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2017年07月14日

ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」&第7番と全集復活 バーンスタイン/ウィーンpo 1977-78年ライブ


20世紀後半を代表する指揮者としてカラヤンと並び評され、2017年は生誕100年となるレナード・バーンスタイン。レコード制作などは両社とも晩年まで熱心でしたが、カラヤンのあくまでレコード芸術としてスタジオ録音にこだわったのに対し、晩年のバーンスタインはライブ録音をもとに制作とするいうスタンスの違いがありました。バーンスタインは自分が録音したい曲、カラヤンは売れる曲を録音するという点でも違いましたね。

セールスで比較すると当時はカラヤンの圧勝でした。しかし、後世の評価はバーンスタインの方が「名盤」を多く持っている。マーラーの交響曲全集(新旧)など未だに輝きを失わない。そんなバーンスタインも1990年に亡くなり早いもので30年以上も経つのかと思うと、つい最近まで活躍していたイメージがあるので感慨一入。

彼も2度ベートーヴェン全集を制作していますが、圧倒的に評価が高いのは後年のウィーンpoとの全集。レコード・アカデミー大賞もとった名盤です。図書館で貸し出ししていたので、良く聴いたものです。重かったなぁ。
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ウィーンpoが制作したベートーヴェン交響曲全集の中で結局一番歴史に残っているのは、レナード・バーンスタインとの全集か、そのもっと前に制作されたイッセルシュテットとの録音かと。イッセルシュテットとの全集は、DECCAとウィーンpoが主導でイッセルシュテットは従っているだけのようなウィーンpoの美感を活かした全集でしたが、バーンスタインはしっかりと自分の音楽を作っています。両録音とも改めて復権の兆しが見えます。

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バーンスタインの全集はユニバーサルがリマスタリングし直し、BD-オーディオ付きで再発売。イッセルシュテットの名盤もタワーレコードが独自企画でSACD化される。カラヤンの全集は・・・・廉価BOXになっているのと大違いです。その中から。

ベートーヴェン 交響曲第5番ハ短調「運命」
        交響曲第7番イ長調
指揮:レナード・バーンスタイン
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1977-78年 ライブ録音
録音 4.40点  演奏  4.55点


全集で買っても損ではありません。9月に発売されるというリマスター盤はブルーレイ・オーディオ(192kHz/24-bit、5.0サラウンド・サウンド)付で6,000円程度。悩むなぁ。
Beethoven: The Symphonies [5CD+Blu-ray Audio]<限定盤>

この録音された時期は丁度バーンスタインが晩年に差し掛かる前で、テンポも中庸で粘着質になっていない。若い頃に合った力みと勢いに任せた部分も抑制された時期で円熟期だったと思います。ウィーンpoを活かしながらしっかりと自分の音楽をやらせてしまうところは流石です。まぁ当時の名コンサートマスターのヘッツェルとの共同作業といっても過言では無い。

この交響曲全集で推薦できるのは、第1番・4番・5番・7番、そして9番。そのほかも悪くはないですが、他にいい演奏がある。他の曲はレニーの力みと素直なことにレニーの好き嫌いが判る部分が散見される。

このベートーヴェン交響曲全集は意外と知られていないのかもしれませんが、今はもう当たり前となっているライブ録音のさきがけのような録音方式です。リハから数日のライブを録音し、一番いい日の録音を使用しながら、ミスがあった部分は他の日の演奏で補う方式がとられています。そういう編集も可能になったレコード制作技術の変換点でもあった。

演奏ですが「運命」から力と熱気がこもっている。先にクライバーの名演が発売されていましたが、流石にスマートでスポーティー過ぎるという私のような巨匠崇拝世代(今はクライバーを認めていますが)には当時をまだまだ多く、やはりこういう深み・重量感のある音でなくてはと快哉を叫んだものです。

タメを作りながら、少し第1主題を主部ではレガート気味に弾かせる表現主義的なところや、クライマックスに向かって熱がこもっていくところ等如何にもベートーヴェン的にで、カラヤンの流麗・絢爛なベートーヴェンとは違い汗が滴り熱くなる演奏です。

バイエルン放送交響楽団とのアムネスティ・コンサートでの運命。

その中でウィーンpoの伝統と主張も尊重しているのがバーンスタインの巧いところ。名コンサートマスターのヘッツェルのいい仕事です。ムジークフェラインの響きも絶妙にマイクが取り入れてただの力演にしていないところも見事。

そして今の終始冷静でスタジオ録音のようなライブ録音とは違い、第4楽章になるとバーンスタインもウィーンpoも録音していることを忘れて力がかなり入る。LPで聴いていた時には音がさすがに濁って力入りすぎでは?と記憶にありますが、今CDで聴くと印象が全然違います。意外とバランスが取れている。

最後のコーダも一音一音しっかりと切って気迫を込めて締めくくるところはこうでなくてはと。最近の指揮者はあまりやらないですね。両腕を横に揺らす項にタンタンタンタン!ではなく、縦にしっかりと区切って振って「ダンッ!ダンッ!ダンッ!ダンッ!+間」でないと。




第7番も同じ傾向で、巨匠風でありながら熱気と推進力があり、第2楽章はウィーンpoに任せてお涙頂戴位に歌いぬいています。クライバーの繊細・流麗と違い、オーケストラと共に演歌のように歌います。

今はラトルとベルリンpoの演奏を中心に聴いていますが、その演奏と明らかに違うのはここの楽器が決して浮き立つことなく見事に溶け合ってオーケストラ全体で演奏しているところ。セクションセクションに分離していない。交響曲という字の通りの演奏で響きが交じり合う。

リハーサル風景ですね。

軽快な第3楽章、流石に力が入りすぎと思う第4楽章もしっかりとオーケストラ全体のマスで聴かせる。鳴りにくいコーダも特に何かしているわけではないのにしっかりと鳴りきる。

バーンスタインのテンポ設定とウィーン・poがムジークフェラインの残響を計算して演奏しているのでしょう。下手に楽器のバランス(コントラバスを強く弾かせて分厚く聴かせる)を調整してなどの小手先の鳴らせ方とは違います。クナッパーツブッシュ、ベームなどともそうですが、この第7番に関してはウィーンpoは本当に鳴らすのがうまい。伝統のボウイングでもあるのかもしれません。



ちなみにバーンスタイン最後の演奏会はベートーヴェンの第7番でした。体調がかなり優れない状態で、演奏にもそれが聴きとれます・・・


両曲とも良くも悪くもトランペットが少し力みがちかなと思いますが、下手に冷静過ぎる最近のライブ録音に比べると人間味が感じる。ハイレゾでも配信されていますが、今度のリマスタリングの方が愉しみ。最近の薄っぺらいベートーヴェン演奏に物足りなさを感じている方には最適です。朝比奈御大のように重すぎないですし、適度なライブ感もある。

この後、ウィーンpoはアバド、ラトル、そして最近ではティーレマンとDVDで全集を作りましたが、イッセルシュテットとバーンスタインの全集は超えられていないなぁとも。今後ウィーンpoがどの指揮者と組めば、過去を塗り替える全集を作れるのでしょう??アンドリス・ネルソンスとではねぇ。今のところ若い頃のヤンソンスみたいな音楽だなぁと思っています。楽員と上手くやるのが上手いタイプの指揮者。


イッセルシュテットの方もかなり惹かれますが、こちらは我慢しよう。
ハイブリッドSACD イッセルシュテット/VPO ベートーヴェン: 交響曲全集 <タワーレコード限定>

バーンスタイン盤を、ハイレゾ音源でダウンロードしたいという方はe-onkyoサイトで。少し高いですが。

クライバーの両曲のハイレゾ音源もあります。

タグ:ハイレゾ
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2017年07月03日

ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 カラヤン・ ベルリンpo 1977年来日ライブ


カラヤンを褒めあげていれば、アクセス数も増えるのかもしれません。昔の評論家の気持ちがなんとなく解る。

しかしカラヤンが好きか嫌いかと言えば嫌いです。ですが家の棚にはそれなりにカラヤンのCDがあるのも事実。しかしベートーヴェンやモーツァルト、ブルックナーといういわゆる本流の演奏はあまりありません。あれだけ録音が残っているのにも関わらず。借りて聴くことはあっても、買おうとは今でも思いません。
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カラヤンの死後、本気度が伝わってくるライブ音源のCDが発掘されて棚にカラヤンのCDが増えました。伝記などを読むと、レコード会社の経費を使って念入りにリハーサルをし録音、そしてレパートリーに加え本番のライブに臨むという非常に経費的に効率的な手法をとっていたことに感心。楽員もリハーサルが金になるならば本気になったことでしょう。しかしCDは完成品過ぎて面白くないことの方が多い。ライブ音源が出回ってから、私はカラヤンを再評価した方です。そんな録音から。

ベートーヴェン 交響曲第9番ニ短調「合唱」
テノール:ヘルマン・ヴィンクラー
バス:ハンス・ゾーティン
ソプラノ:バーバラ・ヘンドリックス
アルト:ヘルイェ・アンゲルヴォ
東京芸術大学合唱団他
指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1977年11月18日 東京 普門館でのライブ
録音 4.20点  演奏  4.45点



普門館でコンサートを開くなんて・・・パヴァロッティがハンケチを持って武道館でマイクを持ってコンサートをするよりもましですが。カラヤンのベートーヴェンの演奏でも優れた部類の演奏だと思います。後年にも来日し普門館で演奏してCD化されていますが、音が酷すぎて聴くに堪えません。

これは見つけても買っちゃだめなCD。

一方こちらは東京FMが放送用に録音したもので、ライブに不適なホールの特性をうまく殺した録音で、当時の演奏と雰囲気をよく伝えています。交響曲ツィクルス全曲演奏しているうちの1曲で、この演奏だけはマイクの故障があったそうですがまずまずです。デットな録音。

第1楽章第1主題はいつものカラヤン節で「ダダ――ダダ―ダダーーダダダー」とレガートでだらしない感じですが、その後は緊張感もあり人工的ではありますが、時々ミスも見られ彼らをもってしても演奏は生き物だと感じさせてくれる。初期・中期・晩年と交響曲全集を録音しているカラヤン/ベルリンpoですが、一番充実しているのは1970年代の録音。第9は珍しく宇野功芳も褒めていました。後年になるについてて豪華にはなっていきましたが、オーケストラの機能美全開に耳が行きベートーヴェンを聴くという演奏とはかけ離れて行った感が否めません。最後の全集は豪華な金ぴかなジャケットしか印象に残っていません。

カラヤン最後のベートーヴェン全集。凄いジャケットだこと。

この演奏はその1970年代の両コンビ絶頂期のライブなので、スタジオ録音に熱がこもっていい感じの仕上がりに。バーンスタインのようにライブ録音中心に編集するシステムをとっていたら生存中のカラヤンの賛否両論も少しは賛に振れていたのではないでしょうか。

1970年代録音の全集。評価高い!

表情や音色変化には貧しく温かみ・温もりというものが少ない演奏ですが、カラヤンの気迫とベルリンpoの絶好調が続きます。第2楽章などは少々力づくではありますが、ドライブ感がありますし、一転第3楽章は緊張感の中にも力が抜け美しさが浮き立ってきます。巧いなぁと感心しきり・・・そして第4楽章はこれでもかという程にカラヤンの統率力をまた見せつけられます。コントラバスの風圧さえ感じさせる厚み。こんな音はもうドイツのオーケストラからはよくも悪くも聴けなし。



合唱の出来は普通より少し劣りますが、カラヤンの魔術で実力以上を発揮し、物足りなさはありません。スタジオで何回も歌いましたというよりかはいい必死さが感じられ好ましい。しかし圧倒的でのみ込まれる演奏で会場で聴いたら興奮するでしょう、CDで聴いても凄いなぁと感嘆しきりですから。

ここまで徹頭徹尾カラヤン流儀でやられたら文句は言えない。20世紀後半の演奏美学の頂点ここにありという記録です。最後のプレティッシモの速さとオーケストラの鳴り切り具合は本当に圧巻。スタジオ録音でも早く完璧ながらメタリックすぎて嫌味な感じでしたが、ライブならではの熱気がそれを補う。フルトヴェングラーのプレティッシモとは質が違うものですが。

貶しているのか褒めているのかよくわからないレビューですが、優れた演奏であることは間違いないというか、カラヤンのベートーヴェンの演奏でも優れた1枚だと思います。「カラヤンが一番良かったのは戦後のフィルハーモニア時代だ」という人もいますが、私は1970年代だと思います。

この第9は優れていますが、残念ながら「じゃぁ同時に発売されている英雄・運命も買って聴いてみるか」とはいきませんでした。第9ならいいけど、運命だとどうだろう?と。同じ流儀ならこれで十分と思ってしまう。

好き嫌いは超えて、たまに聴いてみたくなる録音です。因みに1970年にスタジオ録音した第9をSACDで聴きましたが・・・LPでの記憶を大事にしておけば良かったと思うような美学の押し売り。こちらも毀誉褒貶ですが晩年の綻びの見える晩年の人間カラヤンの方がまだいい。

これは1977年本拠地での第9ライブ。これはいわゆる作られたライブ映像ではない。正直来日ライブより演奏は上ですが、音質が少し不満。

しかし、カラヤンはやはり偉大だったなとは思います。

ロンドンのブラームスの第1番ライブは、アンチの評論家も褒めあげていましたが、音質が悪い。確かにスタジオ録音よりはかなり熱が入って凄い演奏ですけど。

関連記事
・ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」の名盤記事まとめ
タグ:カラヤン
posted by 悩めるクラヲタ人 at 20:47| Comment(0) | ベートーヴェンの交響曲名盤 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月03日

ベートーヴェン 交響曲第2番・5番「運命」 サイモン・ラトル/ベルリンpo 2015年録音


21世紀前半を代表する録音になると思われるサイモン・ラトルとベルリンpoとのベートーヴェン交響曲全集から。くどいですがCDというよりパッケージです。CDとコンサートブルーレイ映像と24bit96kHz音源ブルーレイDISCに加え、24bit196kHz音源ダウンロードコード付き。
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自主レーベルからの発売なので今後も廉価販売されることはなく、入手するのに10,000円以上するのは悩まれると思いますが、買って損は無い充実の内容です。

ほぼほぼ演奏の質も揃っており、はずれが無い全集です。2020年にアンドリス・ネルソンスがウィーンpoと全集を作るらしいですが、ネルソンスの演奏をyoutubeなどで見る限り、この全集を超えるとは今のところ思えません。アンドリス・ネルソンスの指揮ぶりや作る音楽は、なんだか若い頃のヤンソンスに似ていると思うのは私だけでしょうか?脱線はさておき。

ベートーヴェン 交響曲第2番ニ長調
        交響曲第5番ハ短調「運命」
指揮:サー・サイモン・ラトル
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
2015年10月7&13日 ライブ録音
録音  4.70点(ハイレゾ)  演奏  4.60点


AMAZONもちょいちょい在庫切れ。HMVだと「お取り寄せ」状態。タワーレコードさんは発売以来、安定して在庫を確保している。不思議?
タワーレコード ベートーヴェン:交響曲全集 [5CD+Blu-ray Audio+2Blu-ray Disc]


以前に6番「田園」、第1番と第3番「英雄」を取り上げました。「田園」はこの全集の中で特に優れている演奏でした。この第2番と第5番「運命」もそれに次ぐ位のいい仕上げです。演奏の特徴が良く似ています。ぎゅっと濃縮されており、少し早めのテンポで集中力も途切れない。ともに弦楽器が斬り込むような響きが古いベートーヴェンの演奏像を刷新しながらも、しっかりとベートーヴェンを聴いたという感触を得られます。それはしっかりと腰の据わったベルリンpoのチェロ・コントラバスが響きを分厚くしているからでしょう。

第2番。「タッ・タァーーーーン」という明るく刺激的な音色で「古楽器テイストか?」という入りですが、その後はテンポを落とし管楽器と弦楽器をたっぷりと深々と鳴らす。コントラバスが効いています。CDだとちょっとコントラバスの輪郭が甘くなる印象があるかもしれません。ハイレゾや演奏BDの音質だとはっきり明瞭に聴こえます。主部に入ると早めのテンポで進みますが、決して音を流さず弦楽器を追い詰めるラトル。応えるベルリンpoも見事です。グイッグイッとオーケストラを鳴らせ切りながら進みます。あっという間に楽章コーダまで耳を奪われます。

第2楽章は耳を欹てる弦楽器の絡み合いからして見事。それが常に表面的でなく歌があり、テンポが活きている。第3楽章は爽快かつ軽快の一言。ベルリンpoのfからpへのすっとした音量の変化の巧みさが光ります。クライバーがこの曲を演奏したらこんな感じになったのではないかと想像してしまう程躍っています。中間部への移行もテンポはそのままながら、すっと表情を変える木管の響きが素晴らしい。

第4楽章も早めのテンポで各楽器をたてながら上手くブレンドさせるラトルの好調さが光ります。特に何かをやっていないのにも関わらず音楽になり、ベートーヴェンを感じさせてくれる。どちらかというと昔気質な巨匠のベートーヴェン演奏を好む主ですが、ウィーンpoとの珍妙・ちぐはぐな全集よりもベルリンpoの方が伝統を踏まえているので不満は感じません。コーダも一気呵成ですがラトルの冷静な棒捌きで勢いだけの音楽になっていない。

第5番「運命」も同傾向ですが、さらに集中度とギアが上がっている印象。第1楽章はまるでクライバーが蘇ったかのような演奏です。そこにベルリンpoの厚みが加わっています。「グッグッ」と低弦がしっかりと踏みしめているのでクライバーよりも重みがあります。特に中間部の弦楽器が運命の動機を掛け合う部分のぶつかり合いはこちらの方が重心が深く凝縮力があります。トランペットがほんの少し明るめなのが残念な位。ベルリンpoの木管楽器は本当に上手い。早いパッセージでも易々と明確に吹き切っていて音色もある。

第2楽章の深々とした歌、第3楽章のこれでもかという勇壮なホルンとコントラバスの威圧的なキレを経て鬼門の第4楽章へ。すっ飛ばしてますが、「あぁこれがフルトヴェングラーやカラヤンが指揮していたベルリンpo伝統のベートーヴェンだなぁ」と思わせてくれ続けています。第2楽章で少しラトル的強弱が一部気になりますが、ほんの僅かな瑕です(笑)

第4楽章冒頭はティンパニがクッキリと「タンッ・タンッ・ターーンッ」とただ叩くだけでなく3つ目の音を強めに叩かせ間延びや勢いだけにならないようにバランスが工夫されています。これがラトルの頭の中で考え抜かれた解釈でなく注意深く聴かないとわからないように音楽としてなっているのが、この交響曲全集の強み。「ほら、他の指揮者と違うでしょ」というような感じがしない。ベートーヴェンの音楽を良い演奏で聴けていると幸せを感じます。

この第4楽章は第2番でも見事だったティンパニの腕が冴えわたります。固めのばちで輪郭をつける時と柔かめのばちで全体の響きを深める時、勢いをストップさせる一発など様々な表情を後ろで支えます。この楽章は弓をぐっと使った弦楽器と金管楽器の掛け合い、そしてブレンドが見事。最後のコーダへの伏線もしっかりしている。徐々にギアを上げて勢いよくコーダへ雪崩込む。クライバーのように一気呵成にならないのも私には好感が持てます。時折ピッコロが少し目立つのはラトル流儀ですが、ウィーンpo録音の時と違い流れの中での必然性が感じられる。どこか切れ味すっきりながらも、所々で凄みを聴かせるトゥッティもあり聴きごたえあったなぁと思わせてくれる最後の和音。

この2曲がカップリングされていて「意味がある」と感じさせる演奏です。あとは「第7・8番」を書きたいなぁと思う週末です。第7番もいいですよ。ただ第5番に比べてやや軽いかなぁと思ってもしまいますが。

過去記事
・サイモン・ラトルとベルリンpoのベートーヴェン交響曲全集について
・ベートーヴェン 交響曲第1番・3番「英雄」 サイモン・ラトル/ベルリンpo 2015年録音
・ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」 サイモン・ラトル/ベルリン・フィル 2015年録音

posted by 悩めるクラヲタ人 at 17:13| ベートーヴェンの交響曲名盤 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする