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2018年06月21日

ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲 シェリング&イッセルシュテット/ロンドンso 1965年録音


クリュイタンスとオイストラフの名盤を聴いても、やはりシェリングがいいと再認識です。リマスタリングでオイストラフ盤も個人的にはだいぶ失地回復しましたが。

3大ヴァイオリン協奏曲と言えばベートーヴェン・ブラームス・メンデルスゾーン。ブラームスは確かにと思うのですが、他の二つはより優れたものが?と思うのですが、ベートーヴェンをこうして改めて優れた演奏で聴くと、やはり素晴らしい名曲ですね。

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シェリングにはハイティンクとの再録音もありますが、私は旧録音派。何度聴いても驚くのは、こんなにいい録音だったかということと、イッセルシュテットの指揮の懐深さ。家にはチョン・キョンファ盤、ハイフェッツ盤などがありますが、ヴァイオリンとオーケストラが「有機的に」がっぷり四つに組み合っているという理由でこのCDを手にとります。

ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲ニ長調
ヴァイオリン:ヘンリク・シェリング
指揮:ハンス・シュミット=イッセルシュテット
ロンドン交響楽団
1965年 録音
録音 4.35点  演奏 4.65点


安いし、安定供給されていることが嬉しい名盤。


この年にフィリップスでこのバランスのいい録音をするのは誰の手によるものなのだろうと調べましたが不明。フォルカー・シュトラウスのような気がするのですが。重心低く非常に細部が明瞭に見える録音です。

最新録音と比べてはいけませんが、程よく残響があり情報量が多い。不満な点はレンジが上に高くなくヴァイオリンが少し遠く、そして細目に聴こえてしまう位。全体的な雰囲気を良く捉えている。この名演には録音が一役買っている。





シェリングのヴァイオリンについてはいつも通りの隙のない演奏。と書くと面白くない演奏の様ですが、自然体で流すだけで凛とした佇まいを感じさせ、この曲を本当に堪能させてくれるヴァイオリンです。正直、テレビでよくこの曲の演奏を見ますが、満足した試しがない。

なのでやはり曲が面白くないのか?と何度も思ってしまうわけですが、このシェリングを聴くと違うことがわかります。良く聴くと流しているだけではないこともわかります。絶妙かつ自然に違和感を感じさせないように音色変化をつけて単調になりがちな部分を補っています。
カデンツァは第1楽章がヨアヒム、第3楽章がフレッシュのものを使用しています。


貴重なシェリングのこの曲の演奏風景。

この名演奏の立役者はイッセルシュテットかもしれません。充実の伴奏。ロンドン交響楽団とは思えない渋みのある響き。ティンパニは決して強く叩かれているわけではないのですが、冒頭4連打から実にいいバランスで叩かれていて、良いアクセントがついています。そしてしっかりとヴィオラ・チェロなどの内声部の柔かく厚みがある音をベースに、少し明るめの木管・金管楽器が強すぎず弱すぎない絶妙なバランス。

全ての音が有機的に響きます。第2楽章の弦楽器のさざ波のような序奏も仄かに香るような音で、優しく包まれるような感覚に。ホルン・木管楽器が優しく答える中、シェリングがまっすぐな音で斬り込んで来るところは本当にいいですね。全楽章通じて録音にもう少しレンジが広く解像度があればと思うところもありますが、この少しぼやけたアナログ的な感じが逆にいいのかもしれません。

第3楽章になるとやはり強奏部で録音がもう少しと思いますが、この値段と年代考えれば文句は言えない。しかしシェリングの歌回しの上手さが光ります。良く伸びる高音のヴィブラート・・・イッセルシュテットともども格調高く模範的。

オーケストレーション的にあまり鳴らない印象の第3楽章ですが、この演奏では十分に鳴っています。オーケストラ全体に目が行き届いておりバランス良く鳴り、第1楽章と違いここぞという時にはティンパニが強めに叩かれているのが印象的です。

イッセルシュテットはウィーンpoがステレオで取り組んだ初めてのベートーヴェン交響曲全集の指揮者ですが、このロンドンsoと演奏したらさらにいい演奏になったような気がします。イッセルシュテットは地味で手堅い印象が根強いですが、残されたライブ録音を聴くとライブでは別人のように燃える人でもあったみたいですね。有名なヌヴーとのブラームスのヴァイオリン協奏曲では熱くなっています。

これです。

カップリングのロマンスもただただ聴き惚れてしまう。初期アナログ盤だったら音質もさぞかしと久しぶりに悪魔の声が耳元で囁くような名盤でした。

最近の録音ならレーピンとムーティかな。伴奏は万全ですが、レーピンはもうちょっとかな。まぁでも、
おまけでアルゲリッチとのクロイツェルが聴けるから。


ラベル:優秀録音
posted by 悩めるクラヲタ人 at 21:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 協奏曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする