ブーレーズの名言にシェーンベルクが亡くなった時に、「シェーンベルクは死んだ」(12音技法は死んだという意味)という言葉がありますが、ブーレーズの作品・作曲思想は生き残るのでしょうか。私たちがキラキラ星の楽譜を読むのと同じ感覚でストラヴィンスキーの「春の祭典」の総譜を読むことのできたブーレーズは、作曲技法の先を見通せすぎたのではないでしょうか?彼の作品は何度か耳にしたことはありますが、残念ながら理解することは出来ず、私との親和性は今でも構築できていません。
演奏の面でも彼の代表作と言われるクリーヴランド管弦楽団との「春の祭典」(初演並みにセンセーショナルな登場をした旧盤)は未だ棚にありません。新盤の方はありますが、その分析的な演奏に感心・敬服することはあっても感動や興奮を得ることは無い。恐らく旧盤も似たような感じだろうとなかなか手が出ない状況が続いています。
晩年の演奏スタイルは、良くも悪くも若い頃の刺々しさが無くなり、常に冷静というか冷たく楽譜を読み取り音響を構築していくスタイルの演奏でした。昔の「春の祭典」を絶賛する人はつまらなくなったといいますが、多くは深化して巨匠になったと評価され、その見通しのよい演奏は多くの人に難解な作品をシンプルに聴かせてくれるようになっていたように思います。私は後者。ですが・・・というのはつきますが。評価の高いマーラーとかはそんなにいい演奏だとは思えず、「巨人」だけ聴いてあとはパスしました。
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私個人的にはブーレーズの演奏はストラヴィンスキーよりもバルトークやラヴェルと相性が良かったと思います。棚にあるのはそのCDです。今横で鳴っているのはバルトークのピアノ協奏曲第2番。この1枚に3人のピアニスト・オーケストラと組んで録音されたバルトークのピアノ協奏曲集は録音・演奏共に優れよく聴くCDの1枚です。世評の高いポリーニ/アバド盤では曲の良さがさっぱりわかりませんでしたが、この演奏で第1・2番の良さは知ることができました。
ラヴェルでは前にツィメルマンとのピアノ協奏曲集を紹介したことがありますが、エマールと再録音したものも面白くて両方持っています。エマールとのCDの方がオーケストラの主張は強い。ラヴェルではベルリンpoとのボレロなどのCDも素晴らしいです。シンフォニック過ぎて色彩感には欠けますが、楽譜の読み込みの深さと奏者への指示の徹底が凄い。
あと隠れた名DVDがヤナーチェクの歌劇「死者の家から」これも分析的ですが、バイロイトでの伝説の盟友であり演出家のパトリス・シェローとの再度のコラボレーション。演奏・舞台共に刺激的でありながら、分り易い。マッケラス盤に匹敵する唯一の演奏ですが、映像付なのでこちらに軍配が上がります。
AMAZON → ブーレーズ ヤナーチェク「死者の家から」
上記の盤についてはどこかでまた詳しくと思いますが、ブーレーズさんを偲んで少し書いてみました。偉大な音楽家がまた一人いなくなってしまったのは間違いないことで寂しいですね。


