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2017年12月11日

ショスタコーヴィチ ヴァイオリン協奏曲第1番 バティアシュヴィリ&サロネン/BRSO 2010年録音


クレーメル以降の男性ヴァイオリニストはどうも元気が無い。シャハム、レーピン、ヴェンゲーロフなどがいますが、これといったCDが無く、購入意欲もわかない。逆に女流ヴァイオリニストは元気ですね。バティアシュヴィリ、ユリア・フィッシャー、五嶋みどり、諏訪内、そしてヒラリー・ハーンと新録音が気になる人が多い。
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その中で最近一番魅かれるのはバティアシュヴィリ。N響とも共演していますし、その放送でも流石の演奏でした。ヴァイオリニスト版エレーヌ・グリモーのような印象で、知性とテクニックが噛み合っ感じ。ハーンはちょっと知性寄りで沈着冷静で時に人間ぽっくない。いい意味でですが。バティアシュヴィリはバランスがいい。そこで

ショスタコーヴィチ ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調
ヴァイオリン:リサ・バティアシュヴィリ
指揮:エサ・ペッカ・サロネン
バイエルン放送交響楽団
2010年 スタジオ録音
録音  4.40点   演奏  4.70点



「Echoes of Time(時の谺)」というコンセプトアルバムのメインプログラムとして収録。全てにおいてバティアシュヴィリのテクニックとセンスが光る一枚。彼女のアルバムはその後も発売されていますが、このアルバムが今でも一番のような気がします。収録曲は
ショスタコーヴィチ ヴァイオリン協奏曲第1番
カンチェリ     ヴァイオリン弦楽合奏とテープのための「V&V」
ショスタコーヴィチ 7つの人形の踊り〜叙情的なワルツ
アルヴォ・ペルト 鏡の中の鏡
ラフマニノフ   ヴォカリーズ 作品34の4
とかなり渋い。カンチェリとペルトではアルバムタイトル通り「時の谺」というように、時間間隔を失うような不思議な感覚に襲われます。


ハーンも凄い。


ショスタコーヴィチは第1楽章からぐっと心引き込まれます。サロネンの伴奏が素晴らしい。呼吸が深く、ソロイスティックな金管楽器が巧い。録音が少し低音のフォーカスが甘いのが残念ですが、レンジは広くこだまするような広がる響き。バイエルン放送交響楽団の音でもあるのでしょうが、ヤンソンス率いる楽団と同じだとは思えない。録音会場はレラクレスザールですが、こんなに響くホールでしたっけ?

バティアシュヴィリの集中力の高いヴァイオリンも秀逸。サロネン同様オーケストラと膝を屈し沈み深い第1楽章、うって変わって風を斬るようにフレッシュな感覚の第2楽章スケルツォ、そして祈り捧げるかのようなバティアシュヴィリ独壇場の第3楽章。第3楽章が技巧を披歴するような演奏になっておらず、純粋に崇高な世界を描いているところが素晴らしい。

そして一気呵成で圧倒的な第4楽章。しかしバティアシュヴィリは力だけで押さないし、音色変化も巧みで、冷静過ぎず熱し過ぎずバランスがいい。もちろんテクニックの冴えも素晴らしいのですがそれを感じさせない。第4楽章はサロネンの明晰な指揮と少し乾いたバチで叩かれるティンパニが効果的でコーダは圧巻の出来。オイストラフとかはもう過去の演奏と思っていまします。



このは全体コンセプトが整っており、協奏曲の後これまた崇高なカンチェリ、息抜きのショスタコーヴィチのワルツをはさみ、グリモーと単音で勝負のペルトでまた冷やされ、最後にヴォカリーズで中和され今の時間軸に戻される。よく考えられた選曲と順番です。


ティーレマンとのブラームス。サロネンと組んで一連の名曲を録音すればいいのに、ころころと指揮者とオーケストラが変わる。



このアルバムで少々残念なのは録音。フォーカスが少し甘いというかエコーのかかったような録音で小音量だと良い録音だと思えない。アルバムのコンセプトに合わせた録音なのかもしれませんが、少し大きい音で鳴らさないと録音の良さが感じられないし、独奏ヴァイオリンの定位感が甘く風呂場で聴いているよう。いわゆるオフマイクの録音。実際のコンサートホールだとこれ位のバランスなのでしょうが、家で小音量で聴くには物足りない。大音量で聴くとそれはもう・・・と驚くいい録音だけどもう少し弓と弦が軋む音が聴きたかったかな。

何故か最後のヴォカリーズだけは録音のバランスが違うのか、ピチッとフォーカスがあった録音に変わる。録音会場が違うのでマイク位置を変えたのか、このバランスで全曲録音されてたらなお良かったのに。でも私のような家に引きこもるクラヲタにたまにはコンサートホールの響きを感じさせてくれる(思い出させてくれる)と考えればよしというもの。

チャイコフスキーとシベリウスが最新の録音となり発売予定。伴奏は・・・バレンボイムとベルリン・シュターツカペレだそうで・・・

渋いアルバムですが、タイトルの如く時の谺を感じさせてくれる名アルバムです。このアルバムはショスタコーヴィチだけをダウンロードして聴くべきではない。しかし、男性ヴァイオリニストは元気がないなぁ・・・クレーメルも最近は音沙汰があまりないし、デュメイは指揮者になっちゃったし心配。

ラベル:優秀録音
posted by 悩めるクラヲタ人 at 23:10| Comment(0) | 協奏曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする