にならなくなるほど、演奏の音がしっかりと聴こえます。それにしても、この音を聴くと現代の弦楽四重奏団には色が無く感じます。

ブッシュ弦楽四重奏団よりも一世代前の印象があり、音が悪いだろうと聴かずにいたのですが、これを機に聴いてみようと思います。また、棚が埋まる・・・

世評と録音の良さではアルバン・ベルクですが。

洗練過ぎ、完璧すぎてもなぜか好きになれない。
posted by 悩めるクラヲタ人 at 19:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 室内楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする