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2017年05月16日

マーラー 交響曲第4番 クレンペラー/フィルハーモニア管弦楽団 1961年録音


クレンペラーのCDもBOXで格安で入手できる時代になりました。EMI(今はワーナーですか)にとっては、フルトヴェングラー・クレンペラー、そしてテンシュテットは永遠のドル箱録音になると思っていましたが、隣接権が切れる前でも叩き売られる録音になるとは思ってもいませんでした・・・


マーラー 交響曲第4番
指揮:オットー・クレンペラー/フィルハーモニア管弦楽団
ソプラノ:エリーザベト・シュヴァルツコップ
1961年 ロンドンでのスタジオ録音


ワーナーからも出ています。

タワーレコードの方が新品なら安いですね。
クレンペラー Mahler: Symphony No2・4・7・9, 大地の歌<限定盤>
※マーラー:交響曲集では、第2、4、7、9番に加え、「大地の歌」も収録した6枚組。※第4番以外は、2011年、もしくは2012年の最新デジタル・リマスター!第4番のみ、1999年のデジタル・リマスターによるCD化とのことです。


マーラーの交響曲で一番洒落て、時間的にも聴きやすい曲ですが、ヘビーな演奏を選んでしまいました。本当はバーンスタイン/ニューヨーク・フィル&レリ・グリストのSACDにしようかと思ったのですが、バーンスタイン続きでもなと思いまして。ちなみにそのバーンスタインSACD、中身だけが一時行方不明になっていました。必死に探したが見つからず、もう一度買おうかとしました。

オチとしましては、なんとメインCDプレーヤー DENON SA-500の本体の中に落ちていました。次男が触って開けたトレイの上の隙間に突っ込んでいた・・・ネジを外し蓋を開けて取り出しましたが、そのSACDが見つかった感動よりも、よくCDプレーヤー壊れなかったな(もう一枚実は入っていました)と胸を撫で下ろしました。

結局書きましたけど・・・過去記事↓
・マーラー 交響曲第4番 グリスト&バーンスタイン/ニューヨークpo 1960年録音

さてこのクレンペラーの演奏ですが、まだクレンペラーも偏執狂になっておらず、有名な第7のような拘泥するような演奏にはなっていません。最初の鈴の音からやんわりとこの曲の美しさとしなやかさ、そしてその楽しさを色彩豊かに伝えてくれる演奏です。感情移入することなく、淡々と美しいメロディーを奏でていきます。クレンペラーは木管楽器をはっきり聴こえるようにする特徴がありますが、この曲にはそれが適合しています。ただ整ったよい演奏という印象で、私にはベストではないです。

第4楽章のシュヴァルツコップのソプラノも同様の傾向。発声法もしっかりしてますし、美声で魅力的ですが、ちょっと風格を感じます。そこがこの曲に求められる天使のような歌声とちょっと違うような気がするのです。バーンスタイン盤のグリストと比べてしまうと、印象が薄いかなと思います。グリストが可憐過ぎて、耳に残っているんですよね。

このCDを取り上げて一番お伝えしたいのは、国内CD盤より上記フランスEMIのBOXのほうが素晴らしいリマスターだということ。国内盤のSACDは未聴ですがこのBOXで十分。これを買うまでクレンペラーのマーラーは有名な大地の歌も含め聴きましたが、概ね「音悪い」という印象しか残っていませんでした。

しかし、廉価なのでとこのBOXを購入してびっくり。当時のEMIでもこんないい音で録音していたんだと再評価。大地の歌もこんなにいい演奏だったかと。たぶんアナログのSAX盤とかなら、こういう音質で聞けたのかもしれませんがうん万円しますから。フランスEMIはフランソワでもいいリマスターだったので、ぜひクレンペラーのベートーヴェンもBOXで出してとお願いしたいです。

3:10からです。ふー、おっかない。これ位国内メーカーにも怒りたい。しかし凄く貴重な映像集ですね。

ちなみに2012年にまとめて出されたクレンペラーのBOXCDシリーズは、新たにリマスターされた形跡なく国内盤よりまし位でした。安いのでベートーヴェンBOXだけ買いましたが、後は止めました。

ベートーヴェンの第7番を3種と、序曲集の様々なテイクが聴けるのはいいのですが。あとはフランスEMIかe-onkyoが格安ハイレゾ配信するまで待つとしましょう(笑)

・作曲家別の過去記事を探すにはこちらが便利
→ クラシックの名曲・名盤 作曲家別記事まとめ

posted by 悩めるクラヲタ人 at 08:27| Comment(0) | マーラーの交響曲名盤 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月25日

マーラー 交響曲「大地の歌」 バーンスタイン/ウィーン・フィル他 1966年録音


DECCAの名録音とバーンスタインの若い頃の勢いが相乗効果となっている名盤。キングのストレートに伸びる歌唱と巧すぎるディースカウの歌唱が耳に残り、今でも愛聴するマーラーの大地の歌。個人的には名盤の誉れ高いワルター/ウィーン盤よりも好きです。後はM・・トーマスかベルティーニかな、聴くのは。

マーラー 交響曲「大地の歌」
テノール:ジェームズ・キング
バリトン:D・F・ディースカウ
指揮:レナード・バーンスタイン
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1966年 ウィーンでのスタジオ録音
録音 4.45点  演奏 4.55点



テノールとアルトで歌うのが普通ですが、この盤ではアルトのパートをバリトンが歌っています。マーラーもそれでもいいと指定してます。バーンスタイン、キング、ディースカウ。3人とも若いですね。バーンスタインは当時ニューヨーク・フィルとマーラー全集を録音中でしたが、大地の歌だけはDECCAでウィーン・フィルと録音しました。(SONYには後にイスラエル・フィルと録音)

再録音はあまり評判が良くないですね。私も聴かない派。

今、CDで聴かずスピーカーからは英DECCAの初期アナログレコードの音が流れています。久しぶりですね、アナログで聴くのは。当時の名録音の一つです。第一楽章最後の「バッ!」というところは非常にリアルにマイクが捉えていて、生々しい。バーンスタインは、まだウィーンと蜜月な関係になる前ですが、少し強引気味にドライブしています。トランペットがジャージーになるところはご愛嬌。勢いだけになるかと思いきや、ウィーン・フィルも艶(あで)で対抗しているのが面白いところ。チェロなど低音楽器もしっかりと美しく収録されているし、所々ウィーン訛りもしっかり刻印されています。
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かっこいいですね。このジャケットの裏表紙。レニーが若々しい。


ルネ・コロとの第1楽章。懐かしい。





キングのテノールは非常に伸びやかで好感が持てる声。評価が分かれるのは、ディースカウの方でしょうか。ただでさえアルト版に慣れた耳には違和感がありますし、また巧すぎる(笑)でもアルト版より歌詞が明確に聞こえます。第4楽章中間部の早いパッセージのところは、唖然とするほど早口ですが明確。それで表情もつけて歌っているのは凄い。今でも名演で名唱とされているワルター/ウィーン・フィルでのフェリアーの正規録音より私は好きです。しかしさすがのディースカウも第6楽章は、ウィーン・フィルの美感に押され気味。LPなので、この楽章だと流石にバチバチノイズが目立つ。でも極楽浄土の響き・・・・

バーンスタインは後に再録音をしますが、この盤は超えられなかったですね。再録音ではアルト版に宗旨替えしてます。バリトン盤にしたのは契約の加減もあったのでしょうか?でもディースカウは、当時EMIからグラモフォン専属ではなかったのでは?謎です。

弟子であるM・T・トーマスはバリトン版(ハンプソン)で録音してますね。理由は別のところにあるような気もしますが(笑)SACDで優れた演奏で録音です。


定番はワルターのDECCA盤。録音が流石に古く、フェリアーの歌がちょっと私は苦手。


このyoutubeの演奏は、戦前の録音の方ですね。パツァークの声ではないですね。
posted by 悩めるクラヲタ人 at 20:45| Comment(0) | マーラーの交響曲名盤 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月16日

マーラー 交響曲第9番 ジュリーニ/シカゴ交響楽団 1976年録音


何を聴こうかな?とそんなことを思った朝。ふとジュリーニでマーラーをということで、名盤の誉れ高いシカゴ響とのマーラー第9番です。普通この曲のCDを聴こうと思う時というのは、少し陰鬱な気分になるものですが、このジュリーニ盤に限ってはそれがない。それがこの演奏の特徴でもあります。何も気軽に聴けるという意味ではありません。
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この録音はレコード芸術でも褒めちぎられ、レコードアカデミー大賞もとった記憶があります。この録音が発売された時期を考えると、まだこの曲の優れた(特に機能的な面で)CDは少なかったからですから、今のこのCDの立ち位置は全く違います。当時としては画期的で異次元なマーラーに聴こえたことでしょう。

マーラー 交響曲第9番ニ短調
指揮:カルロ・マリア・ジュリーニ
シカゴ交響楽団
1976年 シカゴ、メディナ・テンプル
録音 4.40点 演奏 4.45点



優れた演奏です。でもそれはマーラーの演奏としてどうかというと悩みます。私はこのCDをジュリーニの音楽を聴きたいと思って聴きます。ジュリーニのマーラーは演奏記録としても第1番と第9番、あと大地の歌しかないはずで、必ずしもマーラー指揮者ではありません。この彼の選曲の仕方を見ても、純交響曲の一角としてこの作曲家の作品を取り上げたのだと思います。

演奏はショルティ時代でちょっと気を緩めるとバリバリ鳴らすシカゴ響をしっかりとコントロールして、レガートを多用しながら、大きな呼吸感で音楽を構成していく正攻法で、ショルティのような機能全開、当時のレヴァインのような劇場型、バーンスタインのような血を感じさせる演奏とは全く違う。もう冒頭からそれははっきりとわかります。美しい音楽なんだけれども、途中で「これマーラーの第9だっけ?」と思う瞬間もしばしば。

燃えるジュリーニを聴きたい方はベルリンでの「巨人」を。

死への諦念が込められた曲にもかかわらず、死への憧れすら感じさせる「歌」に溢れる表現。決して焦らず興奮せず、目の前にあるスコアに無心で取り組み、作曲家の僕となり、最上の形で空間に送り出す。鳴らすべきところはしっかりと鳴らす。トロンボーンやトランペットも咆哮はしますが、叫びでは無い。あくまで全体の構成の中でも必要な強奏。リマスターされてその分、耳触りが良くなり特に顕著になりました。メディナ・テンプルという会場はシカゴ響のホームでは無く、少し響きのある録音会場なのでそれが良かった部分もあります。

この演奏の一番の特徴は木管と金管・打楽器を支える弦楽器の複雑な絡み合いを、それぞれのセクションがしっかりと歌いぬき分離しながらも溶け合うところでしょう。もとはフルトヴェングラーの元でも演奏しことのある弦楽器奏者だったジュリーニならではのいつもの特徴ではありますが、シカゴ交響楽団というメリハリしっかりしたオーケストラということと、録音がそれを上手く捉えている。第1楽章の管楽器の平和を感じる長いフレーズ、時々陰りも感じますがそれは美しさを際立たせるための一瞬の引きではないかと思う位。

フィラデルフィアとの共演なんてあったんですね。しかもマーラーの第9とは。

第2楽章も同様。今の一般的な演奏のように角を立ててアンサンブルの精緻さを競いリズム優先よりも「歌」優先。柔かく深い音で諧謔的な音楽が続きます。楽章全体を見てこの部分で必要な音・響きはこうでなければならぬという構成力があります。これがショルティが振っていた同じ楽団かとも疑う程の音彩が引き出されています。少し贅沢な不満があるとすれば、諧謔的で民謡調な楽章にもかかわらず、まじめすぎるという点でしょうか。音楽・旋律への愛が強すぎて・・・

第3楽章も派手派手しくならない。後年のジュリーニと違って中庸のテンポで鳴らすべきところはしっかりと力こぶを入れ鳴らし、ティンパニもここは効果的に鋭角的に叩かせています。ただ金管のコントロールはここも流石で手で鳴らし過ぎるなと指示しているのが目に浮かぶよう。ただやはり弦楽器群の歌が本当に愉しそうに演奏しているのがわかる。

指揮者への信頼感が感じられる。「あなたと音楽が出来て幸せです」というような空気感。楽章最後のテンポ変化の追い込み・勢いでは無く、あくまで冷静でシンフォニックに聴かせる手腕は見事。普段は聴こえないヴィオラ・チェロの音がよく聴こえる。

晩年のブルックナーのリハーサル風景の一部。もうすでに巨匠中の巨匠なのにそんなことを微塵も感じさせない紳士な人ですね。

そして最後のアダージョ。バーンスタインなどは最初の和音からぐっと胸を締め付ける抉りを入れてきますが、全く逆。ふわっと静かに鳴らし始め歌い始める。その呼吸感の自然さが素晴らしい。後は身を委ねておけばジュリーニが「音楽すること」と音の重ね方・ハーモニーの素晴らしさを演奏家と共に伝えてくれる。全く暗さは無く純音楽的交響作品として扱われ、胸を熱くするマーラー演奏の多い中、部屋と心を暖めてくれる演奏です。

そして深い感動と音楽を聴いた喜びがしっかりと後に残る。もう一度最初から聴こうかなと思う程。最近は30分近くかけて陰湿ともいえるほど遅く演奏されることも多い第4楽章ですが、このジュリーニ盤は約25分。遅さは全く感じない。最後のコーダもそのままストレートにテンポも音量も落とさずに滔々と歌い紡いでいきます。

今となってはかなり異色な演奏に思います。特徴が無い演奏とも捉えられかねない。上記理由に逆にそれは違うと、これはジュリーニの論法で捉えた独自のマーラー解釈で師の諦念などとかスコアに書いていないことは考えなくてよくて、一交響曲として素晴らしい作品なんだと、逆に「マーラーはまだまだこんな音楽が書けるほどの力があったんだ。」とも感じさせてくれる。

私が持っているのはこの廉価BOX。ブルックナー・ブラームス、このマーラーなど彼の一番いい時代の録音がまとめられています。紙ジャケ仕様ではないので場所をとるのだけが難点・

人気が衰えない理由がわかるようなジュリーニの全盛期の名盤です。
タワーレコード ジュリーニ一覧
posted by 悩めるクラヲタ人 at 05:31| Comment(0) | マーラーの交響曲名盤 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする