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2018年05月28日

マーラー 交響曲「大地の歌」 フェリアー&ワルター/ウィーンpo 1952年の2種の録音


言わずと知れたワルターとフェリアーの名盤です。それは1952年にDECCAに遺したスタジオ録音を指します。当時としては名録音でこんな録音でフルトヴェングラーの録音が残ってくれていたらなぁと本当に思いますが、このワルター盤も素晴らしい。
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「大地の歌」はここ最近だとインバル/都響やベルティーニ/ケルン放送交響楽団などの録音のいい名盤も多数ありますが、バーンスタインの旧盤やこのワルターのスタジオ録音、そしてその数日後に行われた同コンビのライブ録音を聴くと、この曲にはオーケストラ独自の音色が無いと物足りないと感じてしまいました。インバルやベルティーニ盤も素晴らしいのですが、楽器の音色独自の愉しさに少し欠ける、淡白というか透明に過ぎる。

マーラーの交響曲第4番とこの「大地の歌」に関しては木管楽器のカラフルな音色、またオーケストラ独自の田舎臭いというか人間味・温もりのある音色のある演奏が好ましい。マーラーの第4番のワルター/ウィーンpoとギューデンの1955年ライブなどを聴くと本当にそう思います。まずは「大地の歌」に関して。

マーラー 交響曲「大地の歌」
コントラルト:キャスリーン・フェリアー
テノール:ユリアス・パツァーク
指揮:ブルーノ・ワルター
ウィーン・フィルハーモニア管弦楽団
1952年 スタジオ録音
録音  3.70点  演奏  4.60点



同コンビのライブ録音。
1952年 ライブ録音
録音 3.55点   演奏  4.65点


当然入手難です。Amazonリンク探すのに結構苦労しました・・・・

共に当時のウィーンpoの魅力の詰まった名演奏です。最初スタジオ録音のCDを聴いた時には、評価が高い割にあまり感銘を受けませんでした。フェリアーの歌唱の評価が高いですが、私には少しその籠ったような歌声はちょっと苦手でした。ワルターが最初にフェリアーの歌声に触れた時に涙したという逸話は本当か?と疑ってしまいました。フェリアーはこの録音の数年後に癌のため急逝されたのでヌヴーなどのように少し神格化されすぎではないかと思っています。

家に再発ではありますが初期盤LPを所持しており、それで聴くとCDよりは籠った感じは無くリマスタリングで焦点が甘くなっていたのかなと気づきました。LPで聴く限りは十分名唄だと感じます。パツァークは評価が分かれるところですが、私はジェームズ・キングには勝てないけど独特のシニカルな歌い方で結構好きです。

この二人の歌唱については数日後のライブ録音の方が圧倒的に良いと思います。マイクが歌手寄りだということも影響しています。フェリアーの声はかなり発音も明瞭に聴こえる。パツァークも熱唱。第5楽章ではかなり目立つ出落ちがありますが、早口で帳尻を合わせるところ等流石オペラ慣れしているなと感心。ライブ盤は第1楽章冒頭こそ音質に不安がありますが、徐々に音質が良くなっていきます。楽章間の聴衆ノイズもしっかりと収められ、最後の静かな拍手も演奏に相応しい。当然古いモノラル録音ですが、当時の会場にいたかのような感覚に浸れます。

こちらはライブ録音の方です。

デットな録音なため声だけでなく木管楽器やビブラートや軽いポルタメントのかかったヴァイオリン群の音も明瞭。嗚呼、木管楽器の愛らしくいじらしい音色・・・マーラーの生への執着というか今世に生きる愉しみがまだある。最近の演奏はそこが物足りない。美しく演奏し過ぎて温もりが足りない。

インバルと都響の「大地の歌」。買おうとしたらAmazonミュージックで「告別」以外は聴けてしまうことに驚き!で聴いたのですが、上記理由でパスしました。同傾向ならベルティーニ盤があるのでもう十分。歌手陣もベルティーニ盤の方がいい。

ワルターには後年にニューヨーク・フィルともステレオ再録音をしておりそちらも素晴らしいのですが、やはりオーケストラの音に甘さが足りないことと、ワルターが冷静過ぎてウィーン盤の方が魅力的です。冷静沈着なイメージの晩年のワルターですが、この「大地の歌」1952年両盤では結構攻めの演奏だと思います。特にライブでは胸にグサッと突き刺さる低弦の音も引き出しています。一瞬何事かと思う位に唐突に。

ライブ録音を聴いてから、スタジオ録音を聴くとやはり録音が素晴らしく、歌手とオーケストラとのバランスがいいし、ミスが少ないためやはり名盤だなと感心。これこそ何度聴いても飽きないし。聴く度に発見のあるレコード芸術だなと。ライブ盤は何度も繰り返し聴くには相応しくないような気がしてきます。

こちらは正規スタジオ録音。やはりフェリアーの声が少し太いというかフォーカスが甘い気がします。

録音がいい方がやはりいいという方には、ベルティーニでしょうか。BOX販売しかないですが「大地の歌」と第3番と8番のために家に置いておいて損は無いです。押しなべて演奏が素晴らしいこの全集の難点は、日本でのライブ録音(大地の歌と第8番などは日本での来日ライブ録音)は音質がいいのに、本国でのスタジオ録音の音質の方が悪いという点だけです。

「告別」中間部オーケストラだけの部分の圧倒的な演奏と最後のトロンボーンの深い響きには圧倒されます。アルトのリポヴシェクが断然いい。「ewig・・・・」終わらないでほしいと。晩年のアバドも良かったですね。ゲルギエフ、ブーレーズはちょっと違うかな。

ギューデンとの第4番についても一緒に書きたいなと思いましたが、やはり長くなってしまったのでまたの機会に。

この廉価CD集は録音・演奏に瑕(1960年の大地の歌ライブでは欠落・音飛びあり)・凸凹がありますが、安いし第9と第4のために家に置いてあります。

posted by 悩めるクラヲタ人 at 23:17| マーラーの交響曲名盤 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年05月21日

マーラー 交響曲第4番 グリスト&バーンスタイン/ニューヨークpo 1960年録音


マーラーの交響曲第4番は、過去にクレンペラー盤を紹介していましたが、私にとっての本命盤はこのバーンスタインの旧全集に含まれるレリ・グリストとの演奏です。シュヴァルツコップも見事ですが、天使のようなソプラノとしてはこちらの方が数等上を行きます。

マーラー 交響曲第4番ト長調
ソプラノ:レリ・グリスト
指揮:レナード・バーンスタイン
ニューヨーク・フィルハーモニック
1960年 スタジオ録音
録音 4.40点  演奏 4.60点


輸入盤の廉価全集です。リマスタリングされて音質良好。

バーンスタインにはアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団との再録音盤がありますが、テンポが遅くなりこの曲の可憐さが薄まっていること、第4楽章にボーイソプラノを使用していることがあまりうまくいっておらず、レビューの概ねの評価もこの曲に限っては旧盤支持派が多いですね。



曲については前回のクレンペラーの記事でも書いた通り、マーラーの愉しい部分が満載で、演奏時間も1時間未満と非常に聴き易い、初心者にも安心して薦められるマーラーの交響曲です。第1楽章曲頭の鈴の音からのフルートから異次元へ連れて行ってくれます。第2楽章は諧謔的なスケルツォですが暗くなく、第3楽章も冗長になる寸前で留まっていて、美しい旋律の戯れをただ聴き惚れるのみ。第4楽章はソプラノが天上の楽しさを可憐に歌い上げ、カラフルな管弦楽がそれに華を添えます。





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ここでのバーンスタインの演奏は、ノリが良くジャジーな勢いがありこの曲の魅惑的な旋律を存分に堪能させてくれます。当時のニューヨーク・フィルの少し雑な部分も見えますが、愛嬌で済むくらいです。若きバーンスタインのいいところが出ていて、ショスタコーヴィチの第5番と共にバーンスタインの初期の名盤として知られています。

この曲の歴史的な録音ではメンゲルベルクが有名です。

ライブ録音なのですが、今指揮者がこんなことをやったら楽団員から総スカンくらう、「さぁはじめるぞ」と譜面台を指揮棒で叩く音まで入っています。メンゲルベルクは、マーラーが認めた演奏家ですが、交響曲で残っているのはこの曲だけ。メンゲルベルクには、一番相応しい曲なのかもしれません。ポルタメントがはまっています。テンポが時折ガクンと落ちるので、顎も時々落ちますが(笑)

この曲の詳しい説明は、バーンスタインにお任せしましょう。マーラー入門にとっておきのバーンスタインの映像。マーラーの魅力の説明と、第4交響曲の第4楽章をレリ・グリストの貴重な映像と共に見ることが出来ます。

このヤングピープルズコンサートは、英語ですが子供にもわかるように、バーンスタインが明確かつ簡単な英語で話しかけているのでいいですね。

後々ブルーレイ化されるかもですが。

最後に少々お高いですが、日本独自のハイブリッドSACDであれば、録音点数は4.50点つけてもいい位にワイドレンジで素晴らしい録音です。グリストの声が本当に可憐・・・廃盤になる前に是非。


レリ・グリストは、カール・ベームにも愛されたソプラノ(フィガロでのスザンナは彼女の当たり役)だったのですが、その後の活躍は不明。当時、黒人の歌手は少なかったですから、もしや・・・とも思ってしまいます。勿体ないですね。
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ラベル:SACD
posted by 悩めるクラヲタ人 at 20:27| Comment(0) | TrackBack(0) | マーラーの交響曲名盤 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年05月19日

マーラー 交響曲第3番 ベルティーニ/ケルン放送交響楽団 1985年録音


マーラーの中でも長い交響曲です。ただでさえ長いのに、第1楽章だけで30分はかかるという、フィナーレまでの道のりが長く感じる曲です。

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第一楽章はホルンの勇壮な音で始まりますが、その後はマーラーの悪癖のように明暗が繰り返されます。美しい旋律が来た!と思ったら、地獄のようなくらい響きや行進曲での中断など・・・コーダは華やか。改訂して半分くらいにすればもっとまとまりよくなるのにと思います。

バーンスタイン/NYPの旧盤第1楽章。勢いがいいです。

ただ第5楽章の少年合唱が加わり非常に美しく楽しいし、第6楽章は長いもののコーダへ向かって旋律が展開しながら膨れ上がっていく音楽の流れは、聴後に非常に満足感を得られます。素朴な第2楽章や第5楽章から慣れていくといいかもしれません。

第5楽章の映像。

マーラー 交響曲第3番ニ短調
指揮:ガリー・ベルティーニ
ケルン放送交響楽団
1985年 スタジオ録音
録音  4.25  演奏  4.50


マーラー初心者に安心して薦められる逸品の格安全集。インバル/フランクフルトsoよりいい。リマスターされればなおよしなのですが。

指揮者のガリー・ベルティーニについては、説明が特に必要のない日本に馴染みの深い指揮者です。東京都交響楽団の演奏技術を高めた貢献者であり、インバルとともに日本にマーラーを広めた指揮者です。しかし、インバル同様、リハーサルは厳しいらしく、ケルン放送交響楽団との演奏は良かったのですが、楽員からは受けが良くなく関係は長続きしませんでした。

上記全集は廉価で、すべての交響曲が高水準の演奏。日本でのライブ録音も含まれます。特に優れているのは、この第3番、サントリーホールで収録された第8番、「大地の歌」。特に「大地の歌」は素晴らしい。

この全集の特徴は、厳しい練習を積み重ねひたすら客観的にマーラーの楽譜を読み込んで、正確に音化している演奏です。では熱のない冷たい演奏かというとそうではなくて、実際に演奏されると温かさとしなやかな流麗さが感じられます。


第6楽章フィナーレです。鬼才ミトロプーロスの演奏で。

壮大ながら歌曲集「少年の魔法の角笛」からの旋律も多用されるように、牧歌的な旋律が散りばめられているので、ベルティーニの全体を見ながら各フレーズを構成していく特質が十分に発揮されており、長時間ですが聴くものを飽きさせません。適度な緊張感で保たれているのも、この曲だけでなく彼のマーラーの特徴です。このCDで残念なのは、日本収録のライブ録音のほうが音がいいところ。EMIにしてはまぁいいほうなんですが。


ベルティーニのマーラー第7番第4・5楽章です。このコンビの全盛期。

最後にベルティーニの隠れた名盤のラヴェル音楽集。アルゲリッチとのピアノ協奏曲も入ってます。SACDハイブリッドなので音もいいので私は所有しています。


より良い演奏と録音を求めるならインバル/都響かトーマス/サンフランシスコのSACDを。高いですが…


全集買えちゃう(笑)
posted by 悩めるクラヲタ人 at 18:35| Comment(0) | TrackBack(0) | マーラーの交響曲名盤 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする