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2017年05月25日

ベートーヴェン 交響曲第4番 ムラヴィンスキー/レニングラードpo 1973年来日ライブ


ベートーヴェンの交響曲の中で一番地味な存在なのが第4番だと思っています。恐らくムラヴィンスキーとカルロス・クライバーの二人の天才が得意とするレパートリーにしていなければ、この曲の知名度及びこの曲のCDの売り上げは今の半分以下になっているのではないでしょうか?
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この二人の天才が何故この曲に魅入られたのか不思議ですが、この曲にスポットライトを当てたことは間違いありません。

ベートーヴェン 交響曲第4番変ロ長調
指揮:エフゲニー・ムラヴィンスキー
レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団
1973年の来日ライブ録音
録音  4.30点   演奏  4.75点

※SACDでも出ていますが、CDで十分だと思っています。シングルレイヤーで高い!


クライバーのオルフェオのライブ録音の方が評判も良く、名盤と長い間語られていますが私は一度も所持したことがありません。

図書館で借りたLPで聴いた記憶はありますが、アムステルダムとのライブの方がいいと思って未だに購入せず。

このクライバーとムラヴィンスキーの演奏、タイム的にも外面的にも良く似ています。しかしながら、聴き終えた時の印象がまるで違います。これをどう表現すればいいか?この曲を取り上げるときには必ずぶつかる問題だなと考えていました。両者とも綿密かつ緻密なリハーサルを経てステージで演奏されるという点も同じ。

来日公演とは違う演奏。録音が劣りますが、印象は掴めると思います。

クライバーはステージで演奏する際には、即興性を加えて華麗な指揮ぶりと共に音楽が生まれ出る瞬間を楽しませてくれます。スプレーアートのように描く過程も魅せてくれ、最終的な感銘も高い。




一方ムラヴィンスキーは、即興的に聴こえるけれども実は綿密なリハーサルで構築した音楽に息吹を吹き込んで演奏する。リハーサルで彫刻のように一彫り一彫り丁寧に仕上げたものを、そのまま緊張感を持って綿密にステージで形どっていく。その一彫り一彫りが考え抜かれており、出来上がると木に命を与えるかのような仕上がり。両者とも立派な芸術作品だが風合いが異なる。


音の違いで表現するならば、クライバーの演奏はフットワークが軽く前進性がある。ジャブもストレートも早く切れがある。ジャブで試合は支配している。ただその時の試合の流れでパンチを出していき、的確なカウンターで仕留めるボクサーのような音。カウンターが絶妙なタイミングで顎を打ち抜く。打ち抜かれた瞬間は一瞬だが衝撃的。

ムラヴィンスキーの演奏は、フットワークはよく聴くと軽くない。パンチが流れていない。常に地に足がついた状態で、利き腕でないジャブの一つ一つが重く、懐に入れない。ボディーブローも徐々に効いてくる。試合は流れに任せているようだが、実は計算されたものでコントロールされている。最後に痺れが残るような強いストレートを射抜かれ終わる。その後もダメージは後遺症のように残る・・・こんな比較表現しか思いつかないですね。

今日、車の中で3回ムラヴィンスキーを聴き、今目の前でクライバーの来日ライブが鳴っています。

上の印象はそう間違っていないとやはり思いました。「ガツン」と残る度合いが違う。どちらも素晴らしい演奏と認めた上でです。

ムラヴィンスキーのこの曲の演奏記録は1972年にも残っており、当初有名だったそのCDでは音質が芳しくなく確信が持てませんでしたが、NHKの音源からALTUSが発掘した録音状態の良い来日ライブを聴いてそれは確信に変わったと思います。

今はムラヴィンスキーの来日ライブなどがまとまって聴ける。

なんだかお後がよろしくない記事ですが、それだけ難しい問題だということで。


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【大幅改訂】ベートーヴェンの交響曲 名盤・名演CD選(頑張ってベスト盤)


過去ブログではありますが、2年の月日が流れ追記・変更しました。それでも、あくまで個人的な好みも入っているので、「名盤・名演CD選」というタイトルに語弊があるかもしれませんが、よく聴くCD選という感じで見ていただければと思います。記事数も増えて、あっちこっち見ていると大変なので、個別でブログを立てているものに関しては、過去記事のリンクを貼っておきます。

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン

〇全集
・朝比奈隆/新日本フィルハーモニー管弦楽団 1989年ライブ録音
 録音 4.25点  演奏 4.65点(SACDでの総合点)
過去記事 ベートーヴェン 交響曲全集 朝比奈隆/新日本po 1988-89年ライブ録音



・ブリュッヘン/18世紀オーケストラ 1984年からライブ録音
  録音 4.50点  演奏 4.75点


新全集はSACDハイブリッドなのに音質も残念ですし、ブリュッヘンの覇気も少々衰えが。

・サイモン・ラトル/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 2015年録音
 録音 4.70点  演奏 4.70点(総合点) ※ハイレゾ音源の点



朝比奈盤は日本人が誇るべき全集として、ブリュッヘンは古楽器演奏の一つの到達点として、そしてラトル盤はハイレゾ音源も含め優れたパッケージメディアとして、また演奏内容も21世紀前半の全集として当分は名を残してしかるべき全集です。

一時話題となったティーレマン/ウィーンpoの映像での全集はこれに比べると完成度は落ちるというか、ラトルの旧全種と同じでまだ通過点だと思ってしまった次第です。全集としてお薦めするのは、録音状態と演奏に凸凹が無い上記3全集かと思います。ヒストリカル派には安定のクレンペラー/フィルハーモニア管弦楽団がお薦めとなりますか・・・トスカニーニは凸凹ありますから・・・
 録音 4.30点  演奏 4.60点(総合点)

本当は1960年のウィーン芸術週間のライブを推したいのですが・・・

モノラルなので・・・



さぁ行きますよぉ。

●交響曲第1番 ハ長調 op.21
1、ブリュッヘン/18世紀オーケストラ(1984年録音)
  録音 4.50点  演奏 4.75点
2、インマゼール/アニマ・エテルナ(2007年録音)
  録音 4.50点  演奏 4.50点
・個別記事 ベートーヴェン 交響曲第1番 インマゼール/アニマ・エテルナ 2007年録音
3、トスカニーニ/NBC交響楽団(1951年録音)
  録音 3.75点  演奏 4.50点
【番外編】
  シューリヒト/ウィーン・フィル(1951年録音)
  録音 3.50点  演奏 4.50点 (良質の初期盤)


ブリュッヘンが創立間もない18世紀オーケストラとの演奏が、緊張感と「これからやってやるぞ」という熱気に溢れた名演。それをさらに進化させたのがインマゼールのCDで、録音はこちらの方が今向き。トスカニーニの演奏は、彼の録音の中でも一番。厳格で結晶化された解釈の中に、NBC響の潤いのある音とカーネギーホールの残響が加わる。

シューリヒトの演奏は、ウィーン・フィルの響き・音色と録音で耳の贅沢。第3楽章中間部のシューリヒト・マジックも初期盤だと本当に効果的で、陶酔のひと時。

ここは、シューリヒトで。

●交響曲第2番 ニ長調 op.36
1、クナッパーツブッシュ/ブレーメンpo(1952年録音)
  録音 3.75点  演奏 4.75点
個別記事 ベートーヴェン 交響曲第2番 クナッパーツブッシュ/ブレーメンpo 1952年ライブ録音
2、ワルター/コロンビア交響楽団(1959年録音)
  録音 4.10点  演奏 4.50点

3、ラトル/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(2015年録音)
  録音 4.50点  演奏 4.50点

この曲はちょっと癖のある演奏でないと、面白くないということでクナッパーツブッシュを。録音も1952年にしては良質で、彼のアゴーギクを堪能できる。その浄化作用として、模範的でありながら巨匠の至芸が詰め込まれたワルター。よい録音で聴きたいというときには、ちょっと前までは刺激的なインマゼール盤でしたが、今はその均整がとれた表現と現代版ワルターのようなラトル盤を手に取ります。

ここはクナで。

●交響曲第3番 変ホ長調『英雄』 op.55
1、朝比奈隆/新日本フィル(1989年録音 SACD)
  録音 4.40点  演奏 4.75点
2、フルトヴェングラー/ウィーンpo(1952年スタジオ録音)
  録音 3.50点  演奏 4.50点

3、ベーム/ベルリン・フィル(1961年録音)
  録音 4.25点  演奏 4.50点
個別記事 ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」ベーム/ベルリン・フィル 1961年録音
【番外編】
  ワルター/シンフォニー・オブ・ジ・エア(1957年ライブ録音)
  録音 3.60点  演奏 4.60点

予想外かもしれませんが、エロイカは録音が良く現代楽器でないと物足りない。古楽器では分厚さ不足とテンポが速すぎる。その不足分を朝比奈盤は見事に補ってくれます。CDで発売された時は、何故かこの曲だけ録音が悪かったですが、SACD化され見事に復活。フルトヴェングラー盤は、理性的で知的に裏付けされた言わずもがなの名演。朝比奈盤に足りない結晶化された響きとオケの技量不足を補うのがベーム盤。21世紀の名盤が欲しいところなのですが、ティーレマンにしてもラトルにしても物足りない・・・

番外のワルターのトスカニーニ告別演奏会のライブ録音もよく聴きます。OTAKENから販売されて、音が激変。スタジオ録音とは別の顔。トスカニーニが乗り移ったかのような燃えるワルターの記録。

これはM&A盤ですが音質はそこまで悪くないです。

フルトヴェングラーで。ライブなので、上記推薦盤と違います。

●交響曲第4番 変ロ長調 op.60
1、ムラヴィンスキー/レニングラードpo(1973年録音 来日公演)
  録音 4.25点  演奏 4.75点
個別記事 ベートーヴェン 交響曲第4番 ムラヴィンスキー/レニングラードpo 1973年来日ライブ
2、C・クライバー/アムステルダム・コンセルトヘボウo(1983年録音 DVD)
  録音 4.00点  演奏 4.50点
3、ラトル/ベルリン・フィル(2015年録音 ライブ)
  録音 4.70点  演奏 4.50点

この曲はムラヴィンスキー盤が超越し過ぎていて、正直他盤はあまり聴かない。映像付で興奮したい場合は、クライバーのDVDを。世評の高いクライバー/バイエルン国立管弦楽団の演奏は、因みに棚にありません。ムラヴィンスキー盤と似た演奏ならば別に不要かと思って。ラトル盤はやはり均整がとれてクライバーの演奏を少し冷静にしたかのような知的演奏。ですが、録音が良くて斬れ味が違います。こちらも全集なら映像でも見れます。

映像ならクライバーですね・・・

●交響曲第5番 ハ短調 (運命) op.67
1、フルトヴェングラー/ベルリンpo (1947年5月25日のライブ録音)
  録音 3.25点  演奏 4.75点
2、ラトル/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(2015年録音)
  録音 4.70点  演奏 4.60点
  C・クライバー/ウィーンpo(1974年録音)
 録音 4.50点  演奏 4.60点
過去記事 ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」 C・クライバー/ウィーン・フィル 1974年録音
3、トスカニーニ/NBC交響楽団(1952年録音)
  録音 3.75点  演奏 4.50点
過去記事 ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」 トスカニーニ/NBC交響楽団  1952年録音

フルトヴェングラーの運命と言えば前までは、グラモフォンから出ていた同年5月27日の演奏の方が有名でしたが、RIAS放送蔵出し音源CDが出てからはこちらの方が音も良いので鞍替え。グラモフォン盤はリマスタリングされても、板起こしされても音のもやもや解消されず隔靴掻痒。

ラトル盤は今のベルリン・フィルの機能全開、自由に演奏させながらも締めるところはぐっとしめる。ハイレゾ音質で聴くとそのすごさはここ最近では髄一。同格でスタジオ録音ながらライブ感のある名盤 クライバーを。猪突猛進のトスカニーニは杉本一家マスタリングで見事な音質に。某評論家の推奨する1939年盤よりこちらの方が断然いい。

短いですがラトルで。第1楽章が本当は聴いて欲しい。

●交響曲第6番 ヘ長調 『田園』 op.68
1、ラトル/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(2015年録音)
  録音 4.70点  演奏 4.70点
過去記事 ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」 サイモン・ラトル/ベルリン・フィル 2015年録音
  インマゼール/アニマ・エテルナ(2007年録音)
  録音 4.50点  演奏 4.65点
2、クリュイタンス/ベルリンpo(1960年録音)
  録音 4.00点  演奏 4.50点
過去記事 ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」 クリュイタンス/ベルリン・フィル 1960年録音
3、ワルター/コロンビア交響楽団(1958年録音)
  録音 4.00点  演奏 4.25点


インマゼールのノン・ビブラートで敢えて歌わない演奏で古色蒼然とした佇まいを醸し出し、侘び寂びや品格も漂う演奏も捨てがたいですが、ラトルが出てからは完全にラトルに切り替えすること多し。この曲の苦手を完全に払拭してくれたのはラトル。シンフォニックでありながらうるさく鳴らず、ベルリン・フィルの個人技が冴えわたる。
ただこの曲をさらにいにしえの響きで美しくシンフォニックにというのであれば、仏EMI盤CDのリマスターのクリュイタンス盤。フルトヴェングラー時代の音が残るベルリン・フィルの分厚い音が魅力。ワルター盤に関しては言わずもがなでしょう。ただ今のオーケストラ技術・録音技術を考えると、もう流石に古めかしい感じがします。

ここは古典的名盤ワルター。LP起こしの音がいい。

●交響曲第7番 イ長調 op.92
1、C・クライバー/バイエルン国立管弦楽団(1982年録音 SACD)
  録音 4.50点  演奏 4.75点
個別記事 ベートーヴェン 交響曲第7番 カルロス・クライバー/バイエルン国立管弦楽団 1982年ライブ
2、クナッパーツブッシュ/ウィーンpo(1954年録音)
  録音 3.60点  演奏 4.60点
個別記事 ベートーヴェン 交響曲第7番 クナッパーツブッシュ/ウィーンpo 1954年ライブ録音

  ブリュッヘン/18世紀オーケストラ(1988年録音)
  録音 4.50点  演奏 4.60点
3、トスカニーニ/NBC交響楽団(1951年録音)
  録音 3.50点  演奏 4.50点
個別記事 ベートーヴェン 交響曲第7番 トスカニーニ/NBC交響楽団 1951年録音
  クレンペラー/フィルハーモニー管弦楽団(1957年録音)
  録音 4.20点  演奏 4.50点


正直いい演奏が多くて悩みます。朝比奈隆/新日本poの第7もいい。C・クライバーとトスカニーニの演奏については、過去ブログの通り。クライバー/ウィーン・フィル盤は、持っていますが聴くことはあまりありません。フルトヴェングラーは今回から外れました。表現は未だに1番かと思うのですが、もう音源が良くならならい。

そこで以前番外だったクナッパーツブッシュが復権。音が良ければさぞかし・・・と書いていたら、ORFEOから正規音源が出て、やはり凄い分厚さと熱気。フルトヴェングラーの表現を分厚いまま最後までつづけた感じで凄いの一言。古楽器からは、やはりブリュッヘンの旧盤。インマゼールもいいですが、少し強奏が耳につく。クレンペラーはもはや定番ですが、何度聴いてもこのどっしりと安心してこの曲を堪能させてくれる。録音もまずまず。ラトルの新盤も捨てがたい・・・・

最晩年のクレンペラーで。ちょっと遅くなり過ぎていますが。

●交響曲第第8番 ヘ長調 op.93
1、ブリュッヘン/18世紀オーケストラ(1989年録音)
  録音 4.50点  演奏 4.75点
過去記事 ベートーヴェン 交響曲第8番 ブリュッヘン/18世紀o 1989年録音
2、クナッパーツブッシュ/北ドイツ放送so(1960年ライブ録音)
  録音 3.40点  演奏 4.50点
過去記事 ベートーヴェン 交響曲第8番 クナッパーツブッシュ/北ドイツ放送so 1960年ライブ
3、シューリヒト/パリ音楽院管弦楽団(1957年録音)
  録音 3.50点  演奏 4.50点


ブリュッヘンとクナッパーツブッシュに関しては、個別記事を参照。颯爽としたテンポでメリハリの効いたブリュッヘン、交響曲第8番の印象を根底から覆したクナッパーツブッシュの轟演。一方、オケの音色を活かし、色彩豊かだけでなくアゴーギクも目立ち個性的なシューリヒト。この曲もしっとりでは面白くなく、個性がないと駄目ですね。

ここはクナッパーツブッシュと北ドイツsoで。入手難ですから。

さぁ
●交響曲第第9番 ニ短調「合唱」 op.125
1、フルトヴェングラー/バイロイト祝祭管弦楽団
  (1951年 バイロイト音楽祭でのライブ録音 SACD)
 録音 3.55点  演奏 4.75点
個別記事 ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 フルトヴェングラー/バイロイト祝祭o 1951年 EMI盤
2、ペーター・マーク/東京都交響楽団(1990年ライブ録音)
  録音  4.40点   演奏  4.70点
個別記事 ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 ペーター・マーク/東京都交響楽団 1990年ライブ
3、M・T・トーマス/サンフランシスコ交響楽団(2012年 ライブ録音 SACD)
  録音 4.75点  演奏 4.50点
個別記事 ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 M・T・トーマス/サンフランシスコso 2012年録音
  シューリヒト/フランス国立管弦楽団(1965年 ライブ録音)
  録音 4.00点  演奏 4.50点

  ブロムシュテット/シュターツカペレ・ドレスデン(1985年 ライブ録音)
  録音 4.25点  演奏 4.50点


第9に関してはかなり変わりました。フルトヴェングラー/バイロイト盤は、何も言う言葉がありません。この曲の理想形です。ただし、SACDでという条件付きでの録音評価です。録音がいい最近の録音であれば、フルトヴェングラー的な名演である名匠ペーター・マークの最後の来日ライブ。これはもっと知られてほしい。
少し華やかすぎるきらいはありますが、優秀録音でもある21世紀前半を代表するであろうM・T・トーマス盤。意外としっかりと低音重視の腰の低い第九です。最近の指揮者は軽薄な音でしかベートーヴェンを演奏しないという不満を一掃してくれます。(独唱陣には若干不満も)各自個別記事があるので割愛。ラトルの新盤も悪くないのですが、やはりまだ小細工が気になる。

シューリヒトの演奏は、晩年の奇跡のステレオ録音で名演奏。マエストロの晩年に、最後に咲いた仇花のような演奏。ブロムシュテット盤は隠れた名盤。スタジオ録音とまるで別人のようなティンパニの打ち込みとオーケストラの煽り。ゼンパーオーパー再建記念の演奏会とのことで燃えていたのでしょう。ブロムシュテット?と思って買いましたが、シュターツカペレ・ドレスデンの渋い音色も含めて素晴らしい第9です。未だに元気で昨年末もN響で第9を振りましたが、この演奏には敵わない。


大幅書き直しに一日費やしてしまうとは・・・。疲れましたが面白かったです。楽しんでいただければ幸いです。疲れて一服です。

20歳以上の方だけに。
フィリップモリス 新時代のたばこ iQOSサイト
posted by 悩めるクラヲタ人 at 06:34| Comment(0) | TrackBack(0) | ベートーヴェンの交響曲名盤 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月22日

【ハイレゾ】ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」他 フルトヴェングラー/ベルリンpo 1947.5.27ライブ


自分でも自分がいやになる。高い。192kHz/24bitで4,830円。しかも何度もCDで買い直しては音質に後悔しているフルトヴェングラーのベルリン復帰コンサート3日目の「運命」。最初に聴いた時の衝撃はその破壊力と間に心を射抜かれたのですが、その後いろんな演奏を聴いた後に聴くと「ティンパニがもこもこして強奏時に音が引っ込む」「分離が悪い」など、EMI音源と違ってリマスタリングが繰り返されても音質が良くなる気配が無く徐々に日付だけが記憶に残る演奏に。
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SACDになると言ってもEMIのバイロイトの第9のように大きな宣伝もされていなかったし、期待もせず購入見送り・・・でもe-onkyoで音源が配信されているのがどうも気になり、ついに購入し聴き直すかと思った次第。完全に満足とはいかないまでも、優れた板起こしCDでも如何ともならなかったティンパニのもこもこ感、分離の悪さは少しは制動が効いて、マスターの音の分離は悪くなかったということが分かりました。

これはORIGINALS音源のハイレゾ化では無く、独Emil Berliner Studios制作 2011年DSDマスターを使用しているので、完全にマスターをそのままハイレゾ化しているようです。

ベートーヴェン 交響曲第5番ハ短調「運命」
指揮:ヴィルヘルム・フルトヴェングラー
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1947年5月27月 放送用公開録音
録音 3.50点   演奏  4.70点


高い。ダウンロードでも確かに高い。
e-onkyo フルトヴェングラー 「運命」1947年 ハイレゾ盤


まず音質について。ティンパニが鳴る部分の混濁もこもこ感は相変わらずですが、マスターにまで遡ったからか叩いている感がしっかりし他の楽器をマスクする感は薄れた。弦楽器の高音は板起こしに比べ伸びがよく、SN比が良い点などからも向上、管楽器も同様で分離が良くなって、第2・3楽章などソロの多いところはホールの響きも良く録られており温もり感が良くなっています。

音も重心が下がり締りのある太さが出てきました。ヴィオラとチェロの音が特に明瞭に。良い装置で聴けば問題のテインパニの制動もより効くのでは。しかし第1楽章中盤の管楽器の独奏部分はその音色だけで聴かせる。なんというかパユやシェレンベルガーなどの名奏者とかとは違うコクのある渋い音色。この価格を払うかどうかはこの演奏に思い入れがあるかないかでご判断を。
いずれe-onkyoでセール配信で安くなるときを待つのが一番いいかと。

演奏については第1楽章、第4楽章についてはこれほど楽想に合ってドラマティックで衝動的な演奏は他にない。フルトヴェングラーの同曲異盤でもここまで切羽詰まった演奏は無い。非ナチ化裁判後の復帰だから云々などの説明は録音後70年も経って語ることではないでしょう。復帰演奏会の3日目ということで、お互いの呼吸感も初日(25日)比べ合っている。弦楽器奏者が思い切って弓を弦にぶつけている様はよくわかる。この録音を聴くと、初日の25日の録音は温もりがなくギスギスして聴こえてしまう。


これは最晩年の抑制の少し聴いた「運命」。

ハイレゾ音源を聴いて感じたのは、第1楽章や第4楽章のアッチェレランドに気をとられがちですが、第2・3楽章の方が深くその神妙ながらも古雅な佇まいのするベルリンpoの音の方が印象に残ります。それも第4楽章への伏線なのですが。第2楽章の入りのチェロのテンポ・音色・呼吸感、「あのブルブル指揮棒から、どうやって揃えて入る?」という各奏者の雰囲気が伺い知れる。それが音楽になる不思議。第2楽章はティンパニがあまり邪魔しないので弦楽器と管楽器の響きの分離が特によく、フルトヴェングラーの指揮棒とコンサートマスターの合図を気にしながらも、各セクションに耳を傾け乍らアンサンブルしているのがよくわかる。今のオーケストラとは違う。

過去の関連記事
・ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」 フルトヴェングラー/ウィーンpo 1954年スタジオ録音

その後に伴録されている「エグモント」序曲も同様。最初の圧倒的な和音に胸を締め付けられますが、その後の静かで深い弱音と弦楽器の慟哭の方が実は意味深い。これはSN比が高くなって分離や弦の合奏風景が目に浮かぶようになって気づきました。同時に平林板起こし グランドスラムのCDと聴き比べをしましたが、この微妙な差が実に大きい。


ユニバーサル(まぁグラモフォンといったほうがピンとくる方が多いでしょうが)のSACDシリーズはハイブリッドでなくシングルレイヤーで出してきて高いこと、あまり「マスターまで遡って」とか「今回は今までと違うぞ」というような感じをEMIより出さずに販売されたので話題にならずあまり売れていないと思いますが意外とEMIよりも凄いかもと。

ただマスターの音をあまりいじらずそのままなので音が悪いものは悪いというスタンスでもある。この録音でも「低音をもう少し絞ればよりタイトで演奏の印象が強くなるのに」と思いましたがそのまま。

最後の「大フーガ」は、最初の「ダッダダーーーーー」という弦楽器の唸りの和音から胸ぐらをつかまれそのまま・・・この演奏を聴いてからというもの、弦楽四重奏版を聴いても何とも思えないというトラウマがついてまわる名演。

こちらも晩年の少し抑制のきいた大フーガ。

結論・・・初日の演奏より聴ける演奏になった。特にティンパニのもこもこはしっかりとした迫力に変わり、SN比がよくなったことで弦楽器の倍音はよく伸び、管楽器の音色感や低弦の深い刻みなど聴きどころはやはり高まった。大音量で聴くとよりそれは明白。今までのCD音源は大音量で聴けば聴くほど、もこもこ・混濁が目立ったので。今横で少し爆音で聴いても子供がうるさいと騒がずに少し興味を持って耳を傾けているのがその証左となるのかも(笑)
あと当分、ハイレゾ購入は休みます・・・・財布の事情です。この1枚の代償と自分への戒めです。
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